客先常駐とは?業務のメリット・デメリット14選|注意点と向いている人

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客先常駐とは?


エンジニアにはいろいろな働き方があり、客先常駐もエンジニアの働き方の1つです。客先常駐とは、顧客先に常駐して仕事をする勤務形態のことです。

客先常駐をするエンジニアは他社が毎日の職場となります。また、他社が職場となることによって、いろいろなメリットとやデメリットが発生します。

客先常駐の仕事

客先常駐では顧客先で仕事をすることになり、仕事内容は契約内容によって異なります。しかし、客先常駐での仕事は、システムやソフトウェアなどの開発を行うために、エンジニアとしての技術力と労働力を提供することが主な内容となりやすいでしょう。

このようなエンジニアとしての技術力と労働力の提供は準委任契約となり、労働者派遣契約とは異なるため、エンジニアへの指揮命令権が顧客先の企業にないという特徴があります。また、請負契約とも異なり、エンジニアは成果物に対する責任は負わないなどの特徴もあります。

客先常駐の現状

IT業界は慢性的な人手不足で、エンジニアの需要は高まっています。そのため、客先常駐をしてくれるエンジニアを求める企業は多いでしょう。

ただし、客先常駐にはメリットもあればデメリットもあります。また、客先常駐は顧客先の企業で仕事をすることになるので派遣と勘違いされやすいですが、契約内容には違いがあります。

これらのことを理解せずに、客先常駐のエンジニアとなったり、企業が客先常駐のエンジニアを活用しようとしたりすることで、トラブルが発生することもあるので注意が必要です。

客先常駐と派遣との違い


客先常駐は顧客先の企業が職場となるので、派遣と勘違いされることが多くあります。しかし客先常駐は準委任契約、派遣は労働者派遣契約と、その契約内容に明確な違いがあります。

大きな特徴の1つとして、客先常駐の場合は指揮命令権が顧客先の企業にありません。客先常駐のエンジニアが雇用契約を結んでいる会社の社員として仕事をするためです。客先常駐のエンジニアは自分が属する企業から正社員としての待遇を受けることができます。

また、正社員と派遣の大きな違いとして、派遣の場合は派遣先がなければ仕事も収入も得られませんが、客先常駐の場合は正社員なので常駐先がなくても自社から最低限の給料などが保証されます。

客先常駐業務に転職するメリット6選


客先常駐は派遣に近い働き方をするので、あまり良い印象を持たない人もいます。しかし、客先常駐として働くといろいろなメリットがあります。客先常駐のエンジニアへの転職を検討しているのであれば、どのようなメリットが得られるのか事前に把握しておきましょう。

1:残業が比較的少なめ

客先常駐ではエンジニアを活用した時間によって、顧客先の企業が支払う金額を決定する契約になることが多いです。そのため、客先常駐のエンジニアが残業をすると、顧客先の企業が支払う金額が上がることになります。

顧客先の企業は支払額をなるべく抑えるために、客先常駐するエンジニアに残業を求めない傾向にあるので、客先常駐のエンジニアは残業が少ないという特徴があります。ただし客先常駐でも残業が必要な場合もあるので、残業が全くないというわけではありません。

2:常駐先のエンジニアと交流が持てる

客先常駐のエンジニアは契約で交わした内容の仕事が終われば、次の現場へ移動して仕事を行います。職場が変われば環境も変わり、常駐先ではいろいろなエンジニアやその企業の社員などと交流を持てるでしょう。

毎日同じ職場で同じ仲間と仕事をするよりも、多くの人と一緒に仕事をして人脈を広げたり、幅広い知識やスキルなどを身につけられたりします。

3:新規案件を獲得しやすい

IT業界はエンジニア不足なので、客先常駐の仕事は獲得しやすいと言えます。客先常駐のエンジニアはいろいろな職場で、いろいろな仕事を経験できます。

そのため、自社の強みに合わせて、毎回似たような案件の仕事が多くなり、知識や経験が偏るようなことがなく、挑戦したことがないような新規案件に挑戦でき、幅広いスキルや経験を積むことが可能です。

