これからインフラエンジニアを目指す方や、すでにインフラエンジニアとして活動されている方も含めて自身のキャリアアップをどのように進めていけば良いのか検討している方は少なくないでしょう。
しかし、ITインフラを構築・運用するという専門性の高い仕事に就いていることで、そこからさまざまな職種や仕事に派生させていくことができます。
そこで、本記事ではインフラエンジニアのキャリアパスについて、その特徴や概要などを解説していきます。
ぜひ最後まで読んで理解を深めて頂ければ幸いです。
目次
未経験からインフラエンジニアへ
この章では、未経験からインフラエンジニアとしてどのようにキャリアをスタートさせていけば良いのかについて見ていきましょう。まずは簡単な業務や知識・スキルを磨くことが出来るサポート的な位置づけの仕事から始めることを学んでいきます。
ヘルプデスク&サポート業務
未経験からのスタートで多いのは、このヘルプデスク&サポート業務になるでしょう。
ヘルプデスクはすでに稼働しているITサービスに対して、ユーザーからの問い合わせに対応していくのが主な業務になります。これにより、ユーザーから求められていること、サービスの稼働状況、問題発生時の対応…などサービスとしての全体像も同時に把握できるわけです。
サポート業務は主に先輩エンジニアが担当している仕事をサポートしていくのが多いでしょう。どのように業務を進めているのか、課題に対してのアクションなど、インフラエンジニアとしてどのように活動するのかを間近で学ぶことができます。
主な特徴を挙げると次のようになります。
- コールセンターの受付
- 先輩エンジニアのサポート業務
- ユーザーからの意見・質問の対応
- サービスのテスター
これらの業務をこなしていくことで、確実にインフラエンジニアとしての知識・スキルを向上させていくことができるでしょう。
インフラの監視業務
インフラエンジニアの基本となるIT基盤を構成するシステムの監視業務や故障・障害対応などが含まれます。
ITインフラはサービスを提供している限り、24時間365日稼働し続けるのが当然であり、途中でストップしてしまうとサービスがすべて利用できなくなるので重要です。そのため、常に誰かがインフラを監視していなければいけません。
しかし、万全の体制であっても何らかのトラブルが発生してしまうのがITインフラの宿命なので、不測の事態に備えて障害対応のマニュアルやチームでの連携方法などを学んでおく必要があります。
監視業務の主な特徴は次のとおりです。
- ITインフラ・システムの監視
- 通信機器・サーバーマシンの故障対応
- トラブル発生時の報告・連携
- 業務レポートの作成
- 夜勤・深夜帯の業務もあり
最近はクラウド化が進んでいるので物理的な機械トラブルはほとんど無くなりつつありますが、サーバーの障害対応については今でも発生するので知識・スキルを身につけておくことは重要です。
インフラ設計・構築・運用・保守業務
未経験からでもある程度の業務経験を積んでいけば、いずれはITインフラの設計から運用までも経験することになります。
大きく切り分ければ【設計・構築】と【運用・保守】の2種類となり、まずはすでに稼働しているITインフラの運用・保守から始めます。これは、システムのバージョンアップやバックアップ・証明書管理・障害対応などが含まれることが多いでしょう。
設計・構築の段階では、受託案件だと顧客との打ち合わせで策定された要件定義に沿って仕様・機器・構成などを決めていきます。場合によっては設計書などの書類作成や、セキュリティ面の検討も行います。
業務の主な特徴は次のとおりです。
- システムのバージョンアップ、バグ修正
- 通信機器・サーバーマシンの設定
- データバックアップ
- ユーザー情報の管理
- 要件定義・設計書の作成・運用
- 機器・構成・セキュリティの検討
いきなり設計・構築を任されることはあまりなく、基本的には【監視業務】で経験を積み【運用・保守】でエンジニア業務を数年ほど学んだあとに【設計・構築】に携わることが一般的でしょう。
インフラエンジニアからのキャリアパス
この章では、すでにインフラエンジニアとして活動している方が将来的にどのようなキャリアアップをしていくことができるのか詳しく見ていきましょう。主に、スペシャリスト・マネージャー・コンサルタントに的を絞って学んでいきます。
ITスペシャリスト
一般的なインフラエンジニアでは知らないような知識・技術スキルを持っており、より専門性の高い特定の分野に精通している人はスペシャリストとして活動できます。
