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TLSプロトコルの実装が必要な理由3つ|TLSの特徴や機能とは?

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TLSプロトコルの実装が必要な理由3つ|TLSの特徴や機能とは?
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    TLSとはどんなセキュリティ?


    TLSはネットワーク上のサーバとクライアント(ユーザー)との通信において、その通信手順や内容の安全性を補強するためのセキュリティプロトコルです。以前はSSLと呼称されていましたが、さらに改善されてTLSとなりました。SSL(Secure Sockets Layer)は1994年にNetscape社から提供されたセキュリティプロトコルでしたが、実際の利用に際して何度かの改善が遂げられました。

    SSLとの違いはあるのか

    SSLの改良版「SSL 3.0」とTLSの機能性の違いはほぼ同じですが、TLSの方は、ハッキング等の外部からのサイバー攻撃に対するセキュリティが強化されています。セキュリティ対策としては3つの特徴が挙げられ、通信情報の暗号化や複数の「鍵」の使用などがあります。TLSはSSLの性能から見れば次世代型モデルとされる位置付けで、現在において「SSL」と呼ばれるプロトコルは「TLS」を指す場合もあります。

    TLSプロトコルの定義って?


    TLSとは「Transport Layer Security」を略した言葉で、インターネットの標準化団体であるIETFによって策定されたものです。TLSプロトコルは「インターネットなどのネットワークにおいてセキュリティを要求される通信を行うことができるプロトコル」だと定義されています。また、TLSプロトコルの主な機能としては、通信相手の認証や通信の暗号化、改ざんの検出などがあります。

    TLSの特徴3つ


    さてここからは、TLSの特徴をさらに追究し確認してみましょう。TLSはSSLの改良版として現在多くのネットワーク分野に流通しており、さらに企業システムを安全に保護する為のセキュリティ対策や、情報流通に最適な環境を約束するプロトコルとして存在します。その上、アプリケーション・プロトコルからは独立してその機能性を発揮するものとなり、使用するアプリケーションを問わず、柔軟に対応する事が可能です。

    1:アプリケーション・プロトコルと独立している

    TLSの特徴として、すべてのアプリケーション・プロトコルと独立する事により、あらゆるアプリを使用する場合でもTLSによるセキュリティ保護がされる事になります。アプリケーション・プロトコルというのは、通常で使用されるアプリケーションで規定されている通信規約の分類に含まれ、アプリ利用の為に必要な情報手順やデータ処理の内容、ファイル転送やメール転送に必要な情報処理を指定した規約内容を指します。

    2:様々なプロトコルで利用可能

    アプリケーション・プロトコルから独立してTLSが存在することで、アプリケーションに含まれる通信規約を包括する上でセキュリティ対策が可能となり、HTTP、SMTP、IMAP等のプロトコルでも活用することが出来ます。これによってTLSの性能が利用される分野を広げることができ、企業や個人で扱うネットワークシステムでも柔軟に対応することが可能となります。

    HTTP

    HTTPは特定サイトへのログイン時に個人情報が漏洩する危険性があるため、その際の重要情報を確実に保護するためにTLSによるHTTPS化がなされます。HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)はネットワークシステムでも上位の利用率にあるプロトコルですが、HTTPにはさまざまな記号・暗号が含まれており、その移動先の情報サイトが正しいものかどうかを識別するためにTLSが活用されます。

    SMTP

    「STARTTLS」という呼称でも有名ですが、SMTPにおけるTLSの活用法では、TLSと同じレイヤー(階層)で作動するプロトコルと同様の働きをなし、サーバとクライアント間でのセキュリティ保護された環境でのセッションを実現する為に役立たたされています。接続要求の待機、接続オープン、TLSによるネゴシエーション開始というステップでサーバとクライアント間の流通がなされ、メール送信時の保護等に機能します。

    IMAP

    「IMAP」というのは主に電子メールの受信時に用いられるプロトコルで、TLSの併用によって伝送路の暗号化を図り、さらに外部ハッキングや個人情報の漏洩などを防ぐための保護が強化されます。電子メールは電波回線を通じて伝送の流通がなされる為、電話送受信の場合と同じく、外部への情報漏れがかなり目立ってしまいます。そのため情報保護への強化がさらに必要となるため、SSLやTTLによる保護対策が用いられます。

