OSの種類にはどんなものがある?WindowsとmacOS以外のOS例7つ

この記事でわかること
OSの種類にはどんなものがあるのか調べてみよう
最近では「スマホ」や「タブレット」のように携帯して持てるデバイスが多く出回ってきました。
普段はあまり意識しないと思いますが、マウスやキーボードの操作やディスプレイへの表示、アプリケーションからカメラなどを操作する際には、それぞれのデバイスにインストールされているOSが大きな役割を担っています。
現在、ベンダーや使用目的によってOSといっても多くの種類が存在しています。ここでは、OSの役割やどのような種類があるかをまとめました。
OSとは
OSとは「オペレーティングシステム」の略で、ユーザーとコンピューターハードウェアの間で動作してハードウェアをユーザーに意識させずに効率よくコンピューターを動作させるための基本ソフトウェアです。
ここからは、OSとは何かといった基本的な内容から具体的な役割について紹介していきますので、1つずつ理解していきましょう。
ハードウェアを管理
OSは、コンピューターに搭載されているCPUやメモリ、ハードディスクやSSDなどの記憶デバイス、ディスプレイやキーボードなどの入出力デバイスを適切に管理する機能を提供します。
コンピューターによって搭載されているハードウェアの種類が異なっていても、OSがハードウェアを管理することによってユーザーやアプリケーションはハードウェアの種類や違いを意識する必要なく使用することが可能となります。
入出力の判別
OSはアプリケーションやデバイスに対しての入出力情報を判別し、適切なデバイスやアプリケーションに引き渡して使用できるようになります。
例として、どのアプリケーションがキーボードやマウスのクリックを待っているか、起動するアプリケーションを画面のどこに表示するのか、カメラなどの入力デバイスからの情報をアプリケーションに渡すといった処理を管理しています。
外部の機器からの入出力をサポート
OSは、キーボードやマウス、カメラ、タッチペンなどの入力デバイスやプリンターやディスプレイ、プロジェクターといった出力デバイスなど、外部接続された機器の種類を認識し、適切なデバイスドライバーをロードして有効化します。
有効化されたデバイスからの入力情報やアプリケーションからの出力情報を、正しいデバイスに渡し、効率的に処理する機能をサポートします。
メモリの管理
OSはコンピューターに搭載されているメモリの使用を管理しています。メモリは記憶装置ですが、ハードディスクなどと比較して価格が高いため、コンピューターに搭載されるサイズは少なくなります。
メモリはOS自身が動作するためのプログラムを展開したり、アプリケーション実行時にもメモリ上に展開しますので、効率よく利用しなければ枯渇してしまいますが、OSが適切に管理することで限られたメモリを効率よく使用できます。
ハードウェアに指令を出す
OSは、コンピューターに接続された複数のデバイスを管理、制御しており、アプリケーションからの要求(依頼)を受けると各種ハードウェアに指令を出して要求を実現するための処理を行います。
例として、ディスプレイへの画面出力、プリンターへの印刷、スキャナーでの画像読み込みといった必要な処理をハードウェアに対して指示します。
データファイルの管理
OS自身のプログラムやアプリケーションプログラム、ユーザーが作成したファイルなどの各種データファイルは、ハードディスクなどの補助記憶デバイス上に保存されますが、これはOSがもつファイルシステム機能を利用して管理しています。
ファイルシステムは、補助記憶デバイスの種類を問わず、デバイス上の領域を論理的に区分けして読み出しや書き込みを制御しており、階層構造として表示することでユーザーがデータを管理しやすくなります。
ファイルシステムには複数種類があり、OSごとに使用できるファイルシステムは異なります。
アプリケーションの円滑な操作を可能にする
OSはGUI(Graphical User Interface)を提供し、アプリケーションに対して直感的な操作が可能となるような機能を提供します。
また、API(Application Programming Interface)も機能の種類に応じて複数用意されており、OSが持つ機能や認識しているデバイスをアプリケーションが簡単に使用できるような機能を提供します。
さらに、マルチタスク機能を使用して複数のアプリケーション使用時に適切にリソースを振り分けることで、各アプリケーションの円滑な動作を実現しています。
OSの種類
一般的なユーザーに使用されるOSの種類は複数存在しますが、その中でマイクロソフト社が提供する「Windows」とアップル社が提供する「macOS」の2つが圧倒的なシェアを占めています。
2021年2月の調査では、デスクトップOSのシェアはWindowsとmacOSの2つのOSで91%との報告があります。
2020年3月時点での最新バージョンはそれぞれWindows10 20H2、macOS 11(Big Sur)です。その他OSの種類としてはエンタープライズ向けのLinuxやOracle社が提供しているSolarisなどのUNIX系OS、モバイルデバイス向けのiSO、Androidなどがあります。
出典:statcounter
参照:https://gs.statcounter.com/os-market-share/desktop/worldwide
Windowsの特徴
Windowsは、マイクロソフト社が開発・提供しているOSです。マイクロソフトは、古くはMS-DOSというコマンドラインベースのOSを提供していましたが、それにかわるOSとしてWindowsが開発されました。
