基本設計とは?仕事内容9選|業務ポイントと標準化によるメリットなども紹介
基本設計とは?
基本設計とは、システムを製造する作業工程のひとつで、細かく分けた機能をシステム全体で動作するように決定する作業のことを指します。
基本設計は、ユーザーの要件定義書が確定した後に実施する工程で、要件を具体化してシステムに反映させるかの検討を実施する作業のことです。
基本設計の重要性
基本設計が重要なのは、ユーザーが要求した機能をシステムとしてまとめた姿を、ユーザーとすり合わせる最後の機会となる場合が多いからです。
基本設計が進み、画面やアウトプット帳票など詳細な設計に工程が進んでいく中、ユーザーレビューは実施しますが、通常は大きな設計変更は行いません。
基本設計で、システムの骨組みを決定しているので、変更となれば手戻り工程が発生し作業遅れの原因となってしまいます。
要件定義とは?
要件定義とは、ユーザー希望の仕様とシステム化後の機能をお互いにチェック、合意するために作成するものです。
要件定義は、基本設計の前に作業するもので、ユーザーの希望を詳細に聞き取った後システム化後の機能に置き換えた形で作成します。この要件定義書により双方でチェック、合意を実施します。
そのため、ユーザーが理解できる構成図や名称などを使用します。
基本設計と要件定義との関係性
基本設計と要件定義との関係性は、ユーザー要件を定義した内容をシステムの形として変換したものが基本設計となります。
基本設計は、要件定義の内容をシステムの仕様に変換したものでシステムの全体像を決定するものです。この工程で、システム設計の基本部分を決定しますので、開発工程の中でも重要な作業となります。
基本設計の仕事内容9選
基本設計の仕事は、ユーザー要件定義書からシステムでのデータ流通方法やハードウェアとネットワーク、操作画面や出力帳票など概要を決定します。
基本設計は、システム処理全体の流れを決定して、要求される結果が何かを判断します。ここでは、それぞれの仕事内容を詳しく紹介しましょう。
1:システム開発の全体像
システム開発の全体像は、画面や帳票、インターフェースなどを把握することでチェックができます。
システム全体像の把握は、基本設計で最初に作成する「システム機能一覧」により実施します。システム全体の機能を列記しますので、容易にチェック、把握が可能です。
機能としては、画面構成や出力帳票、ハードウェアとネットワークなどが代表的な機能です。
2:画面レイアウト
画面レイアウトは、システムの顔とも言われる部分で、ユーザー要件どおりに作成されているかを見て判断できます。
画面作成作業では、レイアウトや、ボタンの配置などを決めます。ボタンアクションなど、動きも合わせて実施します。システムでは、いろんな画面があるので機能毎の画面構成も必要となります。
システムは、ユーザーが画面を見ながら使用するのでいろんなレイアウトパターンを作成して作業を実施します。
3:帳票レイアウト
帳票のレイアウトは、画面と同じでユーザー要件と大きく関係しており、業務で使用する伝票や報告書などであるので雛形として最初は作成します。
基本設計での帳票は、具体的にどのような形ではなく、どんなデータを誰がなどの内容を決めます。帳票レイアウト上に、どのテーブルデータを反映させるかや条件を決めていきます。
機能毎にこの決定作業を実施して、帳票どうしのデータ連携を図っていきます。
4:システムに実装する機能
システムに実装する機能を明示化するもので、基本設計のメイン作業となっておりユーザー要件定義書の機能を具体化していく作業です。
この工程の作業は、大きく6つに分類されます。まず、システム方式設計でハード、ソフトやネットワーク、アプリケーションの機能を決定します。
次に画面、帳票設計でそれぞれのレイアウト作業で決定したものに機能を割り当てます。バッチ設計では、システム独自で動作する処理を決定します。テーブル、ファイル要件では、テーブル関連やファイル定義を決定します。
最後に、外部インターフェース設計で外部とのインターフェース定義を決定します。
5:画面遷移図
画面遷移図は、機能毎に画面メニューや処理画面がどのように遷移していくかを定義した設計書となります。
画面遷移図は画面の流れが一目で分かる資料です。通常の画面遷移を表記しますが、詳細設計の段階でエラー処理の遷移などを決めていきます。基本設計で、決定した画面遷移図が後で変更になることはほとんどありません。
6:コード一覧
コード一覧とは、システムの画面など「入力項目」があり、区分やコードの選択や入力の機能があり、そのコードを定義しています。
このコード一覧は、データ集計に利用したりプログラムにより制御を実施するために設けています。基本設計の段階で、区分やコード形態を決定しておきます。
7:CRUD図