4:未経験でも働きやすい

高いスキルや知識を顧客の企業から求められる仕事もあれば、簡単な仕事を任せたいという企業もあります。

エンジニアの転職ではスキルや実績などの実力を重視されやすいですが、客先常駐の場合は簡単な仕事内容の案件もあるので、最低限のスキルさえ身につけていれば未経験者でも比較的に採用されやすく、働きやすい環境だと言えます。

5:常駐先のクライアントと信頼関係を構築できる

客先常駐のエンジニアは、顧客先の企業で仕事をすることになります。顧客先企業のエンジニアと一緒に仕事をしたり、仕事の様子を顧客先企業に見られたりします。

その仕事ぶりを認められれば、顧客先企業から信頼を得ることができ、場合によっては引き抜きをされることもあるでしょう。

6:常駐先企業の働き方を学べる

客先常駐のエンジニアはいろいろな企業で仕事をするため、企業によってプロジェクトの内容や仕事の環境、企業が持っている強みなどが異なります。

客先常駐のエンジニアはいろいろな企業で、仕事の進め方やその企業が持っている強みなどを吸収することができます。

客先常駐業務に転職するデメリット7選


客先常駐にはいろいろなメリットがあります。ただし、客先常駐はメリットだけでなく、デメリットもあります。客先常駐のエンジニアへの転職を検討しているのであれば、その両方を把握しておきましょう。

1:自社の人との繋がりが薄くなる

客先常駐のエンジニアの職場は顧客先の企業なので、ほとんど自社に出社することがありません。また、自社とのやりとりが月1回の報告のみという場合もあります。自社の人と関わることが少なく、同じ会社の人間でありながら、深い関係性を築くことが難しい場合も多いでしょう。

2:自社の社員じゃないので関係構築が難しい

客先常駐は顧客先企業に常駐して仕事をしますが、その企業の社員ではありません。できる仕事に制限があったり、同じ職場で働く人が同じ会社の人間ではないことから接し方に注意が必要であったりします。

これらのことから、客先常駐は職場の人間と壁ができやすく、人県関係を構築していくことが難しいと感じる人もいます。

3:自社に対する愛着や帰属意識が薄くなる

客先常駐のエンジニアは顧客先企業で仕事をするため、自分が所属している会社に出勤することが少ないです。また、客先常駐のエンジニアには自社の人との繋がりが薄くなりやすいという特徴もあります。

客先常駐のエンジニアとして仕事を続けていると、自分が所属する会社に対して愛着が持てなず、帰属意識が薄くなってしまうことも多いでしょう。

4:スキルアップが難しい

客先常駐のエンジニアは、顧客先企業からすると外部の人間のため、重要な部分や難易度が高い部分の仕事などを任せてもらえないこともあります。客先常駐のエンジニアの請け負う仕事が簡単なものとなる場合もあります。

これらのことから、客先常駐のエンジニアは長く仕事を続けていても、スキルアップや経験を積むことが難しいと言えるでしょう。

5:客先の業務規則に縛られる

客先常駐のエンジニアは顧客先企業の社員ではありませんが、その企業で仕事をすることになるので客先の業務規則に縛られます。

仕事をするうえの社内ルールが厳しかったり、自分に合わなかったりしても、客先常駐のエンジニアはルールに従わなければなりません。ルールに従うことによって、精神的な負担を感じてしまう人もいるでしょう。

6:収入が低い

IT業界の特徴によって、客先常駐は三次請けや四次請けなどの階層が低い部分の下請けが多い仕事です。そのため、高い階層で仕事を請けている企業の社員エンジニアと比べると、その収入は低くなる傾向にあります。

また、客先常駐のエンジニアでも、高いスキルを身につけたり実績を挙げたりすれば、単価が上がって収入を増やすこともできますが、スキルを身につけ実績を挙げること自体が難しい場合もあります。