当初は機能不足などの理由によりあまり使用されませんでしたが、Windows95でわかりやすくなったGUI(Graphical User Interface)とインターネット接続機能を実装したことにより、一般ユーザーにも広く知られ一気にシェアを獲得しました。
Windowsの特徴としては、直感的な操作が可能なGUIを搭載しており、エンタープライズ向けのサーバーOSでもGUIを使用することができます。また、サーバーOSにはActive Directoryといった企業で非常によく使用されている機能など、豊富な機能が実装されています。
さらに、クライアントOSとサーバーOSそれぞれで、用途に合わせて複数種類のエディションが用意されています。
2021年3月時点での最新バージョンは、一般ユーザー向けのクライアントOSであるWindows10と、エンタープライズ向けのサーバーOSであるWindowsServer2019を提供しています。
Windowsのメリットとデメリット
Windowsを使用するメリットとしては、多くのユーザーが使用している点で、その影響で対応デバイスやアプリケーションなども非常に充実していることが挙げられます。
複数のベンダーからWindowsを搭載したコンピューターが販売されているため、ハードウェアの選択肢が幅広い点もメリットです。基本的に過去のOSとの互換性が保たれていることも特徴に上げられます。
また、Window10からは「Waas(Windows as a Service)」という考え方で、無償で機能追加などのアップデートが使用できるようになりました。
デメリットとしては、ユーザーが多いことでウィルスやマルウェアなどのターゲットになりやすいOSとなっています。
この影響で、安心して使用するためには毎月提供される修正パッチの適用やアンチウィルスソフトなどのセキュリティ対策が必須となり、管理作業が増加する点が挙げられます。
また、OSとして複数種類のエディションが用意されているため、どのエディションを使用すべきか迷うケースが出てくる可能性があります。
その他、現時点では他のOSとの互換性は高くありませんが、近年ではWindows上でLinuxを動作させることが可能となったり(WSLなど)と、改善されつつあります。
macOSの特徴
macOSはアップル社が開発、提供しているOSです。アップル社が製造、販売しているMacintoshハードウェア上でのみ動作し、UNUXOSとして登録されて安定性も高く、美しく洗練されたGUIが特徴です。
デスクトップ用としては1種類しか提供されておらず、最新バージョンはmacOS 11(Big Sur)で、GUIが他のアップル社製デバイス上で動作するiOSとデザインがより近く、使いやすくなっています。
なお、今まではIntel社プロセッサー上で動作するOSでしたが、今後は自社開発のアップル社製CPUである「Apple Silicon(M1)」プロセッサーに移行していくことが決定しています。
macOSのメリットとデメリット
macOSは標準で多くの種類、かつ非常に高機能のソフトウェアがインストールされており、購入後目的に応じた作業をすぐ開始することができます。
例として、動画編集ソフトである「iMovie」、音楽編集ソフトの「GarageBand」、Microsoft Office と互換性がある「Numbers」、「Keynote」、「Pages」などがあり、開発環境としても最初からPythonなど複数種類の言語が標準で使用できるようになっています。
また、前述の通りUNIXOSであるため、UNIX系のコマンドやシェルがそのまま動作するケースも多く他のUnix系OSとの互換性があります。さらに、macOSは現在無償で提供されるようになり、AppStoreからダウンロードできるようになっています。
デメリットとしては、Windowsと比較した場合に使用できるサードパーティ製アプリケーションが少ないことが挙げられます。また、購入時に選択できるハードウェアの種類が少ないこともデメリットと考えられる可能性もあります。
WindowsとmacOS以外のOS例7つ
ここまではOSのシェアが高いWindowsとmacOSについて説明してきましたが、ここからはLinuxやUnixなどの他OSの種類やモバイルデバイス向けOSの種類についても説明していきます。
他OSの種類や用途や目的、特徴を知り、それぞれの使い方や使い分けを簡単に理解しておくとエンジニアとしての幅を広げられるでしょう。
1:Linux
Linuxは、オープンソースのLinuxカーネルを使用して実装されたUnix系のOSで、だれもが自由に無償で入手して使用、変更することができます。Linuxとして多くの種類が提供されており、無償版だけではなくRedhat社からは有償版も提供されています。
使用されている場所は多岐にわたり、個人向けのコンピューターや携帯電話、IoTデバイスなどの小型機器からエンタープライズ向けサーバーやスーパーコンピューターなどで使用されています。
アプリケーションのインストールもインターネットに接続されていればパッケージ管理システム(rpmやdpkg、dnfなど)を使用することで簡単に導入ができるようになっています。
2:Unix
Unixは1960年代にAT&Tのベル研究所で開発されたマルチユーザー、マルチタスク型のOSです。
操作は基本的にCUI(character user interface)で行い、複数のユーザーで使用することを前提にしているものの余計な機能が少ないため、動作が軽くシステムの安定性が高いとされています。
