C#でDataTableからデータを抽出。LINQが高速でおすすめ!
C#のアプリケーション開発で、データベースから取得したデータや、更新するためのデータをメモリ上に一時的に保管しておく際によく利用されるのが、DataTableです。そしてDataTableから、より高速にデータを取得するにはLINQ(統合言語クエリ)と併用することも多いでしょう。ここでは、LINQを駆使したDataTableの扱い方について確認していきます。
- プログラマー
- DataTableでもLINQって使えるのですね。やっぱりLINQを使ってプログラミングは行うべきでしょうか。
- プロジェクト
マネージャー - そうですね。何よりLINQは処理速度が高速です。ユーザーにとって処理速度が遅いのは、ストレスがたまる一因となりますので、処理速度は重視するべき点だといえます。
実行環境
・Visual Studio Community 2017
DataSetクラスとDataTableクラス
DataTableの基本的な事柄から解説していきます。
まずDataSetクラスとは、メモリにデータベースを構成するクラスのことを指します。
一般的にひとつのデータベースの中には複数のテーブルが存在しているかと思います。DataSetクラス(データベース)では、データベースと同じように複数のテーブルを持つことが可能です。このDataSetクラス内にある複数のテーブルがDataTableクラスとなります。
DataTableクラス(テーブル)の中にはさらに、DataColumnクラス(列・カラム)があり、DataRowクラス(行・レコード)がそれぞれ存在してきます。これらのクラスは、C#サイドでDataTableを活用してデータを扱うにはひとつとして欠かすことができないクラス群です。
LINQのWhereで抽出する方法
DataTableとLINQは併用できないと思われている方も多いと思いますが、実はLINQを駆使してDataTableからデータを取得することは可能です。その際にキーワードとなるのが「AsEnumerable()」です。これがなければDataTableからLINQを使って抽出することはできません。
LINQを使うメリットは、従来のDataTable.Select()メソッドより格段に処理速度が上がることです。デメリットを挙げるとするならば、LINQの知識が必要となるため、C#初学者の方には少しハードルが高くなる点でしょう。
次に、LINQのWhereを利用してデータを抽出するサンプルコードを確認します。
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|
using System;
using System.Data;
using System.Linq;
using System.Windows.Forms;
using System.Diagnostics;
namespace WindowsFormsApp28
{
public partial class Form1 : Form
{
public Form1()
{
InitializeComponent();
}
private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
{
DataSet ds = new DataSet();
DataTable dt = new DataTable("Table0");
Stopwatch sw = new Stopwatch();
// 列の追加
dt.Columns.Add("No", typeof(int));
dt.Columns.Add("ランダム文字列", typeof(string));
// DataSetにDataTableを追加
ds.Tables.Add(dt);
// 100万件データのサンプル
for (int i = 0; i < 10000000; i++)
{
// ランダムな文字を生成します
string s = Guid.NewGuid().ToString("N").Substring(0, 8);
dt.Rows.Add(new object[] { i, s });
}
sw.Start();
DataRow[] rowSearch = dt.AsEnumerable().Where(row => 100000 < row.Field<int>(0) && row.Field<int>(0) <= 900000).ToArray();
sw.Stop();
label1.Text = String.Concat("処理時間", ":", sw.Elapsed.ToString());
}
}
}
|
ボタン押下でラベルに処理時間が反映されます。
実行前
実行後
Selectメソッドを使う方法
以前からC#またはVB.NETに携わっている方でしたら、DataTable.Select()メソッドを利用してデータを取得することもあります。
LINQに比べてコーディングが簡単というメリットがある一方、処理速度が遅いというデメリットがあります。データ件数が10件、100件程度であれば時間差はそれほどないですが、例えば100万件のデータを一度で扱うとなると、かなりの差異が発生します。
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using System;
using System.Data;
using System.Linq;
using System.Windows.Forms;
using System.Diagnostics;
namespace WindowsFormsApp28
{
public partial class Form1 : Form
{
public Form1()
{
InitializeComponent();
}
private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
{
DataSet ds = new DataSet();
DataTable dt = new DataTable("Table0");
Stopwatch sw = new Stopwatch();
// 列の追加
dt.Columns.Add("No", typeof(int));
dt.Columns.Add("ランダム文字列", typeof(string));
// DataSetにDataTableを追加
ds.Tables.Add(dt);
// 100万件データのサンプル
for (int i = 0; i < 10000000; i++)
{
// ランダムな文字を生成します
string s = Guid.NewGuid().ToString("N").Substring(0, 8);
dt.Rows.Add(new object[] { i, s });
}
sw.Start();
DataRow[] rowSearch = dt.Select("100000 < [No] AND [No] <= 900000 ");
sw.Stop();
label1.Text = String.Concat("処理時間", ":", sw.Elapsed.ToString());
}
}
}
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実行後
処理時間の比較
LINQ使用 | 00:00:01.2172834 |
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DataTable.Select()メソッド使用 | 00:00:12.6796385 |
処理時間に差異があるのがお分かりいただけたかと思います。その差は約10倍程度の開きがあります。こうしたからLINQを使ってコーディングすることをおすすめします。
- プログラマー
- 処理速度が全然違いますね。これはLINQを使うべきでした!もっとLINQの勉強に励みます。
- プロジェクト
マネージャー - LINQは積極的に使うべき命令のひとつです!新人の頃はプログラミングを行うだけでも精一杯だと思いますが、処理速度まで考慮できて一流のプログラマーです。DataTableを使ってプログラミングを行う際には、LINQと併用して活用していきましょう。
DataTableにはLINQを活用しましょう
C#で開発するアプリケーションのデータアクセス技術は現在、Entity Frameworkがどちらかというと主流です。しかし、既存のプログラムではDataTableの活用例が多いかと思います。ユーザーからレスポンス改善依頼が挙がった場合には、DataTable.Select()メソッドからLINQに切り替える修正を行い、処理速度をより高速にして対応していきましょう。
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