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Oracle APEXとは
Oracle APEX(Oracle Application Express)は、様々な情報をOracle Databaseで一元管理するためのWebアプリケーション開発ツールです。Webブラウザとプログラミングの経験が少しあれば、本格的なアプリケーションを手軽に開発することができます。
Oracle APEXを導入する6つのメリットとは
Oracle APEXは、Oracle DatabaseとOracle Database Cloud Serviceに付属ツールとして提供されています。そして、それを利用することでデータベース用のアプリケーションを迅速に作成することができます。
ここでは、このOracle APEXを導入するメリットを具体的に見ていきます。
1:低コスト
上述のように、Oracle APEXはオラクルデータベース(Oracle Database)に標準的に装備された機能です。それゆえ、追加のライセンス購入が不要となるため、新たなコストを負担せずに使うことができます。
したがって、Oracle APEXには低コストで導入できるというメリットがあります。
2:すぐに使うことができる
Oracle APEXは、簡単なインストール作業と設定だけで導入することができます。しかも、ブラウザベースで開発できるので、追加構成やクライアントソフトの導入が不要です。それゆえ、Oracle APEXは導入後すぐの利用が可能となります。
3:知識がなくても使える
Oracle APEXを導入するにあたり、専門的な知識は必要ありません。なぜなら、ウィザードを使用するため、コードを書かなくてもデータベース用のアプリケーションを開発することができるからです。
また、Oracle APEXはピーエル・エスキューエル(PL/SQL)を使用しますが、それはOracle社がデータベース言語であるSQLをOracle Database用に独自に拡張したプログラミング言語です。それゆえ、SQLの知識があれば、PL/SQLをすぐに使えます。
4:さまざまな用途で利用できる
Oracle APEXは、部門単位の小規模アプリケーションの作成や、業務の効率化に使う簡易アプリケーションの作成など、様々な用途に幅広く活用することができます。
また、社内にOracle Databaseがなくても、Oracle APEX はOracle Databaseのパブリッククラウドサービスであるオラクルクラウドサービス(Oracle Cloud Service)において使えるのと、その費用は使用した分だけなので、小規模からの利用が可能です。
5:移行可能
Oracle APEXで作成したアプリケーションは、ブラウザだけからではなく、スマートフォンやタブレットからアクセスした場合でも、選択されたデバイスに応じて見やすい画面が自動的に表示されます。
それゆえ、Oracle Databaseが存在する場所さえあれば、どこからでもそこにアクセスして画面を見られるので、モバイルで外出先などから必要な情報を参照したり登録したりすることができます。
6:一貫性がある
Oracle APEXは、共通コンポーネントを作成して、そこですべてのアプリケーションを共有します。しかも、それらをユーザー・インタフェースによって相互に補完しながら統合的に管理できるので、一貫性のあるシステムを構築しています。
Oracle APEXの主なデメリット2つ
ここまでご紹介したとおりOracle APEXにはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
ここではOracle APEXの主なデメリット2つをご紹介します。
1:負荷が集中しやすい
前述のように、Oracle APEX は環境構成において、組込みPL/SQLゲートウェイによる直接接続を採用しています。これには、環境を容易に構成できることや、 別のサーバーをインストールする必要がないことなどのメリットがあります。
しかしその反面として、データベースと同居するために、データベース・サーバーに負荷が集中しやすいというデメリットもあります。
2:レスポンスが悪い場合がある
Oracle APEX が組込みPL/SQLゲートウェイによる直接接続を採用したことによるデメリットは、前述したことに限りません。
負荷の集中の他にもう1つ、共有サーバー構成を採用するために、若干レスポンスが悪いときがあるというデメリットがあります。
Oracle APEXでできる5つのこと
Oracle APEXにより、多面的なアプリケーションに起因する複雑な作業が簡略化されるため、開発者はWebテクノロジーの専門家にならなくても、ビジネス上の問題解決に必要な機能を入手することができます。
