リファクタリングとは|リファクタリングのメリット5選や手法5選も紹介

リファクタリングとは
リファクタリング(Refactoring)とは、プログラム内部の構造を整理整頓することです。
動作自体に問題のないプログラムを対象に、構造を階層化したり、プログラム内の要素名を簡潔に置き換えるなど、内部構造を整える作業になります。そのため、外部から見た時・使用した時の挙動に変化は起きません。
動作を修正・改修する作業ではないため、機能追加やバグ修正などはリファクタリングに含まれていません。あくまでプログラム内部の構造を整えるものであり、動作などに及ぶ表面的な違いは生じません。
リファクタリングの目的と効果
リファクタリングとは、ソフトウェアの機能は変更せずに、ソースコードを理解しやすいように作り直すことです。
ソフトウェアを使用するユーザーから見れば、リファクタリングを行う前後では違いはなく、同様の視認性かつ同じように使えます。
また、リファクタリングを行う目的は、設計を向上させたり劣化を防止したりすることにあります。
重複箇所が多く理解しにくいソースコードであると、機能を拡張させたり修正を加えたりするのに手間がかかります。
そのため、バージョンアップなども行われにくくなるでしょう。
リファクタリングを行ってソースコードの重複箇所をなくすことにより、スッキリとした設計になります。
新しい機能を追加するほか、既存の機能に修正を加えたりする際にかかる手間も減るでしょう。
一方で、リファクタリングそのものにも手間がかかります。
しかし、その後の拡張や修正の手間が減るため、トータルで見ると手間の節約になることが多いです。
設計の際にはリファクタリングを行うことを前提にしてあまり細かな点にこだわらずに進めれば、開発時間を短縮できます。
また、リファクタリングを行うことで、ソースコードの理解が深まるのもリファクタリングの効果の一つです。
リファクタリングのメリット5選
リファクタリングを行うことで得られるメリットは、5つほどあります。具体的には、コードの理解が速くなる・プログラムがより速く行える・ソフトウェア設計の改善がしやすくなる・バグの発見がしやすくなる・トラブル対応が速くなるといった内容になっています。
リファクタリングを行う意味について疑問を抱く方もいますので、行うことでどういったメリットがあるのかを確認しておきましょう。
リファクタリングのメリット1:コード理解が速くなる
リファクタリングのメリット1つ目は、コードの理解が速くなることです。内部構造が整理される中でコードが区別されるため、誰が扱っても理解しやすくなります。より分かりやすくコードをまとめることで、理解を速める効果を出すことができるのです。
コードは自分以外が書いたものの場合、その意図が読み取れず引継ぎなどの際に時間や手間が増えてしまうことがあります。リファクタリングしておくことで見やすく読み取りやすいコードになるため、書いた人の意図から外れることなく扱うことができます。
また、逆に自分が書いたコードの意図を相手に正しく読み取ってもらいたい時にも、リファクタリングは役立ちます。コードは種類によってさまざまな解釈ができるため、永久的に自分1人だけが扱う者でない場合には、みんなが分かるようにまとめておくことは大事なことになるでしょう。
リファクタリングのメリット2:プログラミングがより速く行える
リファクタリングのメリット2つ目は、プログラミングがより速く行えることです。コードを整理整頓することで理解が速くなり、修正が必要な部分も少なくなるため、プログラミングで行う機能の修正や追加が正確かつ迅速に行えるようになります。
リファクタリングは、部屋の片付けのように細々とした内部構造を整理することです。そのため、場合によっては時間がかかることもあります。しかし、結果的にはプログラミングの効率を上げることに繋がるため、開発速度は明らかに速くなります。
リファクタリングのメリット3:ソフトウェア設計の改善がしやすくなる
リファクタリングのメリット3つ目は、ソフトウェア設計の改善がしやすくなることです。コードが整理されることで得られるメリットは、プログラミングがしやすくなる(ソフトウェアの設計がしやすくなる)ことだけでなく、ソフトウェア設計の改善もしやすくなります。
なぜなら、ソフトウェアの設計を改善する時には、コードを読んで必要なところを修正していくためです。修正点を探す時、読みにくいコードでは探しにくく、精神的なめんどくささが生じる可能性が高くなります。リファクタリングでコードを整理しておけば、比較的楽に探し出せます。
