SSHでのファイル転送方法をご紹介！
SSHでのファイル転送方法とは？
今回は、SSHでのファイル転送方法について説明します。scp、sftp、rsyncコマンドを利用して、ファイル転送する手順を紹介します。OpenSSHの公式サイトでは「scpを使うのは非推奨」と記載しています。ファイル転送にはsftp、rsyncを使用するとよいでしょう。
ファイル転送方法に興味のある方はぜひご覧ください。
SSH環境
ここでは、WSL2（Windows Subsystem for Linux 2）のSUSE LinuxからubuntuにSSH接続してファイル転送します。sshクライアント側（SUSE Linux）の環境は以下です。
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
|
SSH-client:~> cat /etc/os-release
NAME="SLES"
VERSION="15-SP1"
VERSION_ID="15.1"
PRETTY_NAME="SUSE Linux Enterprise Server 15 SP1"
ID="sles"
ID_LIKE="suse"
ANSI_COLOR="0;32"
CPE_NAME="cpe:/o:suse:sles:15:sp1"
SSH-client:~> ssh -V
OpenSSH_7.9p1, OpenSSL 1.1.0i-fips 14 Aug 2018
SSH-client:~>
|
sshサーバ側（ubuntu）の環境は以下です。sshのサービスを起動しておいてください。
|
1
2
3
4
5
6
|
SSH-server:~$ cat /etc/issue
Ubuntu 20.04.1 LTS \n \l
SSH-server:~$ ssh -V
OpenSSH_8.2p1 Ubuntu-4ubuntu0.1, OpenSSL 1.1.1f 31 Mar 2020
SSH-server:~$
|
また、事前にクライアント側にconfigファイルを作成しておきます。
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
|
SSH-client:~> cat ~/.ssh/config
Host myhost
# ホスト名
HostName ホスト名
# ユーザー名
User ユーザー名
# 接続用の鍵ファイルパス
IdentityFile ~/.ssh/id_rsa
SSH-client:~>
|
scpコマンド
scpコマンドでファイル転送する方法を紹介します。サーバにファイル転送するには以下のように記述します。
|
1
2
3
4
|
SSH-client:~> scp ~/test/test1.txt myhost:~/test
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
test1.txt 100% 883 579.4KB/s 00:00
SSH-client:~>
|
サーバからファイル転送するには以下のように記述します。
|
1
2
3
4
|
SSH-client:~> scp myhost:~/test/test2.txt ~/test/
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
test2.txt 100% 883 228.8KB/s 00:00
SSH-client:~>
|
ワイルドカード指定でサーバにファイル転送するには以下のように記述します。
|
1
2
3
4
5
|
SSH-client:~> scp ~/test/*.txt myhost:~/test
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
test1.txt 100% 883 628.2KB/s 00:00
test2.txt 100% 883 987.0KB/s 00:00
SSH-client:~>
|
ワイルドカード指定でサーバからファイル転送するには以下のように記述します。
|
1
2
3
4
5
|
SSH-client:~> scp myhost:~/test/*.txt ~/test/
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
test1.txt 100% 883 593.7KB/s 00:00
test2.txt 100% 883 3.8MB/s 00:00
SSH-client:~>
|
タイムスタンプや権限を保持したままファイル転送するには、-pオプションを指定します。
|
1
2
3
4
5
|
SSH-client:~> scp -p ~/test/*.txt myhost:~/test
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
test1.txt 100% 883 1.1MB/s 00:00
test2.txt 100% 883 1.0MB/s 00:00
SSH-client:~>
|
再帰的にファイル転送するには、-rオプションを指定します。転送前のクライアント側のフォルダ構成は以下とします。
|
1
2
3
4
5
6
7
8
|
SSH-client:~> find test/
test/
test/test2.txt
test/test1.txt
test/subdir
test/subdir/test2.txt
test/subdir/test1.txt
SSH-client:~>
|
再帰的にファイル転送してみます。
|
1
2
3
4
5
6
7
|
SSH-client:~> scp -pr ~/test/* myhost:~/test
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
test2.txt 100% 883 168.5KB/s 00:00
test1.txt 100% 883 730.8KB/s 00:00
test1.txt 100% 883 708.2KB/s 00:00
test2.txt 100% 883 1.1MB/s 00:00
SSH-client:~>
|
sftpコマンド
sftpコマンドでファイル転送する方法を紹介します。まずはサーバ側と接続します。
|
1
2
3
|
SSH-client:~> sftp myhost
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
Connected to myhost.
