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エンジニアがマネジメントに関わる年齢
エンジニアは20代と30代では、転職で求められるスキルや経験が違ってくるといわれています。一般的に30歳前後から、ある程度のマネジメント能力がエンジニアにも求められるとされています。
20代のエンジニアであればスキルのみでよくても、30代になればプロジェクトのリーダーのようなキャリアを求められることもあります。
20代で開発・運用などの業務を行い、30代でリーダーのようなキャリアがあれば、転職の際にも有利になるでしょう。さらにプロジェクト全体を管理する業務を行っていれば、より高い評価を得られる場合も多いです。
ただし、エンジニアとして技術を極める方向にキャリアを考えている方は、マネジメント経験が必須というわけではありません。あくまでひとつの水準として覚えておくのがおすすめです。
マネジメントについて
マネジメントという言葉をビジネスで使うときは、「管理」や「経営」といった意味で用いられています。ビジネス上のマネジメントとは英単語の単純な翻訳ではなく、著名な経営学者であるドラッカーが定義した意味で用いられます。
ドラッカーは、「組織全体をまとめて成果を出すこと」という最終目標に向けてチームをまとめ、舵取りすることをマネジメントと定義づけています。
エンジニアにマネジメントする意図5つ
エンジニアは技術者とも呼ばれ、自らの技術で仕事を切り盛りしているイメージもあります。技術者であるエンジニアをマネジメントという形で管理する目的とは何でしょう。技術を持った個の集団に対し、管理が必要になる理由を考えてみましょう。
ここでは、エンジニアに対し何を意図してマネジメントを実施していくのかを解説します。エンジニア側と経営側の両面からマネジメントについて考えてみましょう。
エンジニアにマネジメントする意図1:適正人数で業務遂するため
技術を持った職人集団が、個人の技術を発揮して臨めば素晴らしいシステムができあがりそうですが、実際はそうなりません。個々が独立して動くことで、重複する作業が発生したり、作業漏れが発生したりすることも多いためです。
マネジメントにより、チームの個々がやるべきことをきちんと管理することで、作業漏れや重複を省けます。無駄な作業や戻り作業がなくなるので、最低限必要な人数で遂行できることになります。
エンジニアにマネジメントする意図2:現場の声をすぐ反映させるため
現場で働くエンジニアチームと経営者層とでは、一般的には隔たりがあり、意思疎通が早いとは言えない状態にあります。エンジニアに近いところでマネジメントを実施することで、現場にいるエンジニアの意見も、経営陣の意思も迅速に伝わると期待できます。
IT業界では、プレイングマネージャーという、プロジェクト管理やチーム管理だけでなく技術者としても活躍するマネージャーを置くことが増えています。
エンジニアにマネジメントする意図3:パフォーマンス向上のため
エンジニアのマネジメントには、エンジニアの知識も必要になります。エンジニアチームをマネジメントすることは、単なる従業員の管理とは異なり、エンジニア特有の仕事の進め方や品質管理の理論を知らないと務まりません。
エンジニア経験のある人がマネジメントしたり、現役のエンジニアがマネジメントしたりすることで、チームメンバの負担を減らすこともでき、チーム全体のパフォーマンス向上が見込めます。
エンジニアにマネジメントする意図4:自身のスキルアップにつながるため
エンジニアのマネジメントを行う際は、エンジニアの業務を理解しておく必要があり、ときにはエンジニアに対する支援が必要になることもあります。
そのため、エンジニアのマネジメントを行うマネージャーは、自分の既知の知識だけでなく、新たな技術や知識を習得していく必要に迫られる場面もあります。エンジニアのマネジメントは、エンジニアの作業を円滑にするだけでなく、自身のスキル習得にもつながります。
エンジニアにマネジメントする意図5:キャリア成長のため
エンジニアのマネジメントには、マネジメント技術はもちろん、エンジニアの知識も必要とされます。マネジメントを行うために、こうした知識や技術を身につけることで、自らの仕事に対するキャリアも一歩先へ進められます。
マネジメントに必要な知識や技術の研修を受けるのと並行し、エンジニアとしての知見を深めるために書籍や研修を利用することで、目先のマネジメント成功だけでなく、キャリアアップも果たせます。
マネジメントスキルを上げるポイント5つ
エンジニアをマネジメントするだけでなく、自らエンジニアとして働ける「プレイングマネージャー」も求められる中では、エンジニアであってもマネジメントスキルが高いこともポイントになります。
