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Linuxのスケジューラーとは|Linuxのスケジューラーで便利な2つの機能

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Linuxのスケジューラーとは|Linuxのスケジューラーで便利な2つの機能
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    Linuxとは


    Linuxとはコンピューターの中に入っているOS(オペレーション・システム)のことで、WindowsやMacなどと同じものです。

    Linuxはパソコン用として開発されたOSですが、現在ではスーパーコンピューターやサーバーなどさまざまなものに使用されています。

    また、企業では主にサーバー用のOSとして利用されるケースが多いため、サーバー業務を行っているエンジニアの中にはLinuxを使用している人も多いでしょう。

    Linuxのスケジューラーとは


    Linuxのスケジューラーとは、タスクを管理して次に実行するべきタスクを選ぶ機構を表します。
    そして、スケジューラーの対象となるものがプロセスとスレッドです。スケジューラーを読解する上で、プロセスとスレッドに特に違いはありません。

    また、Linuxのスケジューラーを読解する上で重要なものがスケジューリングポリシーです。
    次に押さえておかなければいけないのが、スケジューラーの構成です。スケジューラーには「コア部」があり、そこから各クラスに分かれていきます。
    コア部のコードは、他のコンポーネントから呼び出される処理を分析することで読解することができます。

    最後に、スケジューリングのタイミングです。
    スケジューリングのタイミングは、「自発的にCPUを明け渡すとき」、「システムコール処理の出口」などいくつかあり、それらを把握することでスケジューラーの仕組みを理解しやすくなるといえるでしょう。

    スケジューリングポリシーの概要を理解しておく


    スケジューリングポリシーには、「IDLEクラス」、「一般クラス(FAIRクラス)」、「リアルタイム(RT)クラス」、「DEADLINEクラス」、「STOPクラス」の5つがあります。
    IDLEクラスはSCHED_IDLEです。
    すべてのクラスの中で最も優先度の低いクラスで、他のクラスで実行できない場合にはこのクラスで処理されます。
    一般クラス(FAIRクラス)は、SCHED_NORMALとSCHED_BATCHです。
    特に指定がない場合には、このクラスが処理されます。

    リアルタイム(RT)クラスは、SCHED_FIFOとSCHED_RRです。
    対象プロセスを本クラスとして指定することで、リアルタイムで処理を行います。
    DEADLINEクラスは、SCHED_DEADLINEです。
    デッドラインが近いプロセスから実行していきます。

    STOPクラスは、すべてのクラスの中で最優先に実行されます。
    ただし、ユーザーには公開されていません。
    スケジューリングポリシーによって選択される順番が変わるため、それぞれのポリシーの定義は正確に覚えておきましょう。

    Linuxのスケジューラーで便利な2つの機能


    Linuxには「ジョブスケジューリング」という機能があり、設定することによって特定の処理を一定の期間で繰り返し実行することができます。
    また、このLinuxのジョブスケジューリングを学習するうえで知っておきたいのが「cron」と「at」です。

    ここではLinuxのスケジューラーで便利な2つの機能についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

    「at」とは

    「at」は未来に1回だけコマンドを実行する場合に用いられるもので、ほとんどの場合はデフォルトでインストールされています。
    インストールされていない場合には、「# yum install at」のコマンドでインストールできます。

    時間指定の部分には、「noon 正午」、「midnight 真夜中」、「today 今日」などの特殊な書式が用意されているため、必要に応じて利用するといいでしょう。

    「cron」とは

    「cron」はスケジューリングを定期実行してほしい場合に使用するものです。
    以前からあるプロセススケジューリングデーモンですが、現在でもよく利用されています。

    特にUnixLikeSystemにおいては、定期実行の際には必ずといっていいほどcronが用いられています。
    ただしLinuxにおいては、もともと定期実行の機能が搭載されている「SystemD」を利用する方法もあるといえるでしょう。

    Linuxのスケジューラー以外のツール4選


    Linuxには前述のスケジューラー機能以外にもさまざまなツールが用意されています。
    また、近年のLinuxディストリビューションにはさまざまなI/Oスケジューラーが搭載されているため、前述のスケジューラー以外の使い方も覚えておくと良いでしょう。

    ここではLinuxのスケジューラー以外のツール4選をご紹介しますので、どのようなツールがあるのか参考にしてみてください。

    1:BFQ I/O スケジューラー

    BFQ I/O スケジューラーとは、すでに廃止されている「CFQ」というデフォルトスケジューラーを改良したスケジューラーです。
    マルチキュー機構に適しており、デフォルト設定の場合はレイテンシーを極力少なくするようなリクエストの整理を実施します。

    また、CPUの処理速度が低い場合はそれに応じてIOPSに制限がかかってしまいますが、ストレージの転送速度が悪いデバイスでのマルチタスキングには最適です。

    2:None (Noop)

    None(Noop)はI/Oリクエストのマージを行い、並び替えは行いません。
    スケジューリングを行わないことから、CPUに対する負荷はほとんどありません。

    また、Noneは高速なランダムアクセスが可能な記録媒体に適しています。
    しかし処理速度の低いドライブで I/Oスケジューラーを無効にした場合、高負荷状態でスタックすることにより、システムがフリーズする可能性があります。

    3:Kyber I/O スケジューラー

    Kyber I/O スケジューラーはFacebookが開発したスケジューラーで、他のI/Oスケジューラーと比較しても非常にシンプルな構成のスケジューラーになっています。

    Kyber I/O スケジューラーはブロックの読み込み開始までの待ち時間「read_lat_nsec」と、書き込みなどの同期までの時間「write_lat_nsec」という2種類のパラメータで構成されています。

    4:MQ-deadline I/O スケジューラー

    MQ-deadline I/O スケジューラーは現在はあまり使用されていない「deadline」をマルチキュー用に適合させたI/O スケジューラーです。
    名前のとおり、時間制限(デッドライン)を設けているスケジューラーで、リクエストの処理開始時間を保証するために使用されます。

    MQ-deadline I/O スケジューラーを使用することで、処理がスタックすることを防止できます。

    スケジューラーの変更の仕方について


    Linuxのスケジューラーを変更する場合、システムコールの「sched_setscheduler()」や「sched_getscheduler()」を使用しましょう。
    このようにシステムコールによって選択可能なスケジューラーの使用方法のことを、スケジューリングポリシーといいます。

    スケジューリングポリシーには6つの種類があり、スケジューラーの様々な操作が可能です。

    Linuxのスケジューラーを理解してスキルアップを目指そう


    Linuxを使いこなせるようになれば、より幅広い仕事に対応できるようになります。
    多くの企業ではLinuxに精通しているエンジニアを求めているため、エンジニアとしての市場価値も上がるといえるでしょう。
    スキルアップのためにも、ぜひLinuxのスケジューラーを学習してみてはいかがでしょうか。

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