現在も複数の種類のUNIXが開発されており、はIBM社のAIX、HP社のHP-UX、Oracle社のSolarisなどがあります(前述のmacOSもUNIXOSとして登録されています)。
3:BSD
BSDは1977年から1995年にかけて、カリフォルニア大学バークレー校がUNIXを改良して開発、提供されたOSです。Linuxと同じくUnix系OSの位置づけで、使用感もほぼ変わりませんが内部構造は全く別のOSです。
現在はカリフォルニア大学での開発は終了していますが、オープンソースとしての開発は続けられており、派生OSとして複数の種類で開発が継続されており、FreeBSDやOpenBSD、NetBSDなどがフリーで提供されています。
4:Chrome OS
Chrome OSは、google社がLinuxをベースに開発、提供しているOSです。GUIを搭載しており、主にChromeブラウザを使用してのインターネット接続や、Webアプリケーションの使用を前提としています。
ChromeOSはgoogleアカウントでログインすることで使用することが可能となり、ChromeOS上にログイン用のアカウントを作成する必要がありません。セキュリティ機能も充実しており、アプリケーションのサンドボックス化や組み込みのウィルス対策機能で保護しています。
現状でChromeOSのみでの提供は行われておらず、プリインストールされたハードウェアを購入する必要があります。2021年3月時点の最新バージョンは、Chrome OS 88です。
5:iOS
iOSはアップル社が開発、提供しているiPhoneやiPod Touch、一部のiPadなどで動作するモバイルデバイス向けのOSです。
macOSをベースに開発されており、アップル社製デバイス上でのみ動作することが可能で、他のアップル社製品(Macintoshなど)と互換性が高くなっています。派生OSとして、iPad向けのiPadOSやAppleWatch向けのwatchOS、Apple TV向けのtvOSがあります。
当初アップデートは有償でしたが、現在は無償でアップデートが配布されるようになりました。アップル社としてはアップル製品を安全に使用するためには常に最新の状態にしておくことを推奨しています。2021年3月時点の最新バージョンは14.4です。
6:iPadOS
iPadOSは、アップル社が開発、提供しているデバイスであるiPad上で動作するタブレットデバイス向けのOSです。
もともとiPadでも上記iOSが動作していましたが、iPadが持つ機能を最大限に発揮するために開発されました。具体的にはマルチタスクの強化や複数種類のアプリケーションを同時表示する機能、同じアプリケーションを複数同時に起動が可能となっています。
また、iOSと同様に無償でアップデートが配布されています。
7:Android
Androidとは、google社がLinuxやオープンソースソフトウェアをベースに開発、提供しているスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイス向けのOSです。
多くのベンダーがAndroid搭載のモバイルデバイスを出荷しており、モバイルデバイス向けのOSとしては2021年2月時点で全世界でのシェアは約71%に達しています。(日本では逆で、iOSのシェアが約65%、Androidのシェアは34%となっています)
アップル社が提供しているiOSとは異なり、各ベンダーにおいてのカスタマイズが許可されており、ベンダーごとに異なるUIが存在します。
出典:statcounter
参照:https://gs.statcounter.com/os-market-share/mobile/worldwide
パソコンのOS確認方法
今使用しているパソコンで動作しているOSの種類とバージョンを確認することが可能です。普段から使用しているOSのバージョンを把握しておくことで、OSでできることやセキュリティ面で対処しなければならないことを事前に知ることができます。
ここではWindowsとmacOSそれぞれのOSを確認する方法をご紹介します。
Windowsの確認方法
Windows搭載コンピューターでは、「ファイル名を指定して実行」に「winver」を入力することで、Windowsのバージョン情報が表示されてOSの種類と詳細なビルド番号の確認が可能です。
また、64bit、32bitといったバージョンを確認する方法はOSのバージョンによって少し異なり、Windows10とWindows 8.1ではスタートボタンから設定を選択し、「システム」から「バージョン情報」を選択して表示される「システムの種類」で確認できます。
Windows7の場合はスタートボタンから「コンピューター」を右クリックしてプロパティを選択し、「システム」からシステムの種類で確認できます。
macOSの確認方法
macOSではデスクトップの左上にある「アップルメニュー」から「このMacについて」の「概要」を選択することで、現在使用しているmacOSの種類と詳細なバージョン情報の確認が可能です。
なお、Windowsとは異なり現在のmacOSは32ビット版が存在しておりません。
OSの種類や特徴を詳しく知り使用目的に合ったものを選ぼう
ここまでWindowsとmacOSをはじめとしたOSの種類や特徴をまとめました。それぞれのOSの特徴を把握し、使用目的に合ったOSの種類を選ぶことで、より効率的で安全にコンピューターを使用することができますので、より理解を深めていきましょう。
また、複数種類のOSを理解することで、エンジニアとして活躍できる可能性も広がります。

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