ここでは、Oracle APEXで実現可能な5つの内容を確認することで、それらがアプリケーションの構築をどのようにサポートするかについて見ていきます。
1:アプリケーション構築
Oracle APEXはPL/SQLベースでアプリケーションを開発できます。
それゆえ開発者は、HTML、CSS、JavaScriptに関する広範な知識を習得しなくても、自らPL/SQLを書くことによって、標準装備されていない機能を後から盛り込むことができます。
しかも、Oracle APEXはユーザー・インタフェースであるユニバーサル・テーマを内蔵しています。それゆえ、開発者はそれを通じて最新のWebアプリケーションを容易に構築することが可能となります。
2:データの活用
Oracle APEXをデータの収集基盤として利用することで、データをより活用することが可能となります。
ここではOracle APEXで可能となるデータの活用方法についてご紹介します。
対話グリッド・コンポーネントを使う
Oracle APEXは、データの活用を容易にします。
例えば、データの検索については、ファセット検索により迅速に行えます。
また、データの編集には対話グリッド・コンポーネントが用意されていて、それによりセルをクリックしてその値を変えるだけで、複数のデータ行を簡単に編集することができます。
SQL機能を使う
Oracle APEXではSQL文が利用できるため、SQLによってデータをそのまま抽出したり、条件を絞ってデータを抽出することができます。
さらに、SQL文によって抽出したデータをCSV形式にして出力することもできます。
アプリケーションビルダー機能を使う
Oracle APEXではアプリケーションビルダー機能によってウィザード形式でデータの追加や更新、削除が簡単に行えます。
また、アプリケーションビルダーなら1件ずつデータ入力を行うウィザードも複数件数まとめて作業できるウィザードも作成できます。
3:セキュリティ
Webにおける標準は常に変化し、サイトに対する攻撃も新しいハッキングの方法が開発されるなど様々な手口が現れてきています。これに対してOracle APEXは、標準装備で非常にセキュリティ性に優れたアプリケーションを開発できるように設計されています。
Oracle APEXはこのようにセキュリティに重点を置くことで、継続的にアプリケーションを保護しています。
4:モニタリング
Oracle APEXはモニタリングとロギングによって、ユーザーがアプリケーションとの間で、どのような相互作用を行っているかについての情報を提供しています。
そして、この情報はハッキングやアプリケーションのエラーなどを識別するために必要ですが、それをもたらすモニタリングとロギングは標準装備に含まれるため、特別な作業は一切必要ありません。
5:グローバリゼーション
Oracle APEXは、グローバリゼーションと呼ばれる開発のためのフレームワーク機能を内蔵しています。それは、複数の言語およびロケール(地域)の環境下で実行可能なアプリケーションを開発するための機能です。
そして、グローバリゼーションにはアプリケーションの翻訳とローカリゼーションをサポートする機能が含まれており、それらが特定の言語とロケールを正しくアプリケーションに適合させます。
Oracle APEXの3つの活用例とは
Oracle APEXとは、具体的にどのような活用例があるのでしょうか。
ここでは最後にOracle APEXの3つの活用例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:データを参照したい場合
データを参照したい場合には、オブジェクトブラウザが活用できます。オブジェクトブラウザなら、データベースリンク経由で他のデータベースから直接データを参照することが可能です。
2:Web経由でデータ入力がしたい場合
Web経由でデータ入力がしたい場合には、アプリケーションビルダーが活用できます。アプリケーションビルダーなら、ユーザーがWebから入力できる入力フォームを簡単に作成することができます。
3:一括取り込みを行いたい場合
一括取り込みを行いたい場合には、データのロード・ウィザードが活用できます。データのロード・ウィザードなら、ExcelやCSVなどのデータを一括ロードできる取り込みページを簡単に作成できます。
Oracle APEXの特徴を知り活用していこう
ここまでOracle APEXを導入するメリットやOracle APEXで実現可能なことを見てきました。もちろんOracle APEXにはデメリットもありますが、それを導入することでデータの処理が容易になるため、業務改善が進んで生産性を向上させることができます。
Oracle APEXの特徴を知り、それを活用することでビジネスを計画通り完成させて、素晴らしい結果を手に入れましょう。
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