APサーバ(アプリケーションサーバ)とは?特徴4つ|メリットと注意点を紹介
- システム
エンジニア - WebアプリケーションサーバとWebサーバは違うものなのですか。
- プロジェクト
マネージャー - 違います。Webアプリケーションサーバはリクエストに対してサーバ処理の部分を担うのに対てし、Webサーバは利用者からのリクエストを受け付ける部分を担当します。
APサーバ(アプリケーションサーバ)とは?
APサーバ(アプリケーションサーバ)は、Webアプリケーションを管理するためのソフトウェアです。
Webアプリケーションを構築するハードウェアではなく、Webアプリケーションに対するリクエストを処理する「ミドルウェア」と呼ばれるソフトウェアです。ミドルウェアはオペレーションシステム(OS)とアプリケーションソフトの間の層で処理を担うソフトウェアです。
Webサイトは3層構成の仕組み
Webサイトでは、利用者から要求される処理を3層のサーバで処理しています。Webサーバが受け取り、APサーバが実際の処理を行い、必要に応じてデータベースサーバに問い合わせます。
例えば検索処理では、「検索」というリクエストとキーワードをWebサーバが受け取り、APサーバが問い合わせ文を作成し、データベースサーバに問い合わせます。
Webサーバの役割
Webサーバは、利用者のリクエストを受け取り、利用者へレスポンスを返す役割を持ったサーバです。
利用者からのリクエストを受け取ると、APサーバに内容を伝え、処理が終わるとAPサーバから結果を受け取り、ブラウザに表示します。
APサーバの役割
APサーバは、利用者のリクエストを元に処理を行い、結果を返却する役割を持ったサーバです。
Webサーバから受け取ったリクエスト内容を用いて処理を実行し、DBサーバにデータを要求します。DBサーバから結果が返ってきたら、Webサーバ処理結果を伝えます。
DBサーバの役割
データベースは、広義ではデータが蓄積されているものすべてを意味し、住所録や図書目録などもデータベースに含まれます。
システムで扱うデータベースは、住所録のようなデータの塊を、郵便番号・住所・電話番号などの項目に分解し、後から利用しやすいように蓄積するソフトウェアです。
Webサーバとの違い
APサーバと似た用語に「Webサーバ」があります。APサーバがリクエストに対するサーバ処理の部分を担うのに対し、Webサーバは利用者からのリクエストを受け付ける部分を担当します。
利用者がWebで検索処理を行うときは、Webサーバが「検索」というリクエストを受け取り、APサーバに渡します。
APサーバ(アプリケーションサーバ)の特徴4つ
APサーバの役割をイメージできたでしょうか。サーバという名称ですが、ハードウェアではなくソフトウェアであることは必ず理解しておくべきポイントになります。
ここではAPサーバの特徴を4つ紹介します。
1:アプリケーションを実行する
Webアプリケーションの仕事はアプリケーション処理を実行することです。Webサーバはリクエストを受け取るだけなので、データを加工したり計算したりといった処理は行いません。
Webサイトの処理を担う部分は、APサーバが担い、JavaやPHPなどで実装したプログラムはAPサーバが制御します。
2:データベースにアクセスする
四則演算のように、プログラムだけで完結する処理については、APサーバだけで処理し、結果をWebサーバ経由で利用者に返します。
データの検索が必要になるような処理では、APサーバで問い合わせ文を生成し、データベースに問い合わせます。抽出されたデータを受け、APサーバで処理を続行します。
3:トランザクション制御機能
APサーバには、トランザクションを管理し、制御する機能が備わっています。
一度のアクセスで発生する処理を一連のものとして管理することで、処理に一貫性を持たせることができます。
4:業務の流れをビジネスロジックで制御
APサーバにおいては、業務的な処理を行う階層がビジネスロジックになります。
実際の業務と同じ流れで処理が行われるため、業務の流れに変更があった場合はビジネスロジックを修正するだけで対応可能です。
APサーバ(アプリケーションサーバ)のメリット4つ
APサーバの役割を理解できたでしょうか。APサーバはWebサイト構築の際に必要不可欠なソフトウェアともいえます。
