Pythonにおけるコンストラクタ__init__の使い方|特徴も解説

- システム
エンジニア - コンストラクタという関数について、教えてください。
- プロジェクト
マネージャー - コンストラクタ関数とは、オブジェクトが扱う変数などの初期化を行います。実際のコードを見ながら理解を深めていきましょう。
Pythonにおける__init__の特徴
Pythonのコンストラクタである__init__の特徴は、クラス名を書くことで、コンストラクタを呼び出せることです。つまり、自動呼び出しされるということです。また、オブジェクトの生成と同時にデータを初期化することができます。
クラス名を書くだけでコンストラクタを呼び出せる
コンストラクタとは、インスタンスを生成する際に実行される関数です。インスタンスはクラス名を書くことで生成することができます。
実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# コンストラクタ
def __init__(self):
# do something
print('コンストラクタが呼び出されました。')
# クラス名を書く(インスタンス生成)
human = Human()
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実行結果は以下のようになります。
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コンストラクタが呼び出されました。
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このようにクラス名を書くだけでコンストラクタを呼び出すことができます。
オブジェクト生成と同時にデータ初期化を行える
コンストラクタを呼び出す際に引数を指定すれば、オブジェクト生成と同時にデータの初期化を行うことができます。
実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
# コンストラクタ
def __init__(self, name):
self.name = name
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}' . format(self.name))
# インスタンス生成
human1 = Human('taro')
human1.printinfo()
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実行結果は以下のようになります。
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name:taro
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Pythonでのコンストラクタ(__init__)の5つの使い方とは?
Pythonでのコンストラクタの5つの使い方について説明します。Pythonのコンストラクタを定義する場合は、「__init__」という名前で定義しなければなりません。引数は自由に指定可能ですが、コンストラクタのオーバーロードはできません。
Pythonでのコンストラクタの使い方に興味のある方はぜひご覧ください。
1:引数なしコンストラクタ
Pythonの引数なしコンストラクタの使い方を紹介します。selfはインスタンス自身を示します。
実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
age = None # 年齢
# コンストラクタ
def __init__(self):
# do something
print('コンストラクタが呼び出されました。')
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}, age:{1}' . format(self.name, self.age))
# インスタンス生成
human = Human()
human.name = 'taro'
human.age = 20
human.printinfo()
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実行結果は以下のようになります。
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コンストラクタが呼び出されました。
name:taro, age:20
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2:引数ありコンストラクタ
Pythonの引数ありコンストラクタの使い方を紹介します。
実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
age = None # 年齢
# コンストラクタ
def __init__(self, name, age):
self.name = name
self.age = age
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}, age:{1}' . format(self.name, self.age))
# インスタンス生成
human1 = Human('taro', 20)
human2 = Human('jiro', 40)
human1.printinfo()
human2.printinfo()
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実行結果は以下のようになります。
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name:taro, age:20
name:jiro, age:40
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引数省略時のデフォルト値をコンストラクタに指定することもできます。実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
age = None # 年齢
# コンストラクタ(引数省略時のデフォルト値指定)
def __init__(self, name='default name', age=0):
self.name = name
self.age = age
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}, age:{1}' . format(self.name, self.age))
# インスタンス生成
human1 = Human()
human2 = Human(name='jiro')
human3 = Human(age=40)
human1.printinfo()
human2.printinfo()
human3.printinfo()
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実行結果は以下のようになります。
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name:default name, age:0
name:jiro, age:0
name:default name, age:40
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引数を増やして初期値設定する方法
引数は以下のように増やすことができます。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
age = None # 年齢
gender = None # 性別
# コンストラクタ
def __init__(self, name, age, gender):
self.name = name
self.age = age
self.gender = gender
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}, age:{1}, gender:{2}' . format(self.name, self.age, self.gender))
# インスタンス生成
human1 = Human('taro', 20, 'male')
human2 = Human('jiro', 40, 'female')
human1.printinfo()
human2.printinfo()
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3:サブクラスのコンストラクタ
Pythonのサブクラスのコンストラクタの使い方を紹介します。
実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
age = None # 年齢
# コンストラクタ
def __init__(self, name, age):
self.name = name
self.age = age
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}, age:{1}' . format(self.name, self.age))
# クラス定義(Humanの継承)
class Student(Human):
student_no = None # 学生番号
# コンストラクタ
def __init__(self, name, age, student_no):
super().__init__(name, age)
self.student_no = student_no
# インスタンスメソッド
def printinfo(self):
print('name:{0}, age:{1}, student no:{2}' . format(self.name, self.age, self.student_no))
# インスタンス生成
human1 = Human('taro', 20)
human2 = Human('jiro', 40)
student1 = Student('ichiro', 30, 123456)
human1.printinfo()
human2.printinfo()
student1.printinfo()
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実行結果は以下のようになります。
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name:taro, age:20
name:jiro, age:40
name:ichiro, age:30, student no:123456
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「super().__init__」とすることで、サブクラスからスーパークラスのコンストラクタを使用できます。
4:オーバーロード
Pythonでは、以下のようにコンストラクタのオーバーロードはできません。
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def __init__(self):
print('コンストラクタが呼び出されました。')
def __init__(self, name, age):
self.name = name
self.age = age
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コンストラクタのオーバーロードを実現したい場合の解決策を紹介します。コンストラクタの引数有無で挙動を変えればよいです。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
# コンストラクタ
def __init__(self, name=None):
print('共通の初期化処理')
if name is None:
print('name==Noneの場合の初期化処理')
else:
print('name!=Noneの場合の初期化処理')
# インスタンス生成
human1 = Human('taro')
human2 = Human()
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実行結果は以下のようになります。
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共通の初期化処理
name!=Noneの場合の初期化処理
共通の初期化処理
name==Noneの場合の初期化処理
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5:コンストラクタから関数呼び出し
Pythonでコンストラクタから関数を呼び出したい場合はどのようにすればよいでしょうか。以下のように記述すると、実行時エラーになります。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
# コンストラクタ
def __init__(self, name):
self.name = name
some_func()
def some_func():
print('some_func called')
# インスタンス生成
human1 = Human('taro')
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実行結果は以下のようになります。
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Traceback (most recent call last):
File "Main.py", line 15, in
human1 = Human('taro')
File "Main.py", line 9, in __init__
some_func()
NameError: name 'some_func' is not defined
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コンストラクタから関数を呼び出す場合は、selfキーワードを使用します。実際のソースコードを見てみましょう。
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# クラス定義
class Human:
# インスタンス変数
name = None # 名前
# コンストラクタ
def __init__(self, name):
self.name = name
self.some_func()
def some_func(self):
print('some_func called')
# インスタンス生成
human1 = Human('taro')
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実行結果は以下のようになります。
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some_func called
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__init__を記述するときの注意点
__init__を記述するときは、第一引数に必ずselfを記入しましょう。これはコンストラクタに限らず、Pythonのインスタンスメソッド全てに言えることです。selfを記入しない場合、エラーが発生してしまいます。
- システム
エンジニア - 実際のオードを見てみると、特殊メソッドにあたるのでしょうか?
- プロジェクト
マネージャー - そうです。オブジェクト生成をしつつデータの初期化を行うという点では特殊だと言えますね。
__init__の使い方を覚えよう
いかがでしたでしょうか。Pythonでのコンストラクタの使い方について説明しました。引数の指定方法やサブクラスのコンストラクタの使い方について紹介しました。また、コンストラクタのオーバーロードやコンストラクタからの関数呼び出しについても紹介しました。
ぜひご自身でPythonのソースコードを書いて、理解を深めてください。
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