CRUD図とは、業務名と設計する機能の対応を表した図のことです。
基本設計工程では、テーブル定義やER図、CRUD図の整理が主な作業となります。CRUD図は整理する組織の業務と整理しない業務が大きく分かれるようですが、この作業を実施することで、機能漏れを防ぐことになります。
8:ER図
ER図とは、システムで使用する各テーブルの関連を記載した資料です。
要件定義作業では、主要なテーブルの記載のみを実施しましたが、基本設計では機能を実現するためのテーブルを細かく書き出して決定します。また、プログラミングを実行する過程で新たなテーブルの発生も予想されます。
その都度、修正を加えていくことになります。
9:外部システムとの連携仕様
外部システムとの連携仕様は、外部のシステムとのインターフェースについて決定することです。
外部インターフェース設計では、4つの仕様を決定します。まず、外部システム関連図を作成します。外部とのデータ連携を定義した図となります。
次に外部インターフェース一覧の作成です。関連外部システムとのデータ連携を一覧にした資料です。外部インターフェース定義書の作成で、関連システムとのやり取りのデータを一覧にまとめたものです。
最後に、外部インターフェース処理概要を作成します。外部システムとのデータ連携の手順やチェック方法を決める資料となります。
基本設計業務でのポイント5選
基本設計業務でのポイントは、システムを作成するためのどのようにして作業を実施するかを決めることです。
基本設計業務は、ユーザー要件定義を作成した後の工程でさまざまな内容を決定する作業です。この業務の作業が、後工程作業の元となるので慎重に実施しましょう。
ここでは、基本設計作業のさまざまなポイントを紹介しましょう。
1:完成図を把握する
完成図を把握することは、基本設計ではシステム機能全体を把握するために各工程での完成図面をチェックすることが大切でしょう。
設計仕様やメニュー遷移図、システム構成図などその都度把握しておくことが重要です。全体把握するには、普段からの行動が必要です。また、進捗管理などの経験があればさらに有利でしょう。
2:要件定義を正確に把握する
要件定義を正確に把握することは、基本設計の前に実施する一番重要で、ユーザーが希望する画面や帳票、機能などを決定するために必要なことです。
基本設計工程で、効率的に作業を進めるために重要なのが、ユーザー要件定義をしっかり作成することです。この作業で、正確に作成しておかないと基本設計に移ってからの手戻りなどに繋がる恐れがあります。
3:標準化したプログラムを生成する
標準化したプログラムを生成することは、開発工程でのプログラム設計ではよく使用されるパターンが存在し、同じような処理機能を作成する場合は、標準化されたプログラムにより生成する方が効率的です。
設計担当者が作成するプログラムは、ほとんどが別の誰かが作成したプログラムと類似していることがよくあります。このような場合は、1から個人で作成するよりも流用した方が良い場合もあります。
4:開発チームで標準化ルールを作成する
「開発チームで標準化ルールを作成する」とは、開発工程の業務で設計書のデータベース化や情報、資料の一元管理などチーム内で独自のルールによる運用することを指します。
開発チームには、さまざまな工程があって、各工程で同じ作業でもバラバラに実施している場合があります。標準化により、設計書や図面、資料も一元的に管理することが可能となります。
同じもの作りをしている担当者同士が情報を共有できるようになれば、効率的な開発工程の業務となるでしょう。
5:手戻りを踏まえ準備をする
手戻りを踏まえ準備することは、ユーザー要件定義の段階と基本設計やその後の工程で、手戻り発生も考慮して作業の進捗をチーム内で共有するなどいろんな準備しておくことを指します。
手戻り発生時の即時対応が可能なように準備しておくために、どの工程、どの作業で手戻りが発生したことがすぐ分かるように、チーム内での作業進捗を普段から共有しておくことです。
また、手戻りが起きた場合の連携も重要な項目なので、共有ツールなどで随時連絡を図っておくなどが必要です。
基本設計業務の標準化によるメリット5選
基本設計業務の標準化によるメリットは、設計業務で起こりやすい属人化を解消して、誰でもが同じ作業を実施することで品質保証にも繋がります。
設計業務の標準化により、作業をパターン化して実施するようになりいろんなメリットが生まれます。ここでは、5つのメリットを詳しく紹介しましょう。
1:時間コストの削減
設計の標準化により開発の業務がパターン化され無駄な工程数の削減が達成でき、開発時間を削減することができます。
基本設計の作業では、画面や帳票、機能などで作業をパターン化できるものがあります。別の開発で使用した資料など流用できるものは、利用して作業を実施します。
