リンクアグリゲーションのしくみとは?メリット4つと設定の手順6つを紹介

リンクアグリゲーションとは
リンクアグリネーションとは、複数の回線を束ねて一体的に運用し、仮想的に回線を1本にまとめる技術です。複数の回線を束ねて仮想的に回線を1本にまとめることによって、コンピュータの通信速度などを向上させることができます。リンクアグリネーションは、一般的にスイッチからの別スイッチ、サーバや無線アクセスポイントへの接続で利用されます。また、リンクバンドリングなどの別名で呼ばれることもあります。
リンクアグリゲーションのしくみ
リンクアグリゲーションの仕組みについて、ご紹介します。リンクアグリゲーションは片方の機器のスイッチだけ設定しても意味がなく、双方の機器のスイッチを正しく設定します。双方のスイッチを正しく設定することでリンクアグリゲーションを正常に機能させることができます。また、リンクアグリゲーションによって各リンクを1つに束ねられるかどうかは、利用する機器によります。機器の仕様をあらかじめ確認しておきましょう。
リンクアグリゲーションの目的
リンクアグリゲーションの目的は、複数の回線を1つにまとめて各機器にデータを送受信することによって仮想的な回線を構築することです。仮想的な回線とは、複数台のコンピュータをマイクロプロセッサやメモリなどを柔軟に分割したり統合したりし、1台のコンピュータのように振る舞わせる回線のことです。そうすることによって、コンピュータの通信速度や耐故障性などの機能が向上します。
リンクアグリゲーションの種類
リンクアグリゲーションに取り組む上で、リンクアグリゲーションの種類はどういったものがあるかどうか、気になる方がいらっしゃることでしょう。仮想的に複数の回線を1つにまとめてコンピュータの通信速度を上げることができるリンクアグリゲーションにはどういう種類があるでしょうか。リンクアグリゲーションの種類は大別すると、Static(静的)なものとDynamic(動的)なものがあります。
Static
リンクアグリネーションの種類のひとつである、Static(静的)をご紹介します。Static(静的)の意味は、あらかじめ与えられた指示が変化しないことや、状態などが維持されることです。リンクアグリゲーションにおけるStaticも設定や内容、動作があらかじめ決められており、それらが一貫して維持された状態になっています。StaticはLACP(後述)に対応していない場合に使われます。
Dynamic
リンクアグリゲーションの種類のひとつである、Dynamic(動的)についてご紹介します。Dynamic(動的)とは、システムで使用されているデータが外部からの指示や要求などによって、システムが変化することです。Static(静的)とは対義になっており、管理者の要求や指示、実行中の条件によって動作が変化するしくみになっています。Dynamicの機能設定は動的にONにする必要があります。
リンクアグリゲーションのメリット4つ
前述したとおり、リンクアグリゲーションを取り組むことによってコンピュータの通信速度の向上や耐故障性の期待などのメリットがありますが、他にはどんなメリットがあるでしょうか。リンクアグリゲーションのメリット他4つをご紹介します。
メリット1:冗長性と帯域拡張が得られる
リンクアグリゲーションのメリットのひとつとして、冗長性と帯域拡張が得られることが挙げられます。冗長性とは、耐障害性を高めるためにシステム全体を二重化して予備システムをつくることです。帯域とは周波数など広がりをもった範囲のことです。リンクアグリゲーションは、LAG内の物理リンクが切れてしまっても他の物理リンクへ通信できたり、複数の接続によって1本の接続より帯域を増やすことが可能です。
メリット2:トラフィックの分散による効率化
リンクアグリゲーションのメリットのひとつとして、トラフィックの分散による効率化が挙げられます。トラフィックとは、ネットワーク上で送受信されるデータやそのデータの量、密度などをいいます。トラフィックを分散することによってサーバにかかる負担の軽減ができたり、過重不可によるサービスなどの停止を防ぐことができます。サイトへのアクセスが集中している場合でも安定した閲覧が可能です。
メリット3:コスト削減が可能
リンクアグリゲーションのメリットのひとつに、コスト削減が可能という点があります。リンクアグリゲーションで複数のインターフェースを1つに結合すると、合算された領域の使用が可能になります。リンクアグリゲーションはメモリなどを必要な分だけ供給することができるので、機器購入コストなどを抑えることができます。しかし、多用しすぎると新たなスイッチが必要になり、コスト削減できないので注意しましょう。
メリット4:自動フェイルオーバーとフェイルバックの存在
