組織構造とは?形態ごとの特徴5つ|注意点5つと活かすポイント9選

組織構造とは?
組織構造とは、企業の中の業務内容を能力ごとに仕分け、その分けた業務を調整しながら進める仕組みのことです。企業が業務を円滑に進めていく上で重要なのは、組織構造です。
この組織構造の形態は、その企業がどれほどの規模なのか、また行っている事業数がどれほどあるかによって、ふさわしい形態が異なります。また、企業戦略によってもその形態は異なります。
組織構造の形態5選
組織構造には、代表的なものとして「事業部制組織」「機能別組織」「チーム制組織」「カンパニー制組織」「マトリックス組織」という5つの形態が挙げられます。
これら5つの種類の組織構造について知ることで、企業の仕組みについて理解できるようになるでしょう。
以下で具体的に紹介して行きますので、ぜひ参考にして下さい。
1:事業部制組織
「事業部制組織」とは、本社の下にいくつかの事業部を配置する組織構造を言います。事業部は扱う製品や、顧客、担当する地域などの違いによって分けられます。
会社の中で、ビジネスの仕組みの異なるものが複数ある場合に事業部制組織の構造が適しており、多くの企業で取り入れられています。
2:機能別組織
「機能別組織」とは、経理、総務、製造、販売、など担当する専門分野ごとに組織編成をしたものを言います。
業務の内容ごとに編成するこのスタイルは、急激な外部環境が少なく、ビジネスの仕組みが同じ場合に適しており、事業部組織と同様多くの企業で取り入れられている組織構造です。
3:チーム制組織
「チーム制組織」とは、普段はそれぞれの部署に所属しているものの、ある目的を達成するために招集され結成される組織構造です。このようなチームは「プロジェクトチーム」や「タスク・フォース」と呼ばれます。
このチーム制組織には、一時的に所属部署を離れてチームに所属する場合と、所属部署の仕事と並行してブロジェクトの仕事も行う場合とがあります。
4:カンパニー制組織
「カンパニー制組織」とは、先述の事業部制組織からさらに独立性を高めたもので、「事業部」として置いていたものを、独立した「会社」として扱う組織構造です。
事業部制組織において、事業部には組織の利益に関する大きな意思決定件はありませんが、カンパニー制組織においては、その決定権があるのが大きな特徴と言えるでしょう。
5:マトリックス組織
「マトリックス組織」とは、その組織図から「格子型組織」とも呼ばれており、事業部制組織と機能別組織を掛け合わせた良いとこ取りの組織構造です。
事業部制組織が持つ迅速な対応力と、機能別組織が持つ専門分野のスキルの高さを併せ持つこの組織構造は、より効率的に業務を行えると形態と言えるでしょう。
組織構造形態ごとの特徴5つ
ここまで組織構造の5つの形態について見て来ましたが、続いて5つの組織構造のそれぞれの特徴について紹介します。
それぞれの組織形態が持つ特徴を理解することで、そのメリットやデメリットが自ずと浮き彫りになります。それぞれのメリットとデメリットを把握し、業務に反映させましょう。
1:事業部制組織
事業部制組織の特徴は、事業単位ごとに動くことが可能な点です。事業部長の判断で意思決定ができるため、スピーディーに仕事を進められるのがメリットです。
また、この組織構造では、事業部ごとの営業成績を競わせることができるので、結果的に会社そのものの利益の上昇につながるでしょう。
さらに、マネジメントスキルを持った人材の育成ができるところも事業部制組織の特徴と言えるでしょう。
2:機能別組織
機能別組織は、業務別に能力を持った人材によって構成されているため、その専門分野で能力を発揮できることから、業績を上げやすいという特徴があります。
また、この組織構造では専門性をさらに磨けるため、各々が持つスキルを共有しやすいということも大きな特徴と言えます。
3:チーム制組織
チーム制組織の場合、チームに所属するメンバーは元々特定の部署に所属しているため、その分野ごとの様々な視点から事案検討を行え元々いう特徴があります。
このチーム制組織の場合、構成人員も少ないので、スピーディーに意思決定をすることが可能です。ただし、目的が達成されれば解散するのが一般的なので、短期構造的な組織形態と言えるでしょう。
4:カンパニー制組織
カンパニー制組織では、それぞれのカンパニーが決定権限を持っているため、迅速な対応が行えます。また、経営という観点から見た場合も、システムを簡素化できることから、資源を効率的に分配することが可能となり、組織の活性化も狙えるでしょう。
さらに、この組織構造では、将来の経営を牽引する人材の育成も可能ですし、万が一経営が傾いた場合も、事業の売却や事業構造を変えることが容易という点も特徴と言えるでしょう。
5:マトリックス組織
マトリックス組織には、事業部制組織と機能別組織をまとめる組織が中央に存在しているという特徴があります。
