システムインテグレーション事業のシステム開発の流れ6つ|転職のポイントは?

システムインテグレーション(SI)とは
システムインテグレーション(SI)とは、企業における情報システムの設計や構築、開発、運用保守、管理などすべてのことを指す言葉です。
他社のシステムインテグレーションを担っている企業のことを「SIer」と呼びますが、SIerは発注を受けた企業のハードウェアの調達から設置、OSの設定、データベースの構築、システム開発、マニュアルの作成、サポート、トラブル対応まですべてを担います。
SIerやSEとの違い
SIerとはシステムインテグレーションを担っている企業のことで、SEとはシステム開発の上流工程を担うエンジニア職のことを指します。
システムインテグレーションに人を意味する「er」を付けた言葉が「システムインテグレーター」で、その略称がSIerとなります。
そのため、システムインテグレーションを行っている企業がSIer、SIerなどに所属し、設計書の作成を行う上流工程のエンジニアがSEだと言えます。
システムインテグレーション業界の分類とは
システムインテグレーション業界にはユーザー系、メーカー系、独立系などの分類があります。
ユーザー系と呼ばれるSIerは、金融や物流といった企業の情報システム部が独立することでSIerになったものです。メーカー系はもともとパソコンなどのハードウェア系の企業の情報システム部が独立したものです。
また、独立系は上記のような親会社を持たず、独自にSIerになった企業を指します。
システムインテグレーションの事例
身近にあるシステムインテグレーションの事例には、銀行のオンラインシステムがあります。
以前は口座を持っている銀行の支店でしかお金の出し入れができませんでしたが、システムインテグレーションによってオンラインシステムが導入されたことにより、現在では全国の支店や別の銀行、コンビニのATMでいつでも出し入れができます。
さらに残高確認や振込なども、ネットバンキングでいつでもできるようになりました。
システムインテグレーション事業のシステム開発の流れ6つ
システムインテグレーション事業のシステム開発の流れをご紹介します。
システムインテグレーション事業で企業のシステム開発を行う場合、一般的には上から順に工程を進めていくウォーターフォールモデルでの開発を行います。
ここではシステムインテグレーション事業のシステム開発の流れ6つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:顧客の経営戦略に基づいて情報戦略の提案を行う
はじめに、クライアントの企業の経営戦略に基づき、戦略を立案する企画のフェーズを行います。
企画の段階では、クライアント企業の業界の市場調査や競合調査、現状分析などを実施し、何をどのようにして実現するのかなどの大まかな方針を決定していきます。
クライアント企業のあるべき企業経営や業務の流れなども把握し、クライアントをリードしてコンサルティングする仕事です。
2:企業の課題や要望を明確化・詳細化する
次に、クライアントの課題やニーズの明確化や詳細化のための要件定義を行います。
クライアントへヒアリングを行い、具体的な要望や課題となっている点を抽出します。要件定義ではシステム化する対象範囲や既存業務への影響なども考慮し、必要性があるのかどうか、利便性はどうかまで長期的な目線で考える必要があります。
また、要件定義のフェーズまで進めば、実際にプロジェクトを発足して開発を進めることになります。
3:要件定義を基にシステム構築する
前の工程での要件定義を基に、システム構築などの設計作業を行っていきます。
規模が大きなシステムの場合、それぞれで担当を分けてスケジュール通りに設計書の作成を行います。設計書にはどのような機能を実装し、どのようにして作るのかなどをまとめます。
また、ここまでのシステム開発における上流工程の作業を行うのが、前述のSE(システムエンジニア)の仕事になります。
4:設計書を基に開発する
SEが作成した設計書を基に、プログラマーが開発を行っていきます。
開発作業を行うのはプログラマーの仕事です。プログラミング言語にはさまざまな種類がありますが、プログラマーはJavaやPHPなど開発するシステムに適したプログラミング言語を使用します。
開発工程はシステム開発プロジェクトの中での一工程ですが、IT業界の基礎となる重要な部分です。
5:動作確認を行う
プログラムが動作するようになったら、動作確認などのテスト作業を行います。
テストによって仕様どおりの動きをしていない箇所やバグが見つかれば、その都度プログラマーに戻して修正を行います。また、使い勝手などの確認も行い、必要があれば修正を行います。
すべてのテスト作業が終了すれば、クライアントに納品し、実際にシステムがリリースされることになります。
6:ユーザーからの問い合わせやトラブルに対応する
システムリリース後も、ユーザーからの問い合わせ対応やトラブル対応などの運用保守を行います。