|
クライアント側でディレクトリを移動するには、lcdコマンドを使用します。
|
1
|
sftp> lcd test
|
サーバ側でディレクトリを移動するには、cdコマンドを使用します。
|
1
|
sftp> cd test
|
クライアント側でlsコマンドを実行するには、llsコマンドを実行します。
|
1
2
|
sftp> lls
subdir test2.txt
|
サーバ側では通常のlsコマンドを実行します。
|
1
2
|
sftp> ls
subdir test1.txt
|
サーバからクライアントにファイル転送するには、getとします。
|
1
2
3
|
sftp> get test1.txt
Fetching /home/user/test/test1.txt to test1.txt
/home/user/test/test1.txt 100% 883 1.4MB/s 00:00
|
クライアントからサーバにファイル転送するには、putとします。
|
1
2
3
|
sftp> put test2.txt
Uploading test2.txt to /home/user/test/test2.txt
test2.txt 100% 883 1.1MB/s 00:00
|
getやputはワイルドカード指定も可能です。
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
|
sftp> get *.txt
Fetching /home/user/test/test1.txt to test1.txt
/home/user/test/test1.txt 100% 883 1.8MB/s 00:00
Fetching /home/user/test/test2.txt to test2.txt
/home/user/test/test2.txt 100% 883 2.8MB/s 00:00
sftp> put *.txt
Uploading test1.txt to /home/user/test/test1.txt
test1.txt 100% 883 891.5KB/s 00:00
Uploading test2.txt to /home/user/test/test2.txt
test2.txt 100% 883 980.9KB/s 00:00
|
接続を終了するにはbyeコマンドを実行します。
|
1
2
|
sftp>bye
SSH-client:~>
|
タイムスタンプや権限を保持したままファイル転送するには、-pオプションを指定します。また、再帰的にファイル転送するにはrオプションを指定します。
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
|
SSH-client:~> sftp myhost
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
Connected to myhost.
sftp> lcd test
sftp> cd test
sftp> get -pr *
Fetching /home/user/test/subdir/ to subdir
Retrieving /home/user/test/subdir
/home/user/test/subdir/test2.txt 100% 883 2.0MB/s 00:00
/home/user/test/subdir/test1.txt 100% 883 2.6MB/s 00:00
Fetching /home/user/test/test1.txt to test1.txt
/home/user/test/test1.txt 100% 883 3.1MB/s 00:00
Fetching /home/user/test/test2.txt to test2.txt
/home/user/test/test2.txt 100% 883 3.1MB/s 00:00
sftp> put -pr *
Uploading subdir/ to /home/user/test/subdir
Entering subdir/
subdir/test2.txt 100% 883 1.1MB/s 00:00
subdir/test1.txt 100% 883 842.8KB/s 00:00
Uploading test1.txt to /home/user/test/test1.txt
test1.txt 100% 883 791.6KB/s 00:00
Uploading test2.txt to /home/user/test/test2.txt
test2.txt 100% 883 1.2MB/s 00:00
sftp>bye
SSH-client:~>
|
rsyncコマンド
rsyncコマンドでファイル転送する方法を紹介します。rsyncコマンドはディレクトリを同期するコマンドですが、同期の仕組みを利用してファイル転送が可能です。クライアントのフォルダ構成が以下とします。
|
1
2
|
SSH-client:~> find ~/test/
/home/user/test/
|
rsyncコマンドでサーバ側と同期します。（サーバからファイル転送します。）
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
|
SSH-client:~> rsync -av myhost:~/test/ ~/test/
Enter passphrase for key '/home/user/.ssh/id_rsa':
receiving incremental file list
./
