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オンプレミスとは
オンプレミスというのは自社内で情報を共有し、社内共有のために必要な企業システムを継続して運用することを意味します。クラウドソーシングのシステム設計と似ていますが、クラウドソーシングよりも自社専用のサーバーシステムの運用・共有が強調されます。英語表記では、on-premisesと書き、複数形や建物・構内・社内といった意味合いを持ち合わせ、自社内での情報共有というニュアンスが強いです。
海外企業から見るオンプレミスを選ぶ理由
オンプレミス型を導入する企業は国内外でも非常に増えてきており、その理由は企業独自の情報共有システムを強調したいためと、一度導入した情報システムによってその後のシステム設計が柔軟になる点が挙げられます。クラウド型を継続的に採用する場合はどうしても外部からのハッキングや、情報漏れなどのシステムセキュリティ面での懸念、自社の企業スタイルに合わないシステム等が見られ、改善への意欲を強めています。
「脱クラウド化」のトレンドがある
脱クラウド化の大きな目的には、先でもご紹介したセキュリティ対策の強化と、企業独自の情報共有システムの強調が挙げられます。どの企業でも運用スタイルによって情報共有の成り立ちが変わってくるため、運用に見合わせたシステム設計が必要になります。クラウド型の場合は既存の情報共有システムがメインとなり、欲しいシステム材料が無いことが多く、自社ブランドを強調するためにも脱クラウド化は必要な挑戦になるでしょう。
特定のアプリケーションへの管理強化
企業で扱う特殊な情報共有サイト(Webサイト)を運営する場合、その特定のアプリケーションを継続的に管理するための情報システムの導入が必要となり、それによって自社ブランドを強調することも可能になります。一般にユーザーがWeb上で見ているあらゆるサイトでも、企業によって情報システムの成り立ちが違い、特定のアプリケーションを管理するためのシステムが必要に応じて採用されています。
オンプレミスのメリット5つ
オンプレミスの大きなメリットは、企業システムの円滑性を図るために(情報システムを)自由にカスタマイズできる点、自社内専用で共有するネットワークであるのでセキュリティ対策が万全である、情報の共有がスムーズになる、という3点が挙げられます。それでは、オンプレミスのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1:カスタマイズが自由
オンプレミスは自社専用の企業システムを初めから設計するためのネットワークシステムなので、企業が欲しい情報システムを独自に創設・開発することができます。この点がクラウドと違うところで、企業の現状に合わせて柔軟にシステム設計することが可能です。そのカスタマイズにコストが掛かることもありますが、社内SEなどに設計を任せれば低コストで抑えられるので、低予算での理想のシステム設計も可能です。
2:他システムと連携しやすい
従来のオンプレミスではハードウェアを使用している場合、他のクラウドシステムとの連携に多少(設備面で)時間が掛かることもありました。現在のオンプレミスでは接続・カスタマイズも飛躍的に改善されているため、ほとんど時間を掛けずに連携を取ることが可能です。企業システムを扱う際でも必要に応じて他システムとの連携を図り、この場合も柔軟なシステム対応ができるでしょう。この点もオンプレミスの大きな魅力です。
3:接続スピードが高速
一般的にオンプレミスの場合はLAN接続であるため、接続スピードはかなり速いです。クラウドの場合は主に回線接続であるのに対して、オンプレミスは企業システムを利用するので運営には最適となるでしょう。以前はLAN接続のシステム運用ではセキュリティ対策の不安が見られましたが、最近では障害対策をはじめ、システム強化・セキュリティシステムの改善によってそれらの懸念が払拭されています。
4:月額は固定費で予算化しやすい
オンプレミスを利用する際は設定費用などで高額のコストが掛かる場合もありますが、月額の側面から見れば固定される費用計上となるため、予算化しやすいという利点があります。企業運営において予算の検討は重要になるため、事前に固定額で設備投資・運営に掛かる費用を割り出すことができれば、その他の周辺設備の補強にも注力することが可能になるでしょう。
5:セキュリティ面が強硬
オンプレミスを採用している企業では自社内での情報共有システムが強調されるため、外部に情報が漏れない・外部ソーシングからのハッキングを受けにくいなどの大きな利点が備わります。企業運営において情報交換・共有のセキュリティシステムの万全性はどの局面でも重要となるため、セキュリティ対策への注力は避けられないものです。この点もクラウド型と大きな違いになります。
