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C#のMutexとは?2つの種類と使用方法を理解しよう!

 
C#のMutexとは?2つの種類と使用方法を理解しよう!

SE
Mutexとは、どのようなものなのでしょうか?

PM
MUTual EXclusionの略で「相互排除」という意味です。この記事で、詳しくみていきましょう。

C#のMutexとは?


今回は、C#のMutexについてご紹介します。Mutexとは、MUTual EXclusionの略で「相互排除」という意味です。排他制御のための仕組みで、対象が「未使用(使用できる)」か「使用中(使用できない)」かを表すものです。

アプリケーションを1度に1つしか起動されたくない場合などに、Mutexを使用します。C#のMutexに興味のある方はぜひご覧ください。

Mutexの種類

C#のMutexには、「名前付きシステムMutex」と「名前のないローカルMutex」の2種類があります。

名前付きでMutexインスタンスを生成すると、オペレーティングシステム全体から参照でき、プロセス間で共有できるシステムMutexとなります。これはアプリケーションの多重起動を禁止するために使用します。

名前なしでMutexインスタンスを生成すると、プロセス内でのみ参照できるローカルMutexとなります。これはアプリケーション内で排他制御する場合に使用します。

以下でC#の「名前付きシステムMutex」と「名前のないローカルMutex」を紹介します。

名前付きMutex

C#の名前付きMutexを使用して、アプリケーションの多重起動を禁止できます。

実際のソースコードを見てみましょう。

ビルド結果が出力されるフォルダに出力されたexeファイルを起動してみましょう。Fromが表示されます。この状態で、さらにexeファイルを起動してみます。

そうすると、「すでに起動しています。2つ以上同時に起動できません。」というMessageBoxが表示されます。

このように、Mutexを使用して、アプリケーションの多重起動を禁止できます。

名前付きMutex(WaitOne)

名前付きMutexを使用した、もうひとつの方法を紹介します。
WaitOneメソッドを使用します。

実際のソースコードを見てみましょう。

WaitOneメソッドの書式は、「Mutex.WaitOne(待ち合わせ時間, bool)」です。

第1引数の待ち合わせは、何ミリ秒Mutexの所有権が付与させるのを待つかを指定します。”0″であれば全く待たないということです。

第2引数のbool値は、後で再び所有権を取得する場合はTrue、それ以外の場合はFalseに設定します。

名前なしMutex

C#の名前なしMutexインスタンスを生成すると、プロセス内でのみ排他制御できます。

実際のソースコードを見てみましょう。

実行結果は以下のようになります。
threadIDは環境によって異なります。

スレッドの処理が排他されていることが分かります。

Mutexの解放漏れ

C#に限らず、Mutexを解放しないと、リソースリークが発生します。
予期せぬ場所でアプリケーションが異常終了することもありますので、try-finallyで確実に解放するようにしましょう。

以下は、リソースリークが発生する悪い例です。

C#では、try-finallyで解放するのではなく、usingを使うのも良いでしょう。

SE
排他制御したり、多重起動を禁止したりできるのですね。

PM
アプリケーションを1度に1つしか起動されたくない場合などに、Mutexを使用します。興味深いですね。

C#のMutexを活用しよう!

C#のMutexには、「名前付きMutex」と「名前なしMutex」の2種類があり、その使い方についてご紹介しました。排他制御のために、ぜひMutexを活用してみてください。

ご自身でC#のソースコードを書いて、理解を深めてみてはいかがでしょうか。


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