目次
ブロックチェーンの仕組みとは?
ブロックチェーンとは、ネットワーク上の取引の記録をブロックと呼ばれるものに格納する仕組みです。
ブロックには取引情報の他に1つ前に生成されたブロックの内容を意味するハッシュ値も格納されており、ブロックが時系列に沿ってチェーン上に繋がっていくデータ構造になっていることからブロックチェーンと呼ばれています。
ビットコインとの違い
ブロックチェーンは仮想通貨であるビットコインを支える中核技術です。
もともとブロックチェーンは第三者機関を必要としないビットコインの仕組みを実現するために生まれたもので、ビットコインはブロックチェーンの仕組みによって流通しています。
そのため、ビットコインとブロックチェーンが同一のものというわけではありません。
ブロックチェーンの種類3つ
一口にブロックチェーンと言っても、ブロックチェーンには複数の種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
また、ブロックチェーンはノードの総数や管理者が単数か複数かといった違いにより分類されています。
ここではブロックチェーンの種類3つを紹介していきます。
1:パブリック型
「パブリックチェーン」はパブリック型のブロックチェーンのことを言います。ほとんどのブロックチェーンがこのパブリックチェーンに分類されています。
パブリックチェーンは特定の企業ではなく無数のマイナーにより管理されており、データも公開されるという非中央集権を実現するブロックチェーンです。
2:プライベート型
プライベート型のブロックチェーンは「プライベートチェーン」と呼ばれており、パブリック型と正反対の性質を持っています。
プライベートチェーンは特定の企業などの運営者によって管理されており、記録されるデータは編集や削除が可能です。
さらにデータは非公開となっているのが特徴です。
3:コンソーシアム型
コンソーシアム型のブロックチェーンは「コンソーシアムチェーン」と呼ばれており、パブリックチェーンとプライベートチェーンの中間に位置する存在です。
コンソーシアムチェーンでは特定できる複数の運営者によって管理されており、運営者にはデータが公開される仕組みになっています。
ブロックチェーンの活用メリット5つ
仮想通貨の取引に利用されているブロックチェーン技術ですが、ブロックチェーンには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではブロックチェーンの活用メリット5つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
1:改ざんが難しい
ブロックチェーンは多人数で台帳を管理するものであり、過去の取引情報等がすべて記録されます。
記録が残るため情報の改ざんを行うことが難しく、誰がどのような権利を持っているのか等の履歴を正確な形で保存しておくことが可能です。
また、取引履歴をネットワーク経由で閲覧できるので追跡可能性が高く、透明性も高いという特徴があります。
2:取引内容を公開できる
ブロックチェーンによって保存された取引内容はインターネット上で公開されることから、取引の透明度が高いというメリットがあります。
ブロック内のハッシュ値やタイムスタンプ、マイナー、トランザクション数、データサイズといった情報は誰でも閲覧することができ、取引を時系列で追うことができます。
3:コストの分散と軽減が可能
ブロックチェーンでは多人数で台帳を管理することができるため、それまで特定の管理者が行ってきたセキュリティの維持管理に関するコストや取引に関するコストを多人数に分散させることができます。
また、契約を自動化できる「スマートコントラクト」を組み合わせれば契約の安全性をシステムに任せることができるため、取引にかかるコストを減らせると考えられています。
4:システムのダウンが少ない
ブロックチェーンは複数の機器によってデータを分散管理することができるため、障害などが発生して一部のノードが使えなくなったとしても他のノードによって処理を続けることができます。
また、一部ノードのデータが消失したとしても他のノードにデータが残るなど、システムダウンしにくい仕組みになっています。
5:マイニングで報酬の獲得が可能
ブロックを保存する前に行う確認作業のことをマイニングと呼びますが、マイニングに成功すると報酬として仮想通貨を得ることができます。
また、マイニングを行うことで報酬を得ている人のことをマイナーと呼び、多くの人がマイナーとして活動しています。
ブロックチェーンのデメリット4つ
ブロックチェーンにはさまざまなメリットがあることを紹介してきましたが、一方でデメリットも存在します。
ここではブロックチェーンのデメリット4つをご紹介しますので、メリットだけでなくデメリットについても把握しておきましょう。
1:処理速度と障害耐性の両立が難しい
P2P方式を採用しているブロックチェーンは、ノード内で使用される機器のスペックによって処理能力が変わるため、スペックが低い機器を使用していると処理能力も下がります。
しかしスペックの高い機器ばかり使うと今度は障害耐性が低くなることから、処理能力と障害耐性の両立が難しい点はブロックチェーンのデメリットだと言えます。
2:記録の書き換えができない
仮想通貨の取引に使用されているパブリック型のブロックチェーンでは、一度保存されたブロックは削除できません。
この仕組みはデータの透明性を維持する上ではメリットですが、間違った情報がブロックに入ってしまったとしても書き換えや消去ができないという意味でもあります。
そのため、個人情報をブロックチェーンに保存しないように気をつける必要があります。
3:将来的に不要になる可能性がある
ブロックチェーンはブロックの改ざんなどができないなど、非常にセキュリティ性が高い技術です。
しかしこの技術は一般のコンピューターでの利用を前提としているため、将来的に処理能力が高い量子コンピューターが実用化されれば、ブロックチェーンは使えない技術になる可能性もあります。
4:閲覧者の公開範囲を指定できない
パブリック型のブロックチェーンは誰でも閲覧可能となっており、公開範囲を制限することができません。
そのため、プライバシー面での問題が懸念されます。
このような課題は、運営者のみにデータを公開できるコンソーシアムチェーンを利用することで解決できるでしょう。
ブロックチェーンの活用事例5つ
ブロックチェーン技術は仮想通貨で利用されている技術として有名ですが、その汎用性の高さから実際には他の分野でも利用されています。
ここでは最後に、ブロックチェーンの活用事例5つを紹介していきます。
1:ソフトバンク
ソフトバンクでは他の企業と協力して、通信技術とブロックチェーンを組み合わせる取り組みを行っています。
たとえばID情報をブロックチェーンで管理することにより、ユーザーが個人情報をサービスへ提供せずにID認証ができる仕組みなどを開発しています。
2:ソニー
ソニーではブロックチェーンベースで著作権情報を管理するシステムを開発しています。
このシステムではブロックチェーンによって一元管理されているため、手間のかかる著作権管理も不要となっています。
3:国際貿易
国際貿易では品物を一つ送るだけで何社もの企業が関わり、たくさんの書類が必要になります。
しかし、ブロックチェーンを活用すれば、関係者に一瞬で情報を共有が可能です。
例えば、世界最大の船会社は100社以上が加入するブロックチェーンネットワークを構築し1日に100万件以上のイベントを処理しています。
4:食の安全に関わる分野
食品の鮮度分析等のチェックや証明書の管理にブロックチェーンを利用することで、誰がいつどこで何を行ったのかを改ざんなく記録し、万が一食中毒が起こったときの追跡を容易にしている事例があります。
かつてはある食品を追跡するために7日程度必要でしたが、ブロックチェーン技術によって数秒で追跡できるようになったそうです。
5:貿易金融
例えば異種業社とのコラボレーションや海外企業との取引においてはブロックチェーンによるスマートコントラクトと情報共有の早さが役に立つため、業務効率の向上が期待できます。
ブロックチェーンの活用メリットを把握しておこう
ブロックチェーンを使うことで業務効率を劇的に改善できたり、情報の透明化を進めたりすることができる可能性があります。
エンジニアとして注目すべき技術なので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
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