VPN接続の種類4つ|VPNの構成や特徴とVPNサービス7つを紹介

VPN(Virtual Private Network)とは
VPN(Virtual Private Network)とは「仮想プライベート回線」の事で、インターネットなどの公衆回線をあたかも専用の回線の様に使えるサービスです。
会社の外からインターネットを使って会社のネットワークに接続するような場合、第3者からの盗聴やデータの改ざんを防ぐことができます。テレワークなどが進む中VPNの導入を検討している企業は増えています。
今回はVPNの特徴や様々な種類の中からおすすめのサービスなどをご紹介します。是非参考にしてください。
企業におけるVPN利用法
インターネットは今に時代に欠かせないツールになっていますが、ハッキングや盗聴などのリスクも増えています。
企業でVPNを利用することは、顧客などの個人情報やPOSシステム等の売り上げ情報を直接、安全に通信することができるのでおすすめです。
これから企業におけるVPNの利用法を2つご紹介します。参考にしてください。
事業所間のLANをつなげる
企業でのVPN利用法の1つ目は、事業所間のLANをつなげることが出来るという事です。
本社から拠点である事業所をつないで社内情報を安全に共有する場合、VPN以外の専用線を引くこともできます。しかし専用線では本社と拠点である事業所との1対1のみの通信となってしまい、拠点間どうし(事業所と事業所)の通信はできません。
しかし、VPNを使うと1つのネットワークで本社から事業所はもちろん事業所同士でも通信ができますし、コストも大幅に削減できます。
リモートアクセスVPN
企業のVPN利用法の2つ目は、リモートアクセスが安全に出来るという事です。VPNでは通信者同士の間に仮想のトンネルを作って通信をする「トンネリング」や、データの「暗号化」、通信者同士がお互いを確認しあうことができる「承認」などの技術が使われています。
そのため、営業先や出張先そしてテレワークなど様々な種類のシチュエーションで、社外からのネットワークアクセスを安全に行うことが出来ます。
VPN接続の種類4つ
これまでVPNを企業で利用する方法を2種類ご紹介しました。それでは早速接続と言いたい所ですが、その前にVPNには接続の種類が4つあります。
VPN接続の種類4つそれぞれに特徴があり、構築方法や通信品質、安全性そしてコストに違いがあります。会社の状況や予算に合った接続種類を見つけることはとでも重要です。NTT、CISCO、Pulseなどの業者が提供しています。
このあと詳しくVPN接続の種類4つをご紹介します。
VPN接続の種類1:エントリーVPN
VPN接続の種類2つ目は、エントリーVPNです。通信事業者が提供する閉域IP網を利用してネットワークを構築するため、特定の人しか利用することが出来ないのが特徴です。
ルータを各拠点に置くのはインターネットVPNと同じですが、閉域網を使っているので、マルウエアなどのインターネット特有の不正アクセスを防ぐことが出来ます。ただし、フレッツ網などの光ブロードバンドを使用する為、帯域保障等がなく速度が遅くなる場合があります。
VPN接続の種類2:インターネットVPN
VPN接続の種類1つ目は、インターネットVPNです。既存のADSLやFTTHなどの一般的なブロードバンドをアクセス網に使用するのが特徴です。ルータを各拠点に置くだけで、現在使っているインターネットブロードバンドが使えるので、少ないコストでVPN接続を構築できます。
ただし、通信速度や通信品質は現在使っているブロードバンドに依存することになるので、契約しているブロードバンドの種別によって変わってきます。
VPN接続の種類3:広域イーサネット
VPN接続の種類4つ目は、広域イーサネットです。その他のVPNが使うレイヤー3ではなく、通信業者のレイヤー2網を使うのでIP以外のプロトコルが使え、ネットワークシステムを自由に変えることが出来るのが特徴です。
レイヤー2を使うのでルータを設置する必要はなく、ゲートウェイ装置はLANスイッチです。ネットワーク構築の自由度は高いのですが、通信帯域が狭い、回線の費用が高く選択肢も少ないという特徴もあります。
VPN接続の種類4:IP-VPN
VPN接続の種類3つ目は、IP-VPNです。大手通信会社の持っている閉域網を契約者のみが利用できるネットワークです。
エントリーVPNとの違いは契約者のみが利用できるネットワークの為、暗号化しないで通信をします。さらに帯域保障がされているので、安定した通信速度と品質を得ることが出来ます。