    3:複数の「鍵」を用いている

    TLSではセキュリティ対策をさらに強化する為、公開鍵、共通鍵、秘密鍵という3つの「鍵」を利用しており、これによってセキュリティ面で脆弱性の目立つアプリケーションを利用する場合でも、独自にセキュリティ対策を図ることが可能になります。公開鍵から秘密鍵まで、どの「鍵」の場合も暗号化によるセキュア対策がメインとなり、送受信する本人と相手との間だけで交わされる共通の暗号・記号による情報保護とされます。

    公開鍵

    公開鍵というのはサーバからクライアントに情報が送信され、その情報を公開する際に必要な「鍵」の役割を果たし、外部者から見れば暗号による情報伝達を実現する為の保護手段です。つまり「外部者からは解らない暗号文」にする事により外部への情報漏れや解読を防ぐ役割を果たす事になります。「鍵」はすべて情報の送受信者同士間で認識される「情報流通をする際に必要な暗号・記号の共有」とも言えます。

    共通鍵

    共通鍵は情報の送受信をする上で、クライアントとサーバ間で共通して持ち合う暗号鍵番号の事を指し、こちらもアプリケーションによって変わる情報保護の脆弱性を補強する為の機能を果たします。これはサーバとクライアントが同時に持ち合う暗号鍵となるため、2つの情報送受信を拠点とするスタイルでセキュリティ保護がなされます。そのため共有性の高いアプリケーションでは頻繁に利用されています。

    秘密鍵

    秘密鍵は一方のサーバのみが認識する暗号であり、共有する暗号ではない為、情報の送受信に関するセキュリティ面から見ればさらに保護が強化されます。公開鍵による暗号も秘密鍵でのみ複合する事が出来、機密性がさらに確保されます。特定のサーバから発信された情報が公開鍵で複合される場合、秘密鍵によりその公開鍵の暗号を複合した際には、その特定のサーバを認識できる為、情報発信元の真正性が確認できます。

    TLSの機能5つ


    さてここからは、TLSの機能について5つの側面から具体的に確認していきましょう。TLSの利用内容は先述でご紹介しましたが、SSLからTLSへの発展を遂げた情報セキュリティ対策のあり方はさらに次世代型モデルを求め、保護の完全性を追求しています。TLSを組み合わせる事により、通信データの暗号化によるセキュリティ確保をはじめ、情報の改ざんの検出、通信相手の特定などが可能になり、情報保護対策に役立ちます。

    1:通信データを暗号化する

    TLSの本領とも言える通信データの暗号化により、外部からのハッキングや情報の改ざん等を防ぐことが容易くなり、より安全に情報流通を継続することが出来ます。これは企業システムの基本的なセキュリティ対策にも用いられ、今後も重要情報や個人情報の漏洩を防ぐ為に更なる発展が見られるでしょう。公開鍵、共有鍵、秘密鍵等の3つの「鍵」による暗号化により、情報を二重・三重に保護する事が可能です。

    2:改ざんを検出できる

    SSLでもTLSでもこの情報の改ざん検出には注力されており、情報流通・共有における情報の真正性を見極める為の措置が取られてきました。情報の暗号化によるセキュリティ対策に加え、もし情報の改ざんがあった場合はその改ざん部位から改ざんを行なった者を特定する事が可能になります。Webサイトでは大量の情報が連なっているため、どこで改ざんがなされたかを特定する事は非常に重要な対策になります。

    3:通信相手を判別できる

    先述の「情報の改ざんの特定」と同じように、盗聴されたり情報を流用されたりした場合、その通信相手を判別する事はその後のセキュリティ対策に大いに役立つ事になります。そのため、通信相手が確実に認識の者・特定の者と識別することを踏まえた上で、情報交流による安全性の強化を図ることが大切になるでしょう。通信相手にしても、Web情報と同じくどこの誰かが識別できない事が多い為、この点も重要な保護対策となります。