主に、サーバー・ネットワーク分野、データベース分野、セキュリティ分野で活動している方が多いでしょう。とにかくハイレベルな技術と知識を求められますが、自分にしかできない提案ができることは市場価値が高く個人としてのやりがいもあるでしょう。
どちらかと言うと個人スキルをひたすら高めたいような人に最適で、最新のIT技術や動向に興味のある人に向いていると言えるでしょう。
ITスペシャリストのポイントは以下の通りです。
- 特定の領域に特化した高度な知識・スキル
- サーバー・データベース・セキュリティ
- クラウドサービスのスキル
- 最新技術の収集・動向を抑える
スペシャリストを目指すうえで、ベンダー資格の取得はオススメです。
例えば、データベース分野だとOracle社の【オラクルマスター】があり、サーバー・ネットワーク分野はシスコシステム社が主催する【CCIE】、セキュリティ分野だと(ISC)²の【CCSP】やOffensive Security社の【OSCP】などが国際的にも有名です。
プロジェクトマネージャー
一人のインフラエンジニアとして業務を遂行するのではなく、プロジェクト全体を正しい方向に動かすためにエンジニア部門全体をマネジメントするのが主な仕事になります。そのため、インフラの構築や運用などの実務作業よりもっと多角的な視野が必要になります。
例えば、受託案件で顧客と打ち合わせを行ったり、要件定義・見積もりなどの作成から納期をもとにスケジューリングを行いエンジニアメンバーを調整していくことになります。その過程においては、さまざまなトラブルなども発生するため正しい判断する業務も求められるでしょう。
マネージャーのポイントは次のとおりです。
- プロジェクトの計画・進捗管理
- 要件定義や見積もりなどの作成
- エンジニア部門全体の管理・調整
- プロジェクト進行に関わる判断業務
主にリーダーとなって大きなプロジェクトを動かしたり、チームで物事を進めていくことができる人に最適でしょう。
ITコンサルタント
ITスペシャリストやプロジェクトマネージャーを掛け合わせたような職種がITコンサルタントであり、最終的に理想的なキャリアアップになるでしょう。
顧客の要望や問題点などを把握したうえで、最適なITインフラを構築していくだけでなく経営戦略や経済情勢なども加味した提案をしていくことになります。そのため、高いプレゼン能力やビジネス全般の知識はもちろんのこと、さまざまな業界や最新技術などにも精通している必要があるでしょう。
ITコンサルタントのポイントは次のとおりです。
- 顧客のニーズに合ったITインフラ・戦略を提案
- IT業界だけでなく世界経済・経営スキルも必要
- プレゼン・ビジネス全般の知識・スキル
- 大きなビジネスに貢献できる
コンサルタントを担当した企業が提供するサービスが成功することで、大きなビジネスに関われるだけでなく社会貢献にも繋がるとてもやりがいのある職種と言えるでしょう。
フリーランスエンジニアへの道
インフラエンジニアは企業に属している社員だけがなれる職業ということはありません。
実際に職場でフリーランスとして活動しているエンジニアと一緒に仕事をしているケースも少なくないでしょう。また、前章でご紹介したようなスペシャリストやコンサルタントは、フリーランスとして独立した仕事であるケースが多いです。
フリーランスで活動する場合は、企業側も即戦力として求めていることが多いので当然ながらある程度のインフラ経験を積んでいる必要があります。また、それだけでなく一般的なビジネスマンとしての知識やコミュニケーション能力も求められるでしょう。
ただし、会社組織に属しているわけではないので上下関係や派閥など、さまざまなしがらみとは無縁です。フリーランスの主な特徴は以下の通りです。
- 案件によって多彩な知識・スキルが得られる
- 報酬単価が高くなる傾向にある
- 組織のしがらみとは無縁
- 単価交渉がしやすい
- 案件や求人が豊富に提供されている
注意点として、案件が短期間で終了することもあるので次の案件獲得を視野に入れておく必要があります。また、経理・税務処理などの雑務が増えることも覚えておきましょう。
まとめ
今回は、インフラエンジニアのキャリアパスについて詳しく学習してきました。
最後に、もう一度ポイントをおさらいしておきましょう!
- 未経験だとサポート業務やインフラの監視がメインになる
- 一般的なキャリアアップにはスペシャリスト・マネージャー・コンサルタントがある
- フリーランスのインフラエンジニアとしての道もある
上記内容を踏まえて、ぜひ自分でも活用できるように頑張りましょう!
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