リファクタリングのメリット4:バグの発見のしやすさ
リファクタリングのメリット4つ目は、バグの発見がしやすくなることです。コードを整理することで、バグの発見が無理なく行なるようになります。また、理解がしやすくなるため、バグの原因になるであろう点の推測も容易になります。
つまり、バグの発見も予防もしやすくなるということです。バグは発生すると対応に時間と手間がかかってしまうため、企業側にとっても、ユーザ側にとっても良いことはありません。できるだけ発生しないようにすること、そして発生しても素早く対処できるようにしておくことは大事です。
リファクタリングのメリット5:トラブル対応が速くなる
リファクタリングのメリット5つ目は、トラブル対応が速くなることです。コードが整理されてシンプルになると、トラブルが起きている部分を発見しやすくなります。そのため、発生しているトラブルへの対応も速やかに行えるようになります。
対応が速く行えれば、ユーザー側が抱く不満度も増大しません。むしろ、素早く対応してくれたことへの高評価が期待できます。トラブル対応は企業にとって仕事の1つですので、従業員側も速く対応できた方が精神的負担は軽減されるでしょう。
リファクタリングの手法5選
リファクタリングの手法は、大まかに5つの段階に分けられています。その内容は、テストを書くこと・メソッドの重複部分を減らすこと・ネストを浅くなるようにすること・名称や内容を簡潔にすること・テストを最後に確認することです。
これらは全て、リファクタリングを進めるために大事なことになります。リファクタリングを正しく効果的に行なえるよう、それぞれの段階についてを把握しておきましょう。
リファクタリングの手法1:テストは必ず書く
リファクタリングの手法1つ目は、テストを必ず書くことです。リファクタリングの効率を上げるためには、自動化されたユニットテストが有用です。既にある場合もありますが、ない場合には作った方が良いでしょう。
比較的短時間で終わる、より積極的なリファクタリングにしたい時には、既存機能のテストを書くことが勧められています。また、ユニットテストがない環境を整える必要がある場合には、ゼロから書くと大変です。そのため、一番リスクが高そうな部分から始めること、またはバグレポートにあるバグを明らかにする単体のテストを書くことが大事と言われています。
リファクタリングの手法2:メソッドの重複した部分を減らす
リファクタリングの手法2つ目は、メソッドが重複した部分を減らすことです。コードは重複している部分が多いと、読み取りにくくなります。また、ロジックを変更する時には重複した部分が全て対象になり、変更に際しての負担が大きくなってしまいます。
さらに、分岐条件を追加する時には、各ケースに重複した部分があると重複部分が増加するといった悪循環が生じることもあります。コードは重複している部分が多いと読み取りにくいだけでなく、システム上で不都合なことが起きやすいので、確認して減らしておきましょう。
リファクタリングの手法3:ネストは浅くなるように気をつける
リファクタリングの手法3つ目は、ネストは浅くなるように気をつけることです。ネストは入れ子(入れ子構造)とも呼ばれるもので、プログラム上で構成要素の一部として同じ構成要素が現れることを言います。
このネストが深いと条件が不透明になりやすく、テストを行う際に漏れが生じる可能性が高くなります。そのため、ネストは浅くしなければなりません。条件の順番を入れ替える方法、または一部をメゾットとして抽出する方法のどちらかでネストを浅くします。
リファクタリングの手法4:名称や内容を簡潔にする
リファクタリングの手法4つ目は、名称や内容を簡潔にすることです。変数や関数の名称と内容をできるだけシンプルに表現することで、スムーズな理解を促進することができます。作業の効率化に繋がるため、理解が簡単で分かりやすい名称や内容を心がけましょう。
注意したいことは、他者に誤解される名称にすることです。誤解はミスの原因になり、作業の効率が落ちたり、作業の完了までに必要以上の時間と労力を費やすことになってしまいます。全員が円滑に作業を進められるように、簡潔で誤解のない名称や内容は重要です。
リファクタリングの手法5:テストを最後に確認する
リファクタリングの手法5つ目は、最後にテストで確認を行うことです。外部に変更が及ぶことがあってはならないため、変更の度に動作に異常が出ていないかをテストで確認する必要があります。
テストを行わず一気にリファクタリングをすると、予期せぬ動作の変化が起きてしまいます。どの変更で起きた異変なのかを特定し、迅速に対応するためには、小刻みなテストが必要なのです。