そのため、1人の担当者に事業別組織と機能別組織の両方の役割が求められます。また、事業別組織と機能別組織のそれぞれの上司から、別々に指示命令を受けるということにもなります。
この組織構造をとることで、品質を高く保ったまま、最初から最後まで生産に関わることが出来るというメリットがあります。
組織構造形態ごとの注意点5つ
ここまで、5つの組織構造の特徴について見て来ました。
続いて、組織構造ごとの注意点を紹介して行きましょう。注意点を知っていれば、それを補う対策を立てられると同時に、企業にとって利点の多い組織構造を選択することも可能です。
それぞれの組織構造の注意点を把握し、よりよい組織構造を作れるように考えて行きましょう。
1:事業部制組織
事業部制組織の注意点としては、業務の割り振りで時間が足りなくなる傾向が多く、それに伴って製品の品質も低下してしまう場合があることです。
また、事業部制組織では事業部ごとの交流が希薄になりがちなため、協力体制を敷くことが難しいことや、事業部ごとの経営資源の分配が難しいことが注意点として挙げられます。
2:機能別組織
機能別組織の注意点として、組織の権限や責任が限定されている点が挙げられます。
具体的には、専門的な見方に偏ってしまうため、企業の全体進行が見えづらく、企業組織を挙げて取り組むべき経営課題や急激な市場環境の変化に対応しにくくなる点です。
機能別組織構造では、それぞれの専門分野の品質にこだわる傾向があります。管理する側も進行の遅れよりも品質を優先する場合が多いため、上記のようなことが起こり得るでしょう。
3:チーム制組織
チーム制組織の注意点としては、選抜されたメンバーによっては、業務進行が難しくなることが挙げられます。
例えば、元々の人間関係が良くなかったり、価値観が合わなかったりといったことが問題になる可能性があります。
また、この組織構造では、もともと所属している業務と並行して行っている場合が多く、所属業務の仕事を後回しにして、チーム業務を優先する場合もあるでしょう。
4:カンパニー制組織
カンパニー制組織の注意点としては、独立して動けるだけに、カンパニー間のコミュニケーションが希薄になりやすいという点が挙げられます。
また、独自に考えた決定事項が偏ったものになってしまいがちで、経営面の要因を入れず、現場判断に偏りがちになる場合があります。そのため、経営に行き詰まるケースが考えられるでしょう。
5:マトリックス組織
マトリックス組織の注意点は、指揮系統が複数あることで混乱が起きやすく、同じ立場での主張のぶつかり合いになったり、結論がまとまらず考え方の違いで分裂したりする可能性がある点です。
また、利害関係や権限の調整など、本来業務の遂行と関係のない業務によって疲弊してしまう可能性も否定できないでしょう。
組織構造を知った上での転職に大切な事
組織構造の形態から特徴、注意点について紹介してきましたが、どの組織構造も一長一短あることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここからは、これらの組織構造を踏まえた上で、転職に大切なことについて見て行きましょう。
業務目的の統一
転職する際に大切なことは、業務目的を統一させることです。言い換えると、「なぜ転職したいのか」という、そもそもの目的を見失わないことです。
そのためには、まず自己分析をして、「自分はどのような業務目的をもって転職に臨んでいるのか」を伝えられるように準備する必要があります。
コミュニケーションの必要性
転職をする上では、コミュニケーションが必要になります。
転職の場合、「中途採用」という括りが一般的ですが、新卒採用とは違い研修が少なく、その反面で給与面については新卒以上の待遇という企業がほとんどでしょう。
上記のような環境になることを考えれば、自ら進んでコミュニケーションをとることが必要なのは明らかでしょう。
組織構造を活かすポイント9選
続いて、ここまで紹介した組織構造を活かすポイントを9つ紹介しましょう。
以下に紹介するポイントを押さえることで、それぞれの組織構造が持つ問題点を小さくし、良い面を活かすことにつながります。
現在の組織構造を見直す際の参考にしてみましょう。
1:目標(ビジョン)を明確にする
1つ目の組織構造を活かすポイントは、目標を明確にすることです。
どの会社にも共通してある前提条件は、「利益を上げたい」ということでしょう。企業としての利益を上げるまでの戦略目標を明らかにすることで、どの組織構造が適しているか見極められます。
例えば、流行を作るファストファッション業界などであれば、生産や買い付け、発注などにおいて意識決定をスピーディーに行うことがメリットになるでしょう。
このような場合は、「事業部制組織」や「チーム制組織」を採用することが、戦略目標達成の第一歩になると言えます。