    4:暗号スイートの標準はAEADである

    暗号スイートというのは、情報通信に使われる暗号化を通信フローに則っていくつかのバージョンに組み合わされる為の定義と指します。TLSの場合もこの暗号スイーツによって情報の暗号化がなされ、その標準がAEADとなります。「Mac=AEAD」等の表示で暗号スイーツの採用情報が示され、AEADによって規定されている暗号の組み合わせが情報流通を賄うスタイルとして認められます。

    5:EdDSAの署名方式である

    EdDSAとは暗号研究者のDJB氏のグループが開発した署名方式を指し、主にネットワークシステム上での電子署名や情報の暗号化の処理速度の高速化をはじめ、公開鍵・共有鍵・秘密鍵等の「鍵」のペア組成に役立ち、これもTLSの機能に含まれています。TLSはこのように、さまざまな情報セキュリティ対策を賄う為の設計がなされており、多様なアプリケーション・プロトコルに活用できる仕組みになっています。

    TLSプロトコルの実装が必要な理由3つ


    TLSは現在、さまざまなネットワーク分野で使用されており、インターネットを利用する場合に実装が必要なプロトコルとして認知されています。それでは、具体的にどのような理由からTLSプロトコルの実装が求められているのでしょうか。ここではTLSプロトコルの実装が必要な理由3つをご紹介しますので、具体的などのような理由から実装されているのか理解を深めてみてはいかがでしょうか。

    1:データの改ざん防止をするため

    TLSでは通信を暗号化することにより、第三者から見えないようにしています。仮にTLSを使用せず、外からでも通信内容が見えている状態になると、通信に含まれているアカウント情報が知られてしまい、不正ログインによるデータの改ざんなどが発生する可能性があります。そのため、通信を傍受されることによるデータの改ざんを防止するためにも、TLSプロトコルの実装は必須とされています。

    2:データの盗聴防止をするため

    前述のとおり、TLSは通信情報を暗号化するプロトコルとなっているため、通信を暗号化することにより、第三者に通信内容を傍受された場合でも内容まではわからないようになっています。そのため、TLSプロトコルは通信データの盗聴防止のために必須となります。仮に通信情報の盗聴が発生した場合には、前述のようなデータの改ざんといった悪用に繋がり、損害を受けるリスクがあります。

    3:なりすましの防止をするため

    TLSを実装していない通信では、通信情報は暗号化されていません。そのため、通信途中で第三者に傍受された場合、情報がそのまま第三者に漏れることにより、通信相手になりすまされてしまう可能性があります。さらに相手がなりすましていること気づかずに通信を行うことにより、クレジットカード番号や個人情報などの重要な情報が第三者に知られてしまい、損害を受ける可能性があります。

    TLSの選び方


    SSL(TLS)で扱われるサーバ証明書は3種類あり、ドメイン認証型SSLサーバ証明書、企業認証型SSLサーバ証明書、EV認証型SSLサーバ証明書等で、それぞれをWebサイトの利用目的等により証明書を適切に選択する事が重要です。企業システムに導入する際には企業独自に扱っている情報流通のあり方をはじめ、どのような方式でセキュリティ対策をなすべきか等の保護対策との合致性に配慮しましょう。

    TLSプロトコルのバージョンを確認するには?


    TLSプロトコルのバージョンを確認する場合、ブラウザの種類によって確認方法は異なります。たとえばInternet Explorerの場合は、まずはSSL対応で確認したいページを表示します。さらに画面右クリックを行い、「プロパティ」をクリックしましょう。開いたプロパティ画面の「接続」と記載されている場所に、現在使用しているTLSプロトコルのバージョンが表示されます。

    TLSへの理解を深めて導入しよう


    今回はSSLとTLSとの関係性の違いやTLSに設計されたプロトコルのあり方をはじめ、その機能性と特徴等をメインにご紹介してきました。TLSは現代のWeb流通に欠かせない「セキュリティ対策」の為のプロトコルとして認められ、今後もそのシステムの飛躍的な発展が望まれるでしょう。主に情報流通を暗号化や「鍵」を用いて保護し、ユーザーにとって理想的な流通環境を約束してくれます。

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