test1.txt
test2.txt
subdir/
subdir/test1.txt
subdir/test2.txt
sent 115 bytes received 3,873 bytes 725.09 bytes/sec
total size is 3,532 speedup is 0.89
|
コマンド実行後のクライアントのフォルダ構成は以下のようになります。
|
1
2
3
4
5
6
7
8
|
SSH-client:~> find ~/test/
/home/user/test/
/home/user/test/test2.txt
/home/user/test/test1.txt
/home/user/test/subdir
/home/user/test/subdir/test2.txt
/home/user/test/subdir/test1.txt
SSH-client:~>
|
まとめ
SSHでのファイル転送方法について説明しました。scp、sftp、rsyncコマンドを利用して、ファイル転送する手順を紹介しました。OpenSSHの公式サイトでは「scpを使うのは非推奨」と記載しています。ファイル転送にはsftp、rsyncを使用するとよいでしょう。
ぜひご自身でコマンドを書いて、理解を深めてください。
ネプラス株式会社はサービス開始から10年以上
『エンジニアの生涯価値の向上』をミッションに掲げ、
多くのインフラエンジニア・ネットワークエンジニアの就業を支援してきました。
ネプラス株式会社はこんな会社です
秋葉原オフィスにはネプラス株式会社をはじめグループのIT企業が集結！
数多くのエンジニアが集まります。
-
インフラ業界に特化
ネットワーク・サーバー・データベース等、ITインフラ業界に特化。Cisco Systemsプレミアパートナーをはじめ各種ベンダーのパートナー企業です。
業界を知り尽くしているからこそ大手の取引先企業、経験豊富なエンジニアに選ばれています。
-
正社員なのにフリーランスのような働き方
正社員の方でも希望を聞いたうえでプロジェクトをアサインさせていただいており、フリーランスのような働き方が可能。帰社日もありません。
プロジェクト終了後もすぐに次の案件をご紹介させていただきますのでご安心ください。
-
大手直取引の高額案件
案件のほとんどが大手SIerやエンドユーザーからの直取引のためエンジニアの皆様へに高く還元できています。
Ciscoをはじめ、Juniper、Azure、Linux、AWS等インフラに特化した常時300件以上の案件があります。
-
スキルアップ支援
不要なコストを削減し、その分エンジニアの方へのスキルアップ支援(ネットワーク機器貸出、合格時の受験費用支給など)や給与で還元しています。
受験費用例）CCNP,CCIE:6-20万円、JNCIS:3-4万円、AWS:1-3万円など
※業務に関連する一定の資格のみ。各種条件がありますので詳しくは担当者へにお尋ねください。
-
現給与を保証します！※
前職の給与保証しており、昨年度は100%の方が給与アップを実現。収入面の不安がある方でも安心して入社していただけます。
※適用にはインフラエンジニアの業務経験1年以上、等一定の条件がございます。
-
インセンティブ制度
ネットワーク機器の販売・レンタル事業等、売上に貢献いただいた方にはインセンティブをお支払いしています。
取引先企業とエンジニア側、双方にメリットがあり大変好評をいただいています。
-
社会保険・福利厚生
社員の方は、社会保険を完備。健康保険は業界内で最も評価の高い「関東ITソフトウェア健康保険組合」です。
さらに様々なサービスをお得に利用できるベネフィットステーションにも加入いただきます。
-
東証プライム上場企業グループ
ネプラスは東証プライム上場「株式会社オープンアップグループ」のグループ企業です。
安定した経営基盤とグループ間のスムーズな連携でコロナ禍でも安定した雇用を実現させています。
ネプラス株式会社に興味を持った方へ
ネプラス株式会社では、インフラエンジニアを募集しています。
年収をアップしたい！スキルアップしたい！大手の上流案件にチャレンジしたい！
オンライン面接も随時受付中。ぜひお気軽にご応募ください。
関連記事Related Posts
-
PowerShellでのSSHの使い方とは？事前準備から接続方法まで解説
PowerShellでのSSHの使い方とは？ 今回は、PowerShellでのSSHの使い方について説明します。ここでは、PowerShellターミナルからPaizaCloudで作成した無料サーバーへSSH接続する方法を […]
-
SSH経由でrsyncする方法とは？rsyncの基本的な使い方や各種オプションの使い方を紹介！
SSH経由でrsyncする方法とは？ 今回は、SSH経由でrsyncする方法について説明します。ここでは、WSL2（Windows Subsystem for Linux 2）のSUSE Linuxからubuntuに対し […]
-
ssh-copy-idコマンドを使った簡単に公開鍵をリモート側にコピーする方法をご紹介！
ssh-copy-idで公開鍵をコピーしてみよう 今回は、ssh-copy-idで公開鍵をコピーする方法について説明します。 ssh接続のためには、公開鍵はリモートsshサーバに渡す必要があります。公開鍵を渡す方法の一つ […]
-
ローカルネットワーク間のSSHログインにおけるポートフォワードの使い方を紹介します！
ポートフォワードとは？ SSHのポートフォワード機能とは特定のポートのデータ通信を他のポートへ転送することです。この機能によってVPNが設置されていない内部ネットワーク間での通信などが可能になります。なお今回は公開鍵認証 […]