構築方法はインターネットVPNとエントリーVPNと同様ルータを設置するだけですが、専用回線を契約するのでコストは高めです。
VPNのメリット3つ
VPN接続の種類を4つご紹介しましたが、VPNにはどんなメリットがあるのでしょうか。
企業にVPNを導入した時のメリットはコスト面と安全面の2つが大きな柱になります。対面での接客や社内での業務がオンラインに移行していく中で、企業のデータや顧客の個人情報を守ることはこれからの時代にとても重要です。
VPNのコストと安全面のメリットを知って、導入の参考にしてください。
VPNのメリット1:低コストで拠点間通信が可能
以前は社内の重要なデータや重い画像のデータなどを通信する場合は、専用線と呼ばれる物理的なネットワークを構築して安全に通信をしてきました。しかし物理的につながっている拠点同士でしか通信ができない、構築に大きな費用がかかるなどの問題点がありました。
VPNは仮想のネットワークを作ることによって、海外の事業所などの遠く離れた拠点や本社以外の拠点同士でも低コストで通信することが可能になりました。
必要となるルータなども安価な種類のものが多く出ているので、初期費用も抑えられます。
VPNのメリット2:通信を暗号化で安全通信が可能
VPNには通信中の安全なアクセスを確保できるトンネリング機能や、通信内容を盗み見やデータ改ざんから守る暗号化などの機能が搭載されています。
通信内容を暗号化するIPsecや、IPsecと合わせて使うL2TPは通信内容をトンネリングさせるプロトコルです。専用のソフトウェアとルータが必要になります。
SSL-VPNはソフトウェアのインストールは必要なく、ブラウザがあれば利用できるので、スマホやタブレットからの通信も可能になります。
VPNのメリット3:無料Wi-Fiでもセキュアな通信が可能
出先でお世話になるのが無料Wi-Fiです。最近は空港、駅以外でも商業施設や喫茶店などでも気軽に利用できるようになりました。ありがたい無料Wi-Fiですが、公共サービスなので通信情報を盗聴されたり、偽のアクセスポイントに誘導されたりする危険があります。
VPNを使って仮想の専用線を作ることによって、無料Wi-Fi通信の内容を暗号化してセキュアな通信が可能になります。外回りや出張の多い人に特に便利でしょう。
VPNのデメリット3つ
これまでVPNのメリットをご紹介してきましたが、VPNにはデメリットもあります。主にどのVPN接続方法を採用するかでデメリットも変わってきますので、ここは譲れないというような点を考えて4つの接続種類の中から選択するといいでしょう。
導入後に後悔しないために、利用目的、予算などに合わせて適切な接続方法を探しましょう。
VPNのデメリット1:セキュリティのレベルに差がある
様々なセキュリティ対策をしているVPNでも情報漏えいが全く無いわけではありません。
接続の種類によって、セキュリティのレベルに差が出てしまいます。接続の種類のひとつのインターネットVPN接続では、既存のブロードバンドを使用する為初期設定などを誤ってしまうとDNSやIP漏えいなどが起こってしまう可能性があります。
セキュリティは万全ではないことを前提に、設定やソフトウェアなどのアップデートなどを意識して行うことは重要です。
VPNのデメリット2:通信速度の低下
特に既存の公衆回線を使うインターネットVPNでは、時間帯によって通信速度が低下することがあります。また、専用回線を使っているエントリーVPNもフレッツ網などの光ブロードバンドを使用している為、帯域保障がなく通信速度が遅くなる時もあります。
通信速度の低下を避けたい場合は、IP-VPNか広域イーサネットの接続方法を選択するといいでしょう。
VPNのデメリット3:製品によってはコストが高くなる
多くの機能が搭載されているVPN製品はそれだけコストが高くなる傾向にあります。広域イーサネット接続はネットワークの構築の自由度が高く、高セキュリティで通信できますが回線使用料が割高です。
すべての機能が必要なわけではないので、無駄な費用を払うことがないようにどんな種類の機能が必要なのか事前に把握しておくといいでしょう。
おすすめVPNサービス7選
これまでVPN接続の種類やメリット、デメリットなどをご紹介してきました。これからはVPNのサービスを提供しているおすすめのプロバイダーを7つご紹介します。
VPNを提供しているプロバイダーは何百とあります。自分に合ったプロバイダーを選びましょう。それぞれのサービス内容、特徴、料金などを詳しくご紹介しますので、是非参考にしてください。
