目次
データベースエンジニアとは
データベースエンジニアとはその名の通り、システムやアプリのデータベースの設計・開発・運用管理に関わる職種のことです。データベースにデータを保存し、必要な時に必要な分だけデータを取り出せるようにシステムを構築運用します。
データベースエンジニアの仕事は主に3つの分野に分けられます。
開発・設計
クライアントがどんなデータを管理したいのかに合わせ、最適なデータベースの開発や設計を行います。
Microsoft SQL Server・PostgreSQL・Oracleなどを使ってデータベースを構築します。
管理
データを適切に管理するための管理を行います。
データが保存されているサーバーの最適化や効率化なども仕事のひとつです。
運用
データベースへのアクセス権の管理やバックアップなどを行います。
また、データベースへの不正侵入を防ぐなどセキュリティ面での設計・強化も仕事です。
IT業界の現状
IT業界では少子高齢化が影響し人手不足が深刻化しています。
また、データベースエンジニアもこの影響は同じで、10年後、20年後と人材不足に直面する可能性が高いといわれています。
また、最近ではクラウド化普及によってデータベースエンジニアはひと昔前のようにデータベース専門家として仕事を請け負う位置づけではなく、データベース以外にもサーバー周りやネットワーク関連、インフラ部分などを兼任することが一般的になってきています。
IT業界の将来性
IT業界の将来性ですが、今後ビッグデータ分野が成長分野となると予想されています。
そのビッグデータを活用する上でデータベースは必須で、それに比例しデータベースエンジニアの仕事も増えてくる可能性があります。
ただし、いままでのように企業がデータベース専任で請け負うタイプの仕事は減っていき、データベースだけでなくインフラ関連やプログラミングスキル、機械学習やディープラーニングなどのスキルの幅を広げて仕事に携わる必要が出てくるでしょう。
データベースエンジニアは将来性があると言われている理由
IT業界の現状では人材不足が懸念されること、また今後はビッグデータに期待が持てることがわかりました。
データベースエンジニアには将来性があると言われていますが、そういわれる理由は何なのでしょうか。
ここでは、データベースエンジニアに将来性があるといわれる理由を2つご紹介します。
企業のセキュリティ意識が高まっている
情報化が進んだ現在、企業は時代に合わせたセキュリティ対策を施す必要があります。
仮に情報漏洩などが起きた場合、顧客はもちろん企業側も大きなダメージを負ってしまうからです。
マルウェアの種類は日々増えており、常に最新の対策にアップデートする必要があります。
特にデータベース部分は最後の砦ともいわれているため、最高度のセキュリティを施す必要があるでしょう。
IoTやAIの時代の到来
近年、あらゆるものがインターネットに接続されるIoT時代が来ようとしています。
IoT化の進展によって様々なデータが蓄積されるようになり、AIの自律制御も進歩するといわれています。
そのため、膨大なデータを蓄積・分析して正しく使えるようにするエンジニアの需要は今後も高まると考えられているのです。
データベースエンジニアに必要なスキル5つ
データベースエンジニアには将来性があることがわかりました。
では、その将来性に惹かれて、これからデータベースエンジニアになりたいという場合、どのようなスキルを身につければ良いのでしょうか。
ここでは将来性のあるデータベースエンジニアになるために必要なスキルを5つご紹介します。
データベースエンジニアに必要なスキル1:データベースの知識
将来性があるといわれるデータベースエンジニアになるために必要なスキルに、データベース知識があります。
データベースエンジニアは、オラクル製品、SQL Server、MySQL、PostgreSQLなどのデータベースソフトを扱うためのSQL言語に関する詳しい知識が必要になります。
また、最新技術についてもつねに勉強していく必要があります。
その他にもデータウェアハウスやデータクレンジングなどのデータ利用方法についての知識も求められることがあるでしょう。
データベースエンジニアに必要なスキル2:セキュリティの知識
将来性のあるといわれているデータベースエンジニアですが、データベースに関するセキュリティ知識も求められます。
データベースのアクセス権を適切に付与すること、アクセス制御やデータ暗号化といったセキュリティ関連の知識が必要です。
また、データベースへの攻撃に対して、SQLインジェクションなどの知識やデータベース操作でセキュアコーディング技術なども求められます。
さらに、最近では仮想化やクラウド化対応ケースも多くなっており、仮想化やクラウド化の知識も求められています。
データベースエンジニアに必要なスキル3:システム開発スキル
将来性のあるといわれるデータベースエンジニアになるためには、データベースに関する知識だけでなく、システム開発に関する知識も必要とされます。
データベース開発はシステム開発の一部であり、データベースに関する要件定義だけでなく、必要な製品選定などデータベースに関わるシステム開発における知識や上流工程の知識などが求められます。
データベースエンジニアに必要なスキル4:コミュニケーションスキル
将来性があるといわれるデータベースエンジニアは、多くのエンジニアがいるチームでプロジェクトに携わり仕事を進めなくてはなりませんので、コミュニケーションスキルも必要になってきます。
データベースエンジニアに求められるコミュニケーションスキルとは、だれとでも仲良くできるというようなものではなく、相手の意を汲み取って正確な意思伝達や情報伝達ができるというスキルになります。
また、話し合いにより問題解決できる力も必要です。
将来的にマネジメントを行うためにも必須な能力といえるでしょう。
データベースエンジニアに必要なスキル5:論理的に考えるスキル
将来性があるといわれるデータベースエンジニアには、道筋をたててものごとを考える、論理的に考えるスキルが必要とされます。