オンプレミスのデメリット3つ
さてここからは、オンプレミス型を採用する場合のデメリットをご紹介していきます。オンプレミス型は企業にとって非常に配慮された情報システムの設計が可能ですが、そのぶんコストが掛かり、運用に必要な経費の計上、また修理に掛かるコストも見られます。基本的にコスト面でのデメリットが挙げられ、クラウド型からオンプレミス型へ移行する場合には初期費用の確保と、その後の設備投資にゆとりを持つことが肝心です。
1:初期コストが高い
オンプレミス型を導入する際には、まず初期費用が高額というデメリットがあります。情報システムを自社専用で共有するためのサーバをはじめ、情報伝達のための必要な機器類を自社で調達することによりコストがかなり増えます。本社・支社数分で情報共有システムの開設・構築に当たる際には、さらに必要機器類の購入コストが多く計上されることになり、主に導入初期のコストがかなり嵩むことになるでしょう。
2:運営に時間がかかる
オンプレミス型を導入してから情報共有を実際に行なっていくまで、企業の特性に合わせた情報システムを浸透させるまでの時間がかなり掛かる場合があります。先でもご紹介した「企業独自のカスタマイズ」がオンプレミス型の利点とされますが、それは一般的なクラウド型からすれば新しい企業運用の形態ともなり、セキュリティ対策や他システムとの接続の円滑性を図る際にもそれなりの時間が必要になってしまいます。
3:修理に時間がかかる
オンプレミス型を導入する場合は、企業独自のスタイルに見合わせた情報システムを採用・開設することになるため、設備投資も自社でする必要があり、さらにそのシステムのメンテナンス・修理も自社で行なうことになるので時間が必要です。セキュリティ面や運用コストに掛かる負担に加え、さらに修理費用と時間も自社持ちとなるため、この場合も運用時間と就労シフトの調整、また資金にゆとりを確保しておく必要があるでしょう。
クラウド側から見るオンプレミスとの比較5つ
今まで利用していたオンプレミス型からクラウド型に移行すると、どのような変化やメリットがあるのか、未だ利用したことがない企業は期待とともに不安も抱くでしょう。実際に、総務省が発表した「令和2年 情報通信白書」によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は64.7%であり、約4割の企業がクラウドを利用していません。クラウド型はオンプレミス型と比較して、どのような変化やメリットがあるのかを見ていきましょう。
出典:令和2年 情報通信白書 第2部 基本データと政策動向/総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252140.html
1:利用開始可能日は申し込み後や決済後すぐに可能
前述したとおり、オンプレミス型は使用するリソースをすべて自社で調達するため、情報共有システムとその周辺設備の確保に時間と費用を要し、立ち上げに数週間から数ヶ月を必要とするデメリットがあります。一方、クラウド型は申し込みや決済した直後に利用を開始でき、構築期間が数分~数日ですみます。特に、パブリッククラウドはプライベートクラウドに比べて短期間という点がメリットです。
2:初期費用が安価である
クラウド型は、リソースの調達やシステムの立ち上げが短期間であると同時にコスト面でもオンプレミス型に比較して安価ですみ、これは大きなメリットと言えるでしょう。オンプレミス型はハードウェア・ソフトウェアの調達やライセンスの購入、および付帯設備など、初期投資が非常に高額になるのがデメリットとなるのは前述のとおりで、大規模なシステムになると数千万円に上ることもあります。
3:カスタマイズや他システムとの連携には制限がある
クラウド型はオンプレミス型に比べて、カスタマイズ性が低いことがデメリットの1つです。複数のプランから選択して利用するクラウド型は、自社の企業スタイルや活用状況に合わせてカスタマイズできるオンプレミス型のような自由度がありません。また、可用性の高さがメリットのオンプレミス型に比べて導入できるアプリケーションの制限もあります。
4:災害トラブルに強いセキュリティで復旧が容易
基本的に多くのクラウドサービスがセキュリティ機能を有しています。インターネットを介するクラウド型はサイバー攻撃リスクが高いため、高度な暗号化によるセキュリティ対策が構築されており、災害トラブルなどにも強く復旧しやすい点がメリットです。一方、オンプレミス型はファイアウォールなどの導入や運用、OSやミドルウェアのセキュリティパッチの適用やバージョンアップ、災害トラブルの復旧など、セキュリティ環境の構築と運用を独自に行わなければいけないデメリットがあります。ただし、クラウド型のセキュリティに関する安全性や機密性の高さはクラウドベンダー側に依存するため、ベンダーやサービスの選定が重要です。