VPNサービス1:VyprVPN
VyprVPNは全世界に700以上のVPNのサーバーと200,000以上のIPアドレスを所有しています。サーバーやDNSをスイスの本社で一括管理して第3者を通していないのでセキュリティ性が高く通信速度が速いのが特徴です。
VyprVPNのビジネスアカウントは、複数のユーザーが同時に利用でき中国国内でもGoogle、Twitterなどの閲覧制限のあるサイトにアクセスすることが出来ます。
サービスは数種類あり、ビジネスアカウントは年間で約$299からで30日間返金保証があります。日本語のサイトはありません。
VPNサービス2:NordVPN
NordVPNは世界59か国に5,000台以上のサーバーがあり、AES-256ビットのセキュリティで暗号化されていてしっかり保護されています。トレント専用のP2P専用サーバーも利用できます。
日本国内には88か所にサーバーがあり、アクセスポイントが多いのが特徴です。通信速度も速く料金も比較的安く設定されていますので、総合的に安定したプロバイダーと言えるでしょう。
料金プランは3種類で、年間で約$79ですが割引セールも頻繁に行っています。30日間返金保証付きです。
VPNサービス3:ExpressVPN
ExpressVPNは、すべてのプラットフォームでAES-256ビットの暗号化とOpenVPNに対応しているのでセキュリティ対策が高いのと、通信速度がとても速いのが特徴です。
世界中の160ヵ所に3,000以上の高速サーバーを持っているので、世界中のコンテンツをストリーミングしたい人におすすめです。
料金プランは3種類で、年間で約$120と少し他のプロバイダーより高めになっています。30日間の返金保証もあります。
VPNサービス4:Private Internet Access
Private Internet AccessはBlowfish CBCの暗号化アルゴリズムを基礎とし、その他複数のVPNプロトコルに対応していてセキュリティ対策にとても力を入れています。
1つのアカウントで10台のデバイスをつなぐことが出来るのも特徴です。セキュリティ対策がいい割に料金も安く設定されているので、コストパフォーマンスがとてもいいプロバイダーです。
料金プランは3種類で、年間で約$39.95で利用でき、30日間の返金保証付きです。
VPNサービス5:Surfshark VPN
Surfshark VPNの特徴は一つのアカウントで接続できるデバイスが無制限であることです。他のプロバイダーは個人アカウント1つで5から7つまで同時に接続できることが多いですが、Surfshark VPNは無制限です。
暗号化などのセキュリティ対策も通信速度もほかのプロバイダーとほぼ変わらないので、1つのアカウントで足りるという事業所にむいているでしょう。
プランは3種類あり年間の料金は約$71.88です。
VPNサービス6:CyberGhost VPN
CyberGhost VPNはルーマニアのブカレストに本拠地があるプロバイダーで、セキュリティ対策とプライバシーの保護にとても力を入れているのが特徴です。デジタルIDの保護やトラフィックを暗号化するなどのプライバシー保護に力を入れています。
世界90ヶ国に6,000以上のサーバーがあり、日本にはP2P対応のサーバーが79台設置されています。アカウントのプライバシーの保護を重視していたいときにおすすめのプロバイダーです。
料金のプランは3種類で、年間の料金は$49.50で、45日間の返金保証付きです。
VPNサービス7:Millen VPN
Millen VPNは日本の企業が運営しているプロバイダーです。AES-256ビットやキルスイッチ、DNSリークの対策などしっかりとしたセキュリティ対策をしています。
料金は少し高めですがほかのプロバイダーと違い日本語で申し込めたり、日本語でのカスタマーサービスを受けられたりするのが特徴です。
料金のプランは3種類で、年間の料金は約12,000円です。
VPNでセキュリティを保った通信環境を構築しよう
私たちの働き方や生活の仕方が変わっていく中、インターネットでの仕事や買い物は日常生活に欠かせないものになってきています。VPNには4種類の接続方法やサービス形態など様々な特徴がありました。
今回ご紹介したVPNの情報を活用して、ご自身や自社に合ったVPNを見つけてセキュリティを保った通信環境を構築しましょう。
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