リンクアグリゲーションのメリットのひとつに、自動フェイルオーバーとフェイルバックがあります。フェイルオーバーとは何らかの原因で稼働中のシステムが停止してしまったときに、自動的に待機システムに切り替えるシステムです。フェイルバックはそういった障害から復旧した元のシステムに、代替システムのデータを引き継ぎ元の状態に戻すことです。なので、リンクアグリゲーションには高可用性が実現しています。
リンクアグリゲーションの設定の仕方6つ
これからリンクアグリゲーションを取り入れようと考えている方の中には「リンクアグリゲーションはどういった設定が必要なのだろう」と考える方がいらっしゃるでしょう。また「リンクアグリゲーションを取り入れてみたけど、上手く機能しない」と設定について、わからなくて困っているという方もいらっしゃることでしょう。リンクアグリゲーションの設定の仕方を6つ、ご紹介します。
設定の仕方1:両方の機器が対応できるかチェック
リンクアグリゲーションの設定手順として、はじめに両方の機器がリンクアグリゲーションに対応しているかどうかをチェックする必要があります。リンクアグリゲーション構成時には、隣接装置間での設定や条件が一致していなければなりません。また、リンクアグリゲーションを構成する装置同士を直接接続する必要があります。間違った構成の仕方では使用できないので、正しい構成の仕方を覚えましょう。
設定の仕方2:両方の機器でリンクアグリゲーションを設定
リンクアグリゲーションの設定の手順2つめは、両方の機器でリンクアグリゲーションを設定することです。双方の機器がリンクアグリゲーションに対応していることがわかったら、双方の機器にてリンクアグリゲーションを設定します。そして指定したポートの速度やデュプレックスモード、フロー制御設定やジャンボフレームサイズ設定などが全て一致されているかどうかを確認することが必要です。
設定の仕方3:両方が同一のVLANかどうかを確認
リンクアグリゲーションの設定として必要なのが、双方の機器が同一のVLANかどうかを確認することです。VLANとはネットワーク技術における仮想化技術のひとつです。物理的な1つのLANを仮想的に複数に分けたり、物理的に複数のLANを仮想的に1つに見せたりする技術のことです。設定を行うときは双方の機器を同一VLAN所属にしておく必要があるので注意が必要です。
設定の仕方4:対象のポートが正しくリンクアグリゲーションとして設定されていることの確認
リンクアグリゲーションに対応していることの確認、双方の機器でのリンクアグリゲーションの設定、同一VLANの確認ができました。次に、リンクアグリゲーションの設定の手順として対象のポートが正しくリンクアグリゲーションとして設定されていることの確認が必要です。全てのポートが同一設定化されていなかった場合は、エラーとなり、リンクアグリゲーションが作成されないことがあるので注意しましょう。
設定の仕方5:ポートLEDを確認し、緑点滅または緑点灯となりリンクアップが正常であることの確認
次にリンクアグリゲーションの設定として、ポートLEDを確認し、緑点滅または緑点灯となりリンクアップが正常であることの確認が必要です。リンクアップとは、コンピューターや通信機器がケーブルや無線で別の機器と接続され、通信可能な状態になっていることを指します。ポートLEDが確認できない、緑点滅または緑点灯しない場合は、以前に行った設定をもう一度確認し、設定し直してみましょう。
設定の仕方6:管理画面のリンクアグリゲーションの状態表示画面に移動し、ステータスがUPであることの確認
リンクアグリゲーションの設定として、管理画面のリンクアグリゲーションの状態表示画面に移動し、ステータスがUPであることの確認が必要です。確認ができたら設定に関してはこれで以上です。これでリンクアグリゲーションを使うことができ、コンピュータの通信速度の向上や耐故障性などの向上、冗長性と帯域拡張が得られ、トラフィックの分散、コスト削減などのメリットを得ることができます。
LACPとは?
前述したとおり、LACPについてご紹介します。LACPとは、同一のネットワークを繋ぐ複数の回線を束ねて1つの論理的な回路として扱えるようにするための通信プロトコルのひとつです。リンクアグリゲーションのケーブルが抜けたりLACPDUが送信できない場合に、該当する物理リンクがリンクアグリゲーションから除外され、パケットロスを最低限に抑えることが可能になっているのでとても便利です。
リンクアグリゲーションについて知ろう
リンクアグリゲーションを取り入れることによって、さまざまなメリットが得られることがおわかりいただけましたでしょうか。複数の回線を1本に仮想化したいとお考えの方は一度、リンクアグリゲーションを取り入れることを考えてみてはいかがでしょう。リンクアグリゲーションを活用しましょう。
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