逆にいえば、論理的思考といわれるこの能力がないと、データベースエンジニアとして設計したりデータベース構築する場合に正確な仕事ができなくなる可能性があります。
また、IT業界全体で論理的思考は必要といわれているため、これができない人はせっかく将来性のある仕事を任せられてもなかなか行動に移せないなどで、仕事上敬遠される可能性があります。
データベースエンジニアを目指す場合には論理的思考を身につけるようにしましょう。
データベースエンジニアに役立つ資格3つ
将来性があるといわれるデータベースエンジニアの仕事はシステムインフラに関する知識を要する仕事ですので、データベースの知識のほかに、システム周辺領域の知識も必要になってきます。
ここでは、データベースエンジニアに役立つ資格を3つご紹介します。
これからデータベースエンジニアを目指す方、さらにスキルアップを目指す方は、より多くの知識を得るためにも資格取得を検討してみてください。
データベースエンジニアに役立つ資格1:基本情報技術者
将来性があるといわれるデータベースエンジニアに役立つ資格に、基本情報技術者をはじめとした情報処理技術者試験があります。
情報処理技術者試験は情報処理推進機構が運営している資格です。
種類は「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」「高度情報処理技術者試験」の4つです。
後に行くほど難易度が高くなっていますが、データベースエンジニアを目指す場合には、まずは基本情報技術者試験からはじめるといいでしょう。
データベースエンジニアに役立つ資格2:データベーススペシャリスト
前述の情報処理技術者試験のうち、高度情報処理技術者試験に該当する資格がデータベーススペシャリスト試験です。
この資格は、データベースの企画、要件定義、開発や運用、保守といった高度な知識と実践的能力を問う試験となっています。
この資格取得により、技術動向の理解や目的に応じた技術選定能力、運用保守能力、標準化とリポジトリシステム開発能力などの証明となります。
また、合格者が2割を下回っており、難易度が高い試験といえるでしょう。
データベースエンジニアに役立つ資格3:オラクルマスター
オラクルマスターとは、オラクル社が運営するオラクルデータベースに関する認定資格です。
オラクルマスターは世界基準資格となっているので、古くから人気があります。
難易度としては、下位からブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと4つに分かれており、下位資格を取得しなければ上位資格を受検できない仕組みとなっています。
この資格を取得することで技術証明ができるため実務面でも大きなメリットがあります。
将来性のあるデータベースエンジニアになるためには、オラクルマスターは世界で通用することからも資格取得をしっかりと行いましょう。
データベースエンジニアのキャリアパス3つ
将来性があるといわれているデータベースエンジニアですが、つねに最新の技術を取り入れるなど学習が必要で、資格取得などスキルを身につけて自身のキャリアパスを考えていくことが重要になってきます。
データベースエンジニアはデータベースのみ専任で担当するということが減ってきており、いろいろなキャリアパスが出てきています。
ここではデータベースエンジニアのキャリアパスを3つご紹介します。
データベースエンジニアのキャリアパス1:AI系のエンジニア
将来性があるといわれるデータベースエンジニアですが、そのキャリアパスにはAI系エンジニアがあります。
AI系エンジニアとは、ディープラーニングなどの人工知能や機械学習技術を利用しAIを作り上げることが仕事で、これらの開発にはビッグデータが欠かせなくなっています。
そのため、ビッグデータを取り扱う場合に、データベースエンジニアのスキルや知識を活用することができます。
データベースエンジニアに将来性があるといわれるのは、今後期待できるビッグデータに起因するところも大きいといえるでしょう。
データベースエンジニアのキャリアパス2:データサイエンティスト
データサイエンティストとはビッグデータ設計やその分析を担当する仕事で、ビッグデータの収集する定義、収集方法や分析、品質管理といったことを行います。
データサイエンティストでは、データベースエンジニアで培ったスキルが、ビッグデータにおけるデータ抽出や加工場面で役立つ可能性が高いです。
データサイエンティストになるには特別な資格は不要ですが、データベース全体の深い知識が求められます。
今後活用が期待されるビッグデータですので、データサイエンティストとして関わることができるだけでも将来性があることがうかがえます。
データベースエンジニアのキャリアパス3:コンサルタント
データベースエンジニアのキャリアパスにコンサルタントがあります。
データベースエンジニアには多様な技術を幅広い知識が必要で、その技術と知識を活かして、プロジェクトマネージャーやコンサルタントを目指す人は多いです。
また、その中でも、データベースエンジニアの場合は、その知識や技術を活かした「データベースコンサルタント」へのキャリアアップを目指す人もいます。
データベースエンジニアが将来性があるといわれるのはこれらのキャリアパスの存在があるといえるでしょう。
データベースエンジニアは将来性のある職種
IT業界では、今後はビッグデータの活用が期待されており、そのデータベース管理や開発能力を持つデータベースエンジニアの需要はさらに高くなると見込まれています。
データベースエンジニアは将来性が高いですが、ただデータベースのみの知識にとどまらず、周辺機器やプログラム開発知識、AI関連知識など幅広い知識をもつことでより求められる人材になることでしょう。
気になるという方は、データベースエンジニアの将来性を信じ、上述のようなスキルを身につけて思い切って飛び込んでみるのもいいのではないでしょうか。
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