2:組織を複雑化させずフラット化も検討する
今までの組織構造は、トップダウンのヒエラルキー型組織が一般的でした。
これは、組織の上位に行くほど権限が大きくなり、上位の人が下位の人に対し業務指示を出して、上位の人はそれを管理するという構造です。
この構造の場合、指揮命令が1つなので分かりやすく、専門性を高められるのがメリットです。その反面、意思決定までに時間がかかること、下位からの上位への意見が通すのが難しいこと、中間管理職が多くなりがちなことがデメリットとして挙げられます。
組織を「フラット化」することで、管理階層を減らせるとともに、上司も部下も目標達成のための価値観やビジョンを共有しやすくなるため、経営陣に対しても現場の意見が反映されやすくなるでしょう。
また、中間管理職を減らすことで、人件費削減が可能な点は特筆すべき事柄でしょう。
3:階層の少ない組織構造を目指す
先述の「フラット化を検討する」ことから発展して、さらに階層の少ない組織構造を目指すことのメリットについて紹介しましょう。
階層の少ない組織構造を目指すことで、意思決定のスピードを上げられると同時に、部下の自律性を尊重する組織が作れます。
個人の自律性の尊重が個人のレベルアップにつながり、ゆくゆくは会社のレベルアップにつながると言えるでしょう。
4:目的や戦略の変化に組織の形態も変える
組織構造は、その目的や戦略の変化に応じて形態を変えることも必要です。
あくまでも、会社は利益を追求する場所であることが大前提です。そのための経営戦略を進めるために、組織構造を選ぶということを念頭に置く必要があります。
組織構造というのは、その時々の情勢や経営戦略によって柔軟に変える必要があることを忘れないようにしましょう。
5:役職権限に見合う責任を明確する
組織構造を活かすポイントとして、役職権限に見合う責任を明確にすることが挙げられます。役職とは、いわゆる肩書きのことで、具体的には部長、課長、係長などのことです。権限とは、個人がその立場でもつ権利・権力の範囲のことです。
組織構造においては、肩書きに付す権限に見合う責任を明確に定めることによって、社員全員がそのことを理解できるので、内部管理をスムーズに進めることができます。
また、何かあったときに責任の所在がわからないという事態を回避することもできます。
6:分業・単純化して効率化を図る
組織構造を活かすポイントとして、業務を分業・単純化して効率化を図ることが重要です。
小さい組織であれば、1人でいくつも業務を受け持つことも可能ですが、企業の規模が大きくなり、たくさんの人が働くようになれば分業が不可欠となります。
また、分業化する際は、業務内容を単純化して誰もがスムーズに作業がこなせるようにし、効率よく業務が回るようにすることが重要です。
7:情報共有がスムーズに行える組織階層を作る
組織構造において、組織階層を作ることは大切です。組織階層を作ることによって内部管理が可能になるからです。
この組織階層を作る上で重要なことは、情報共有がスムーズに行えるかどうかです。
現場の声が経営陣にまで届かないようでは、会社のパフォーマンスを上げるのは難しいでしょう。そのため、現場と情報共有をスムーズに行える組織階層を作る必要があります。
8:社員の能力を活かし組織を機能させる
組織構造を活かすためには、個々の人材を活かすことが重要です。社員の能力を把握した上で、それを活かせるような組織作りをすれば、組織は上手く回ります。
社員にとっても、自分の能力が認められていると感じられる職場であれば、より「貢献したい」という気持ちを持って業務に取り組むので、組織を成功へと導くでしょう。
9:管理とマネジメントの役割分担を明確にする
同じ意味として捉えられることの多い「管理」と「マネジメント」には、明確な意味の違いがあります。
まず、「管理」とは、良い状態を維持できるように全体を統制することです。一方の「マネジメント」とは、組織の資源を管理した上で、成果を得ることを目的とした手法です。
管理とマネジメントの役割を明確にすることで、会社のパフォーマンスをより高めることにつながるでしょう。
組織構造を理解して自分に合った転職をしよう
「組織構造」について紹介しました。自分の志望する企業の組織構造の形態が分かれば、経営戦略も見えてくるでしょう。
転職を考える際には、組織構造の観点から企業を選び、中途採用としてその企業で自分がどのような業務を行いたいのか、行えるのかということを明確にすることが重要です。さらに、中途採用ではコミュニケーションが重要であることも忘れないようにしましょう。
本記事で紹介した内容を参考に、自分に合った企業への転職に臨んでください。
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