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SSL化とは
SSL化とはインターネット上の通信を暗号化することです。
インターネット上の通信は悪意のある第三者に傍受、改ざんされる可能性がありますが、SSL化によってサーバとブラウザの通信を暗号化することですることによって、安全性を高めることができます。
ホームページをSSL化することにより、仮に傍受されたとしても通信は暗号化されているため、情報の流出などの最悪の事態を回避することができます。
SSL化が推奨されている?
Webサイトの安全性を高めるために総務省のガイドラインでもWebサイトをSSI化することが推奨されています。
以前はクレジットカードの情報を入力するページなど、特にセキュリティを強化する場合にSSL化が行われていました。
しかし近年は総務省が各地方公共団体へWebサイトのSSL化に関する通達を出すなど、SSL化が推奨されています。
常時SSL化させるメリット5つ
Webサイトを常時SSL化させることのメリットをご紹介します。
近年はセキュリティの向上のためにWebサイトを常時SSL化させることが推奨されていることは解説しましたが、常時SSL化させることによって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは常時SSL化させるメリット5つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
メリット1:サイト表示速度があがる
Webサイトを常時SSL化させることでサイト表示速度があがるというメリットがあります。
常時SSL化を行うことにより、情報を圧縮することで通信速度を向上するHTTP/2が利用可能になります。そのため、サイトの表示速度を向上することができます。
以前は常時SSL化によってサイトの表示速度が遅くなるケースもありましたが、現在はHTTP/2によって逆に通信速度が速くなっています。
メリット2:アクセス解析に役立つ
Webサイトを常時SSL化させることでアクセス解析に役立つというメリットがあります。
Google Analyticsでは、常時SSL化している場合はHTTP、HTTPS両方のサイトからリファラーを受け取ることが可能のため、アクセス解析の精度を向上させることができます。
逆に常時SSL化していない場合はリファラーが参照できないため、Webサイトでのユーザーの行動がわからなくなります。
メリット3:セキュリティが向上する
Webサイトを常時SSL化させることでセキュリティが向上するというメリットがあります。
常時SSL化を行うことで、暗号化通信によってWebサイトのセキュリティを強化することができます。
たとえば、ログインパスワードや決済情報などの盗聴を防止、中間者攻撃、フィッシング詐欺などを予防することが可能になります。
また、全ページをSSL化することで、Cookieの盗聴を防ぐ事も可能です。
メリット4:SEOに好影響
Webサイトを常時SSL化させることでSEOに好影響があるというメリットがあります。
Googleもサイト全体を常時SSL化することを推奨しているため、2014年から常時SSL化しているWebサイトはしていないサイトより検索順位が優遇される仕様になっています。
しかし最近は常時SSL化しているWebサイトも一般的になっているため、常時SSL化に対応していないと評価が下がる可能性があります。
メリット5:ユーザーから信頼されやすい
Webサイトを常時SSL化させることでユーザーから信頼を得やすいというメリットがあります。
2018年よりGoogle ChromeではSSL化されていないWebサイトに警告を出すようになっており、Googleでもサイト全体を常時SSL化することが推奨されています。
そのため、警告を表示されてしまう常時SSL化していないWebサイトはユーザーからの信頼を得にくい状態になっています。
常時SSL化させるデメリット5つ
Webサイトを常時SSL化させることによるデメリットもあります。
ここまでWebサイトを常時SSL化させるメリットについて解説しましたが、逆に常時SSL化することによるデメリットもあります。
ここでは常時SSL化させるデメリット5つをご紹介しますので、メリットだけでなくデメリットについてもよく知っておくようにしましょう。
デメリット1:設定の変更が必要となる
Webサイトを常時SSL化させる場合は、設定の変更が必要になるというデメリットがあります。
常時SSL化対応を行う場合はWebサイトのURLを移行するため、前のページを表示させないためにもリダイレクト作業が必要となります。
リダイレクト作業は常時SSL化したWebサイトだけでなく、リンクを貼っている関連会社のWebサイトなどでも必要になります。
デメリット2:サーバに関する知識が必要
Webサイトを常時SSL化するためには、サーバに関する知識が必要というデメリットがあります。
Webサイトを常時SSL化させるためには、独自ドメインに対してSSL証明書を取得し、サーバにインストールする必要があります。
そのため、サーバに関する知識を持ったエンジニアがいなければ、そもそも技術的に導入が難しいケースがあります。
デメリット3:設置していたソーシャルボタンのカウントがリセット
Webサイトを常時SSL化させると、設置していたソーシャルボタンのカウントがリセットされるというデメリットがあります。
常時SSL化を行うと、SNSのいいね集計や訪問者カウンターがリセットされます。そのため、常時SSL化を行ったタイミングでこれまで集計して表示を行っていたカウントが消えてしまい、Webサイトの人気や反響の多さをアピールできなくなります。
デメリット4:広告収益に影響が出る可能性がある
Webサイトを常時SSL化する場合、広告収益に影響が出る可能性があるというデメリットがあります。
Webサイトの中には他社サービスの広告を表示することで広告収入を得ているサイトも多く存在します。
しかし大手サイトでもSSL非対応の広告が多いため、たとえばニコニコ動画やAmazonアフィリエイトなどSSL非対応の広告は表示されなくなり、広告収入の減少につながるケースもあります。
デメリット5:コストがかかってしまう
Webサイトを常時SSL化させることでコストがかかってしまうデメリットがあります。
常時SSL化対応にはさまざまな導入コストがかかります。たとえば、SSLサーバ証明書を発行するための手数料が発生するケースがあります。
また、社内にSSLの更新を行う技術者がいない場合は外部に委託する必要があるため、外注コストが発生することもあります。
SSL化を導入する方法
SSL化を導入する方法をご紹介します。
ここまで常時SSL化のメリットやデメリットについてご紹介してきましたが、実際にSSL化するにはどのような手順を取ることになるのでしょうか。
これからSSL化を導入する方法をご紹介しますので、これから自社サイトのSSL化を検討している方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
サーバ証明書を発行
SSL化を導入する場合はサーバ証明書を発行しましょう。
常時SSL化するためには、WebサイトのすべてのページにSSLサーバ証明書を発行する必要があります。SSLサーバ証明書の発行には書類の提出や電話での確認などが必要になるため、よく調べておきましょう。
また、レンタルサーバの中にはHTTPS通信に変更できないものもあるため、事前に確認するようにしましょう。
httpsにリダイレクト設定
SSL化を導入する場合はhttpsにリダイレクト設定しましょう。
常時SSL対応をする際には301リダイレクト転送を行う必要があります。301リダイレクトとは永久的なリダイレクトを行うもので、常時SSL対応前のHTTP通信からユーザーをHTTPS通信のページに飛ばせる機能です。
常時SSL化対応後は、きちんとリダイレクト機能が動作しているかどうか確認する必要があります。
内部リンクなどの設定変更
SSL化を導入する場合は内部リンクなどの設定を変更しましょう。
常時SSL化対応が完了したら、最後に内部リンクなど利用しているツールのURLの設定をhttpからhttpsに変更しましょう。
ツールによって変更方法はさまざまで、設定変更から簡単に変更できるものもあれば、サイトを再設定しなければいけないものもあります。
SSL化のメリットとデメリットを把握しよう
SSL化にはメリットだけでなくデメリットもあることを押さえておきましょう
Webサイトを常時SSL化することで多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
ぜひこの記事でご紹介した常時SSL化のメリットやデメリットを参考に、SSL化についての知識を自社のWebサイト運営に役立ててみてはいかがでしょうか。