ここでは、マネジメントスキルを向上させるために意識しておくポイントを紹介します。エンジニアとしてのキャリアアップを目指すうえでも、必要になる知識であり、技術でもあるので、ポイントをぜひとも押さえておきましょう。
マネジメントスキルを上げるポイント1:専門知識の向上
エンジニアのマネジメントを担当する場合、エンジニアとしての技術や知識があるから管理がうまくいくというものではありません。逆にマネジメント技術のある人がエンジニアをマネジメントする場合、理論だけではマネジメントがうまくいかないこともあります。
エンジニアのマネジメントを担当する際は、専門知識は必須となるため、すでにエンジニアとしての知識がある人でも専門知識をさらに深める必要があります。
マネジメントスキルを上げるポイント2:コミュニケーション力の向上
マネジメントを行ううえで、コミュニケーションスキルは不可欠で、かつ、マネジメント成功に導くためには高いコミュニケーションスキルが求められます。
顧客と現場の調整、現場と経営陣との調整など、関係する組織が増えるほど、コミュニケーションは複雑になります。
生まれながらコミュニケーション能力の高い人も存在しますが、コミュニケーション能力は理屈を学ぶことで伸ばすことのできる能力です。
マネジメントスキルを上げるポイント3:品質管理の徹底
エンジニアの業務の中で、品質管理は重要な業務として位置づけられます。エンジニアのマネジメントを行ううえで、マネージャーは品質管理にも積極的に関わっていく必要があります。
エンジニアまかせにするのではなく、品質管理の一環として、レビューやテスト、品質データの分析にも関わり、品質管理を徹底させます。
品質管理を徹底させるためには、エンジニアの知識だけでなく、顧客業務を理解しておく必要があります。
マネジメントスキルを上げるポイント4:リーダーシップ力の向上
円滑なコミュニケーションを行うためには、リーダーシップに優れたマネージャーが必要です。
エンジニアのマネジメントを行ううえで、コミュニケーションスキルの向上を目指すのと並行して、リーダーシップ力をつけることも重要になります。複雑なコミュニケーションの関係をうまくさばくためには、強いリーダーシップを身につけたマネージャーが必要です。
マネジメントスキルを上げるポイント5:WBSを利用する
WBSは、プロジェクトを遂行するために必要な作業をすべて洗い出し、関連性を図で表したもので、プロジェクトのマネジメントで利用されることが増えています。
ITプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーやリーダーがWBSを作成するのが一般的です。マネジメントスキルのひとつとしてぜひとも身につけておきたいスキルです。WBSに時間軸や担当者を割り当てて作成するガントチャートで進捗管理も行えます。
WBS作成のコツ4つ
WBSは工数管理を楽にするツールのひとつです。
ここではWBS作成のポイントを説明します。
WBS作成のコツ1:作業内容を洗い出す
まずは作業内容すべてを洗い出しましょう。WBSの前は大まかな作業内容しか決まっていないため、作業時間の見積もりや人員配置がしづらい状況です。そのため見積りができるようになるまで、タスク内容を分解しましょう。
この時、プロジェクトマネージャーがひとりで決めるのではなく、現場の担当者と話し合いながら行うのがおすすめです。
そうすれば作業の担当者と工数の認識の違いが起こりにくく、作業時間のギャップなども抑えられます。
WBS作成のコツ2:作業の順番を決める
次に作業の順番を決めます。順番を決める時は、依存関係に注意しましょう。
それまでの工程が終わらないと着手ができないのか、並行して進められるのかが分かれば効率的にプロジェクトを進めることが可能です。
WBS作成のコツ3:作業を構造化する
次に洗い出したスキルを管理可能な範囲まで分割します。
分解して構造化することで作業の抜け漏れを防ぎます。
WBS作成のコツ4:担当者を決める
最後に作業のそれぞれの担当者を決めます。基本的にひとり1タスクの設定がおすすめです。
最終的に誰に責任があるかを決めることで、責任感を高めることもできます。
マネジメントスキルを上げたいならWBSを作成してみよう
WBSを作成する際に、プロジェクトの全体像やどんなタスクがあるのか、誰に何を任せるのかを決めることでマネジメントスキルを上げることができます。
今後マネジメントスキルを上げたいと考えているエンジニアはWBSのスキルを身につけ、積極的に活用していくことをおすすめします。
WBSはガントチャート化してプロジェクト管理にも活用するので、まずはWBSを作成できるようになることから始めてみましょう。
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