7:自社から業務評価が受けにくい

客先常駐のエンジニアは顧客先企業に常駐して仕事をすることになるので、自分の仕事の様子を所属している会社の上司は直接確認できません。客先常駐のエンジニアは顧客先企業からの報告によって評価されることも多いです。

しかし、企業によって仕事内容や評価の基準が異なるので正確に評価されず、自社からの評価が思うように得られない場合があります。

客先常駐の転職をする上での注意点3つ


客先常駐のエンジニアになることには、メリットもありますがデメリットもあります。そのため、客先常駐のエンジニアへの転職を検討する場合、そのデメリットによって起こる注意点も事前に把握しておく必要があります。

1:勤務時間や通勤時間のストレスになる場合がある

エンジニアが常駐する職場が変われば、通勤時間や勤務時間なども変わります。今まで近かった職場が急に遠くなって早起きしなければならなくなったり、これまでフレックスタイム制だったのが急に決まった時間に出社することになる場合もあるでしょう。

通勤時間や勤務時間はワークスタイルや生活リズムなどに大きな影響を与えるので、これらが頻繁に変わることで負担を感じる場合があります。

2:常駐先社員に気を遣うストレスになる場合がある

客先常駐のエンジニアは顧客先企業の社員たちと仕事をすることになります。顧客先企業の社員は一緒に仕事をする仲間でもありますが、客先常駐のエンジニアにとってはお客様でもあります。常駐先の社員との接し方には注意が必要です。

また、客先常駐のエンジニアは一緒に仕事はしますが、外部の人間という微妙な立ち位置であることから、職場での振る舞い方に悩みストレスを感じることもあります。

3:自身の業務状態が自社への評価に繋がる場合がある

客先常駐では顧客先企業で仕事をすることになるので、自分が所属する会社の上司が直接確認して評価することはできません。

客先常駐のエンジニアは、自分の業務状態を顧客先企業が自社に報告することで評価されることになります。ただし、企業によって行う仕事や評価基準が異なるので、正当な評価を受けていないと感じる場合もあるでしょう。

客先常駐業務の転職に向いている人3選


客先常駐は顧客先の企業で仕事をするので、毎日同じ会社に通って、同じ環境で仕事をするわけではありません。一般的な正社員とは少し働き方に違いがあります。

もし、客先常駐のエンジニアへの転職を検討しているのであれば、働き方の違いに自分が合っているかどうかを判断する必要があります。

1:起業を目指している人

エンジニアの中にはフリーランスとして独立を目指す人も増えています。もしフリーランスとして独立した場合、自分で仕事や情報を獲得する必要があります。

エンジニアとしていろいろな企業で仕事をしながら、知識やスキルが身につき人脈を広げられるため、客先常駐は独立を目指すエンジニアに向いているでしょう。

2:正社員になりたい人

客先常駐は派遣社員とは異なり、雇用形態が正社員です。エンジニアの転職は実力が重視されやすいですが、客先常駐であれば仕事の幅が広いことから、最低限のスキルさえあれば未経験でも採用される場合もあります。

そのため、未経験から社員エンジニアになりたいという人には向いています。ただし、企業によって社員以外の雇用形態を取ることもあるので、詳細は必ず確認しましょう。

3:経験とスキルを養いたい人

客先常駐のエンジニアはいろいろな企業で仕事をすることになります。

企業によって仕事環境が異なるため、客先常駐のエンジニアとして働くことで、幅広い経験を積みスキルを吸収できます。

客先常駐の仕事で自身を積極的にアピールしよう


フリーランスとして独立を目指すエンジニアは増えています。しかし、独立をすれば自分で仕事や情報を獲得していく必要があります。客先常駐のエンジニアとして仕事をしておけば、いろいろな経験やスキルを積み、人脈を広げられます。

独立後に案件を獲得するためにも、客先常駐として仕事をしながら、客先となる企業に対して積極的にアピールをして信頼を得ておくようにしましょう。

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