5:構成コンポーネントの二重化が容易である
クラウド型をオンプレミス型と比較した際、複数のコンポーネントを搭載して信頼性の確保をしやすいというメリットがあります。構成コンポーネントの1つが故障しても別のコンポーネントが機能を引き継ぎ、全体への影響でいたらずにサービス停止という事態を回避できます。一方、オンプレミス型でリソースの追加をする場合、ハードウェアへの追加投資が必要であり、ハードウェアの冗長化など高い可用性を求めると多額のコストが発生し、大きなデメリットとなるでしょう。
オンプレミスの導入事例4つ
さてここからは、実際にオンプレミス型を導入した企業の事例を簡単に確認していきましょう。主にクラウド型からオンプレミス型への移行を機にその前後の運営状況のあり方や、それまでの企業成果がどのように変わったか・改善されたかなどが注目点です。多くの企業ではオンプレミス型を採用する場合に、コストは掛かるがそれだけの企業利益を挙げることができるとした、メリットを主張する傾向が見られます。
1:Box
株式会社BoxJapanの事例では、オンプレミス型による情報共有システムを採用したことにより、情報セキュリティ面での対策が充実し、それまでの日常業務におけるオーバーワークの軽減につながったことを成果に挙げています。セキュリティ対策は情報共有・交流において、どの場合でも必須となるため、結果的に企業状況が改善したといえます。
2:株式会社キャロッセ
自動車部品開発・製造を本業とする株式会社キャロッセの事例では、オンプレミス型での情報共有システムを採用したことにより、情報の一元化をスムーズに行なうことができ、さらにオフコンやシステムのオープン化が万全になった点が挙げられます。企業運営を継続する場合は将来ビジョンの盤石が必須であり、そのための設備投資と思えば企業システムを強化・改善することも必要な方法といえます。
3:株式会社板通
企業スタイルを上手く盛り込んだオンプレミス型による情報共有・交換は非常に実益性があり、さらにセキュリティ面での強化が図れるため、将来に向けての企業成果としても大きな飛躍を遂げています。株式会社板通では、海外をまたぐ本部と営業拠点の間で展開される運営の向上を図り、さらに情報共有のスピードとセキュリティ対策を充実させたネットワークの改善に尽力していました。
4:金子産業株式会社
オンプレミスの導入の成果として、業務の標準化や内部統制の実現を挙げ、業務効率を向上させ、生産管理システムとの連動性を実現しています。工業用バルブの専業メーカーの金子産業株式会社では、オンプレミス導入の目的として次のことを挙げていました。「現システムをオープン化にて生産管理システムと連携をとっていきたい、業務の見直しにより業務の改善を行うこととして情報システムのオープン化と業務改善が課題でした。」
クラウドからオンプレミスへ移行する方法
クラウド型からオンプレミス型への移行する際には、まず設備投資に十分な費用の確保と、企業独自のマネジメントとが必要なのかを把握することから始まります。一般にはオンプレミス型からクラウド型への移行が多く見られるケースもありますが、企業独自の情報システムの強化やセキュリティ対策の万全性を図る際には、オンプレミス型の利点が大きく影響するでしょう。
クラウドとオンプレミスの両方が必要なときはどうする?
クラウド型とオンプレミス型、両者のメリットを享受できるのがハイブリッドクラウドです。ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウドとプライベートクラウド、オンプレミスを組み合わせて統合し、より効率よくシステムやアプリケーションの設定・管理・運用の実現が可能となります。特に、災害時に相互のシステムがバックアップとして働くという連携もメリットになります。さらに、ハイブリッドクラウドの大きなメリットである即応性を得るために、必要に応じてパブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスそれぞれのメリット・デメリットを理解して組み合わせると良いでしょう。
オンプレミスとクラウドの違いを理解しよう
近年、リモートワークの導入とともにクラウド化への移行が注目されています。一方で、オンプレミスの強みに企業スタイルが合致している企業は、オンプレミスを導入して成功しています。オンプレミス型とクラウド型は両者それぞれにメリット・デメリットがあり、自社のニーズに適したサービスを選択することが必要です。また、両者のメリットを持ったハイブリッドクラウドの出現も注目されています。急速にデジタル化が進められている現在、自社の業務スタイルを考慮し、ITインフラの利用形態を選択しましょう。
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