システムが完成してもSIerの仕事は終わりではありません。ユーザーがシステムを使う中で不具合が見つかったり障害が発生したりする場合があるため、その都度適切な対応を行う必要があります。
また、保守期間は通常5年程度となっていますが、その間にさらにシステムの改修を行うケースもあります。
IT業界におけるシステムインテグレーションの現状と課題3つ
IT業界におけるシステムインテグレーションの現状と課題についてご紹介します。
システムインテグレーションはこれまで日本のITの発展に寄与してきましたが、現状、SI業界独特のいくつかの課題も残されています。
ここではIT業界におけるシステムインテグレーションの現状と課題3つをご紹介しますので、どのような課題があるのか参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:人手不足
IT業界全体が人材不足の状態となっていますが、システムインテグレーション業界も例にもれず人手不足となっています。
ITの需要が拡大し、エンジニアなどのIT人材の需要が増えているのと比例するようにIT人材不足も加速しています。
特に高いスキルを持った優秀なエンジニアはどこの企業も求めているため、システムインテグレーション業界は慢性的な人手不足の状態となっています。
2:高コスト体質
システムインテグレーション業界自体が多層構造となっていることから、クライアント企業がシステムインテグレーション事業で支払う費用が高コストという問題があります。
同じプロジェクトに下請けのSIerがいくつも入っていることは珍しくないため、中間に入っている企業すべてが利益を確保するためには、コストが高くなってしまいます。
3:クラウド化による影響
近年のクラウド化の流れにより、システムの調達や構成変更などを担うシステムインテグレーション事業が大きなリスクを負うことになりました。
クライアントにとってメリットの多いクラウド化ですが、システムインテグレーション事業者にとっては単価自体が下がり、リスクが大きくなることから、メリットは多くありません。
現在、システムインテグレーションというビジネス自体が転換期を迎えていると言えるでしょう。
システムインテグレーション業界でエンジニアとして転職する際のポイント
システムインテグレーション業界でエンジニアとして転職する場合、年収をアップさせたいのであれば大手SIerに転職するのがおすすめです。大手のSIerは元請けとなるため、年収も高くなる傾向があります。
また、スキルを磨きたい場合は、中堅のSIerであれば大手よりも直接スキルを磨くチャンスが多いためおすすめです。
システムインテグレーション業界への転職で準備しておきたいこと3つ
システムインテグレーション業界への転職を検討している方の場合、どのような準備を行っておけばいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
ここでは最後にシステムインテグレーション業界への転職で準備しておきたいこと3つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:コードレス開発スキルを身に付ける
コードレス開発などの最新の技術は、今後のシステムインテグレーション業界にも影響を与えるでしょう。
コードレス開発によってこれまでのようなプログラミングスキルが必要とされなくなれば、仕様をコード化するだけのエンジニアの需要は減っていくと言われています。
そのため、コードレス開発のスキルを身につけておきましょう。
2:マネジメントスキルを身に付ける
マネジメントスキルなどを身につけて積極的にスキルアップを図ることが重要です。
システムインテグレーション業界でのキャリアパスを考慮すると、将来的にはエンジニアとしてのスキルだけでなく上流工程のスキルやマネジメントのスキルなども必要になってくるでしょう。
そのため、マネジメントの経験などを積むチャンスがあれば挑戦するようにしましょう。
3:テクノロジー全般に関する知識を増やす
システムインテグレーション業界でシステム開発を行うには、テクノロジー全般の幅広い知識が必要になります。
具体的なスキルが必要になるわけではありませんが、幅広い基礎知識を習得していることが大切です。たとえば、OSやミドルウェア、メモリ、データベース、サーバー、ネットワーク、セキュリティなど、基本的なIT知識を押さえておきましょう。
システムインテグレーション業界への転職を目指そう
システムインテグレーション業界では、企業の情報システムの設計や構築、開発などすべての工程を担います。
ぜひこの記事でご紹介したシステムインテグレーションの概要やシステム開発の流れ、システムインテグレーション業界への転職で準備しておきたいことなどを参考に、スキルを身につけて転職を目指してみてはいかがでしょうか。
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