それにより、無駄やヒューマンエラーも解消されて結果として、工程数の削減に繋がるでしょう。
2:生産効率が上がる
基本設計業務の標準化により技術者によるスキルのばらつきが少なくなり、設計作業時間が安定するため生産効率が上がります。
業務標準化により、図面や設計書の様式も統一されてチーム内メンバーの誰が見ても理解できるように改善されます。このように、職場の作業環境も標準化により効率的な動きが可能となるでしょう。
3:質の高い品質を確保できる
質の高い品質を確保するために、基本設計業務を標準化することによって設計担当者による品質のばらつきを抑えることが可能となり、高い水準の品質確保が可能になります。
設計技術者に頼っての品質維持がなくなり、誰でも同品質を保つ作業ができるようになります。
4:正確な情報の伝達・相互理解の促進
正確な情報の伝達・相互理解の促進とは、設計業務の標準化によって設計作業のノウハウがチーム全体に共有され、技術者が不在の場合などは他の者が同じ作業を実施できるような情報の伝達やお互いの理解が深まることです。
また、基本設計部門だけでなく他の工程担当者も情報を共有できますので、他部門を含む全部門への伝達が可能となります。このことにより、他部門との連携も生まれるでしょう。
5:業務の非属人化
業務の非属人化とは、標準化により誰でも同じ作業を実施して品質を保つことができるようになることを指します。
設計業務は、技術者個人のスキルや経験が作業に大きく影響する場合が多いようです。しかし、標準化を行うことで属人化を解消することとなります。これにより、誰が作業を行っても同じ品質を保証できるようになるでしょう。
基本設計の転職に必要なスキル3選
基本設計の転職に必要なスキルは、インフラ関連でのネットワーク構築やサーバ、OSのスキル、上流工程の業務スキルやコミュニケーションスキルの3つがあるでしょう。
これらの3つのスキルは、基本設計業務に転職するには必須といえるものです。ここでは、それぞれのスキルについて詳しく紹介しましょう。
1:ネットワーク全般に関する知見
システム基本設計業務は機能や画面、帳票などと別にハードウェア機器やネットワーク全般に関する知識も必要とされます。
基本設計に携わる者への要求スキルは幅広く、OSやサーバー、ネットワークなどの機器とのインターフェース定義を設計で決定するために必要とされています。
基本設計とは、システム周りのさまざまなやり取りを意識した業務を実施するために幅広い知識が要求されます。
2:上流工程の知識
上流工程の知識とは、基本設計でのユーザー要件定義などの開発の初期工程のことを指します。
上流工程の作業は、ユーザーとのシステム要件について打ち合わせを実施しながら、システムに組み込むことを決定し、それを元に他の設計工程を進めていきます。
その後に詳細設計で、上流工程で決定した内容でさらに細かな設計作業となります。このような、上流工程の知識は直接基本設計に関わるスキルなので、転職の機会には重要なスキルとなるでしょう。
3:コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、要件定義や基本設計では、ユーザーの要望を理解することやチーム内などのコミュニケーションを取るために重要なスキルです。
特に、基本設計業務では他の工程技術者と意見を交わしながら仕様を確定する方法と取っているので、技術力と同じ位の重要なスキルと位置づけられています。
転職に向けて基本設計業務の重要性を理解しよう
転職に向けて基本設計業務の重要性とは、「システムの全体に視点を置いている」、「ユーザー要件と合致している」、「設計の手戻りが発生しない」ということがあります。
基本設計では、開発システムの全体を見ながら作業することが大切です。ユーザーの希望や詳細設計、検証試験や運用保守に至るすべての視点での作業が必要です。
そして、ユーザー要件定義と合致していることは重要なことです。要件定義は、ユーザーの希望や期待がすべて反映されているものです。そのため、基本設計では要件定義とズレがないかを絶えず意識して作業しなければなりません。
さらに、基本設計での手戻りはあってはなりません。よほどのことがない限りこの初期工程では起こりません。要件定義から基本設計までは他の工程がないので、問題が発生したとしても修正作業で大きなことにはならないでしょう。
このように、大事な事柄を作業中も絶えず意識して後の工程に影響をおよぼすような大きなミスが発生しないように注意することが大切でしょう。
この記事では、基本設計の作業内容やポイント、必要なスキルなど紹介しました。基本設計について、さらに知識を深めていきましょう。
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