ここでは、APサーバを導入するメリットを4つ紹介します。
1:導入が簡単
APサーバを使ったWebシステムの場合は、特別なクライアントを用意しなくても、普段使いのパソコンのブラウザ経由でシステムを利用できます。インターネット環境さえあれば、システムの導入が可能です。
端末として使うパソコンのリプレースを検討する際も、システムのことを考慮せずに入れ替えても、ブラウザ経由でシステムを使い続けられます。
2:メンテナンスが容易
APサーバを導入していれば、ハードウェアを入れ替える際にシステム構築をやり直さずに、継続してシステムを使うことも可能です。
APサーバを導入していれば、新しいハードウェアに交換後にAPサーバと各アプリケーションを再セットアップするだけで、すぐにシステムを再稼働できます。
3:効率の良い情報処理
従来のWebシステムでは、利用者からのリクエストと処理を同じサーバで実施しなければなりませんでした。アクセスが集中すると、リクエストの受付も処理も渋滞してしまいます。
APサーバを導入していれば、大量アクセスを想定してWebサーバと別のサーバでアプリケーションを動作させることもできます。負荷分散が図れるので効率よく処理を実行できます。
4:問題が起きても判断がはやい
Webサイトへのアクセス障害が発生した場合、APサーバを導入していれば、リクエスト受付部分に障害があるのか、実行処理部分に障害があるのかの切り分けがしやすいというメリットがあります。
リクエスト受付と実行処理、データの格納場所、それぞれが別の機能になっているので、障害切り分けも、障害特定後の復旧処理もすばやく行えます。
APサーバ(アプリケーションサーバ)の注意点
APサーバにはいくつかの種類がありますが、いずれも脆弱性を内包しており、完全に安全とは言い切れません。
ここでは、APサーバを導入するときや、導入後のメンテナンスとして、知っておくべき注意点を紹介します。
セキュリティ対策が必要
APサーバはインターネットに接続できる場所に構築されるので、インターネットセキュリティの対策が必要です。
APサーバの提供元から発信されるセキュリティ情報には必ず目を通し、ソフトウェアの更新が必要な場合は、できるかぎり早く対応できるよう計画します。
APサーバ(アプリケーションサーバ)で構成される主なプログラミング言語3選
ここでは、APサーバを利用したWebアプリケーション開発で使用されやすい3つの言語について紹介します。
それぞれ特徴が異なりますので、開発の目的や規模にあった言語を選択するといいでしょう。
1:PHP
PHPはWeb関係の開発に頻繁に使用されるスクリプト言語で、学習難易度の低さが特徴です。
プログラミングの初学者でも学びやすいというメリットがある反面、大規模なWebアプリケーション開発には向いていません。
2:Java
Javaは汎用性の高さが特徴のプログラミング言語です。
動作の安定性から大企業などの大規模なアプリケーション開発に使用されます。PHPと比較すると学習難易度は高いですが、インターネット上の情報が豊富にあるため、学習しやすい言語であるといえます。
3:Ruby
Rubyは、日本人が開発したスクリプト言語で、開発に便利なフレームワークが特徴の言語です。
学習難易度はPHPよりも高いですが、読みやすさが特徴の言語である点、日本語の解説情報が多いという点では学習しやすい言語となっています。
- システム
エンジニア - WebアプリケーションサーバはWebサイト構築のときに必要不可欠なソフトウェアなのですね。
- プロジェクト
マネージャー - 確かにその通りです。ただし、インターネットセキュリティの対策が必要であることを忘れてはいけません。その上で、Webアプリケーションサーバを活用し、Webシステムの運用効率化を図ってください。
APサーバ(アプリケーションサーバ)を活用しよう
APサーバを導入し、従来の2層構成のWebシステムから3層構成にかえることで、システムの保守や再構築が簡単になります。
リクエストを受け付けるWebサーバと、処理を実行するアプリケーション部を分離することで、インターネットのセキュリティ脅威も軽減されます。
APサーバを活用し、Webシステムの運用効率化を図りましょう。
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