変更の度にテストを行うのは大変手間であり、プログラマーにとって面倒な作業になります。心理的な問題で不備が出る可能性もあるため、簡単にテストの実行が行えるツールを用意しておくと良いでしょう。そのようなツールには、xUnit/JUbitなどがあります。
リファクタリングの注意点4選
リファクタリングの注意点は、4つほど挙げられています。対象を絞り込むこと・バックアップをこまめにとっておくこと・細かくステップを分けること・テストは何度も繰り返すことがあり、これらすべてに注意する必要があります。
リファクタリングの効果を実現し、目的通りの結果を得るために必要な情報になります。正しく効率的なリファクタリングが行えるよう、各注意点についてを把握しておきましょう。
リファクタリングの注意点1:対象を絞り込む
リファクタリングの注意点1つ目は、対象の絞り込みです。異なる種類の修正・変更を同時に行うと、間違いが発生した時に原因を発見することが難しくなります。そういった理由から、リファクタリングする対象を絞り込む必要があります。
また、良い部分と悪い部分、強みと弱みなども確認します。確認することで良い部分と強い部分を残しながら、改善すべき点に手を付けることができます。コードの中にはよくできない部分もあれば、むしろ手を加えることで悪くなり得る部分もあるため、対象の確認は大事です。
リファクタリングの注意点2:バックアップはこまめに取っておく
リファクタリングの注意点2つ目は、バックアップをこまめに取ることです。問題が生じた時のために、更新の度バックアップを取ることが勧められています。
何度もバックアップを取るのは手間ですが、問題が生じた時にどこがどう悪いのかを見つけやすくなり、修正もスムーズに行いやすくなります。バックアップのツールや同じファイルをバージョン別で保管できるツールもあるため、作業の負担軽減や効率化を図るためにも利用を検討しましょう。
リファクタリングの注意点3:細かくステップを分ける
リファクタリングの注意点3つ目は、細かくステップを分けることです。一気に広範囲を変更するよりも、少しの範囲ずつ変更を加えていく方がリファクタリングは成功します。少しずつ変更し、その都度テストを行うことで、変更がシステムにどのような影響をもたらすのかが分かります。
大幅に変更した後に問題のある結果が生じると、直さないといけない部分が大量になってしまいます。すると問題点の洗い出しからかなり大変な作業となり、精神的な負担も増します。テストで判明した問題の数が片手で数えられる程度に済めば、冷静に対処できるでしょう。
リファクタリングの注意点4:テストは何度も繰り返すようにする
リファクタリングの注意点4つ目は、テストは何度も繰り返すことです。リファクタリングによってソフトウェアの挙動に違いが起きてはいけないため、更新を行なった後は必ずテストを行いましょう。
更新の度にテストを行うのは手間ですが、修正点を見逃さず、冷静かつ適切に対処するためには大事なことです。しかし、バックアップは頻度が高くなるとバージョン管理が大変になり、どのタイミングで取ったバックアップなのかが分かりづらくなります。その欠点を補うために、ファイルをバージョンごとに管理できるツールを活用しましょう。
リファクタリングを行うタイミング
リファクタリングをするべきタイミングとして、3度目の法則というのがあります。同じ作業をやっていることに気づいたら、それが2回目までであればリファクタリングを行う必要はありません。
しかし、3回目の場合にはリファクタリングを行うべきタイミングの目安になります。他に機能を追加するときやバグを修正するときなど、コードレビューを行うときなどもリファクタリングを行うのに良いタイミングです。
機能の追加は、リファクタリングなしで行うと重複箇所が多く複雑なソースコードを何度も読み解かなければなりません。
リファクタリングを先に行っておくことで、機能の追加や修正が容易に行えるようになります。バグの修正を行うときにも同様です。リファクタリングなしでは、バグの原因を見つけるのが困難な場合もあります。
リファクタリングで仕事の効率が大幅にアップ
リファクタリングを行うことで開発にかかる時間を短縮するだけではなく、ソースコードへの理解が深まるなどプラスの効果が大きいです。
ソフトウェア開発に携わる際には、適切にリファクタリングを行いながら進めていきましょう。
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