Spring Bootとは?アプリケーションを実行するまでの流れを紹介

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【Spring Boot入門】はじめに


Springベースのアプリケーションの開発をする際に「Spring Boot」と言う言葉を耳にする方も多いかと思います。

本記事では、Spring Boot入門としてSpring Bootの簡単な概要説明と、実行環境構築から、初回起動までの流れを説明します。

これからSpring Bootを試してみたい方にとって少しでも参考になれば幸いです。

Springについて

本記事ではSpring Boot入門の記事のため、Springに関する説明は省略しています。 

もし、Springの入門から勉強したい方は以下の書籍が参考になりますので、事前に読んで頂ければと思います。

「Spring徹底入門書」:Springに関する基本的な使い方から開発時の指針までしっかり書かれたドキュメント。入門書としても、実践的なリファレンスガイドとしても有益な一冊。

「[改訂新版]Spring入門 」:Spring入門として、Springを使った開発を行う上で押さえるべきポイントを分かりやすく解説している一冊。

Spring Bootとは?

Spring Bootを実際に動かす前に、簡単にSpring Bootについて説明したいと思います。

Spring Bootとは、一言で言うとSpringFrameworkベースのアプリケーション実行する際の環境や設定を簡単に行うためのライブラリです。

公式リファレンスに記載されている、Spring Bootの主な機能は以下の通りです。

・スタンドアロン Spring アプリケーションを作成する
・Tomcat、Jetty、Undertow の直接組み込み (WAR ファイルのデプロイ不要)
・標準的な「スターター」依存関係の提供によりビルド構成を簡素化する
・Spring とサードパーティのライブラリを可能な限り自動的に構成する
・メトリクス、ヘルスチェック、外部化された構成などの本番対応機能を提供する
・コード生成や XML 設定は一切不要
つまり、Spring Bootの機能を使うことにより、アプリケーションの開発を行う時によく使う、サーバーなど実行環境や、必要な依存関係、設定項目などを簡単に取り込む事が出来ます。

また、Spring Bootのアプリケーションはスタンドアロンなアプリケーションとして実行可能なので、コンテナ系の技術とも相性が良いのも特徴です。

そのため、最近注目されているクラウド技術と親和性の高いアプリケーション開発にも対応した、Spring Cloudと言うライブラリも登場しています。

はじめてのSpring Boot:必要な実行環境について

Spring Bootを実行するためには、実行環境を構築する必要があります。
この章では、Spring Bootを実行するために必要な環境について説明します。

前提として、本記事では以下の環境での動作確認を行っています。
以下の環境以外での動作確認は行っていませんので予めご了承ください。

macOS 10.15.7 Catalina

必要な環境構築:JavaとMavenの実行環境構築

Sprng Bootを実行するためには「Java」と「Maven」を実行するための環境を準備する必要があります。

公式リファレンスの「システム要件」によると、Spring Bootを実行するには以下のバージョンに対応した「Java」と「Maven」がインストールされている事が必要となります。

(1)Java 8以上
(2)Maven 3.3以上

そのため、本入門記事を進めるにあたり、事前に以下のツールのインストールが必要となります。ツールのダウンロードリンクを貼っておきます。

※本記事では、Javaの実行環境としてAdaptOpenJDK 11を使用しています。

本記事で独自に準備が必要な環境

「Spring Boot CLI」と「Visual Studio Code」がインストールされていることが前提となります。以下にリンクを貼っておくのでダウンロードしてご自身の環境にインストールをしてください。

(A)Spring Boot CLI(※1) 2.4以上
(B)Visual Studio Code(※2) 1.54.2以上

(※1)「Spring Boot CLI」は、Spring Boot CLI は、Spring アプリケーションを迅速に開発する場合に使用できるコマンドラインツールです。
(※2)「Visual Studio Code」は、Spring Bootのソースコードを編集するための開発ツールになります。

Visual Studio Code の拡張機能(Extension)のインストール

Visual Studio Code上で、より便利にSpring Bootの開発を行うための拡張機能(Extension)について紹介します。

Visual Studio Codeの公式リファレンスでも紹介されているため、これから Spring Bootでアプリケーション開発をおこなう方には、事前にインストールしてください。

(1)Java in Visual Studio Code
(2)Spring Boot in Visual Studio Code

(2)のSpring Boot in Visual Studio Codeに登場する、「Spring Boot Extension Pack」がインストールされている事を前提としています。

はじめてのSpring Boot:アプリケーションの実行

Spring Bootを使ったアプリケーションを作成する手順を説明します。

公式リファレンスの「Spring Quickstart Guide」をサンプルとしてSpring Bootのプロジェクトの作成から実行までの流れを説明します。
主な流れは以下の3ステップになります。

ステップ1:Spring Boot CLIを使った新規プロジェクトの作成
ステップ2:「Hello World!」を表示させるようにソースコード の編集
ステップ3:ソースコード のビルドと実行

ステップ1:Spring Boot CLIを使った新規プロジェクトの作成

まず、Visual Studio Code起動します。

キーボードから、以下のショートカットを入力して、コマンドパレットを起動します。

「Cmd」 + 「Shift」+ 「p」
「Spring Initializr:Create a Maven Project...」
と入力します。

すると、Springの新規プロジェクト作成のために必要な情報の入力を求められますので
以下の通り入力します。(※基本的にデフォルトの入力値です。)

Spring Boot version : 2.4.3
project language : Java
Group Id : com.example
Artifact Id : demo
packaging type : JAR
Java version : 11
最後に必要な依存関係(dependency)の入力を求められますので、以下の2つを選択してください。

・Spring Web
・Spring Web Services

プロジェクトを作成するためのフォルダの場所を聞かれるので任意の場所を指定します。(例:~/workspcae以下など)

これで、Spring Bootを開発するためのプロジェクトの作成は完了です。

ステップ2:「Hello World!」を表示させるようにソースコード の編集

新規プロジェクトが作成されると、Spring Bootアプリケーションが実行可能な最小構成のプロジェクトが作成されます。

デフォルトで作成された「DemoApplicaiton.java」を編集して「Hello World!」と表示させるようにソースコード を修正します。

~/workspaces/demo/src/main/java/com/example/demo/DemoApplication.javaを開いて、以下のようなソースコードに編集します。

ステップ3:ソースコード のビルドと実行

ステップ1と2で作成した、Spring Boot アプリケーションを実行してみます。
Visual Studio Code上でターミナルを起動し、以下のコマンドを実行します。

このコマンドを実行すると、ソースコード がビルドされて、Spring Bootのアプリケーションが起動するので、実行したらブラウザから以下のアドレスにアクセスしてみてください。

画面に「Hello World!」と表示されていれば、正常にSpring Bootアプリケーションが実行されています。

まとめ


Spring Boot入門として、Spring Bootに関する簡単な概要説明から、実際にSpring Bootアプリケーションを実行するまでの流れを説明しました。

本記事がこれから、Spring Bootをはじめる方にとっての入門記事として少しでもお役にたてば幸いです。

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