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AWSのElastic IPアドレスの料金体系について解説!Elastic IP アドレスとは?
目次
AWSのElastic IP アドレスとは?
Elastic IP アドレスとは何かご存知でしょうか。そこでまずはElastic IP アドレスの基本について説明します。
Elastic IP アドレスとはAWSが提供するIPアドレスであり、EC2インスタンスにアタッチするための静的なIPアドレスとなります。
Elastic IP アドレスを利用しないと、EC2インスタンスで固定IPを利用することができません。AWSを使ってサイト構築をする場合、ほぼ必須といっても過言ではないサービスです。
EC2インスタンスはパブリックなサブネットで、パブリックIPアドレスを保持することができますが、パブリックIPアドレスはインスタンスが再起動すると変わってしまいます。
したがって、EC2インスタンスでウェブサイトを構築し、インスタンスのIPアドレスにDNSで名前解決したい場合、Elastic IP アドレスをアタッチする必要があります。
Elastic IP アドレスの取得方法
Elastic IP アドレスを使うには、まずAWSのコンソール上からElastic IP アドレスを取得する必要があります。AWS側が多数保持しているグローバルIPアドレスの中から、AWSアカウントが専有できるIPアドレスを指定します。
このことを、アカウントにElastic IP アドレスをプロビジョニングする、と言います。
では、具体的なプロビジョニングの方法を確認しましょう。
Elastic IP アドレスをプロビジョニングするには、まずAmazon EC2コンソールを開きます。その後、左横のナビゲーションから[Elastic IP]を選択します。遷移後の画面で、[Allocate Elastic IP address]を選択します。
スコープの選択がありますが、[VPC]を選択します。(VPCのEC2を利用している前提で話を進めます。)
[パブリック IPv4 アドレスプール]にて、Amazon’s pool of IP addresses(※)を選択してください。すると、IPアドレスの一覧が表示されるかと思います。これらが、AWS側が保持しているグローバルIPです。自分が利用したいIPアドレスを選択し、[Allocate]を押します。これで無事、Elastic IP アドレスがあなたのアカウントにプロビジョニングされました。プロビジョニングされたIPアドレスを利用しなくなった場合は、「IPアドレスの開放」を行うことができます。
基本的に、利用しないIPアドレスは開放するようにしましょう。
※Amazon’s pool of IP addressesを選択しない場合は、My pool of public IPv4 addressesを選択することになります。これは、自身がAWS以外の手段でIPアドレスを確保している場合に選択するものになります。本記事ではAmazon’s pool of IP addressesを選択したものとして解説します。
Elastic IP アドレスをインスタンスにアタッチする
この状態では、まだEC2インスタンスとの関連はありません。別途EC2にElastic IP アドレスをアタッチする作業が必要です。
EC2のコンソール画面でElastic IP アドレスを任意のインスタンスにアタッチすることで、初めて効力を発揮します。
このセクションでは、その方法を確認しましょう。
まず、Amazon EC2のコンソールを開き、EC2のインスタンス一覧画面を移動します。Elastic IP アドレスにアタッチしたいインスタンスを選択し、上部の[アクション]のタブを開きます。
ここで、[アドレスの関連付け]を選択します。遷移後の画面で、先程取得したElastic IP アドレスを選択してください。これで、指定のEC2インスタンスにElastic IP アドレスが付与されました。
Elastic IP アドレスが課金される条件
Elastic IP アドレスは、ある特定の条件を満たした場合にのみ課金されます。つまり、条件を満たしていなければ課金されない、ということです。
かつては、Elastic IP アドレスをプロビジョニングしていただけで問答無用で課金の対象となっていましたが、最近は無料で利用できる条件が増えました。
課金される条件は以下の3点です。
- Elastic IP アドレスがEC2インスタンスにアタッチされていない
- Elastic IP アドレスがアタッチされているインスタンスが停止している
- EC2インスタンスに複数のElastic IP アドレスがアタッチされている
EC2インスタンスにアタッチされていない
Elastic IPアドレスを使用するには、まずElastic IP アドレスを取得する必要があります。取得した直後の状態では、Elastic IP アドレスはアタッチされていない状態です。
取得されたElastic IP アドレスは、EC2インスタンスに紐付けをすることで初めて効力を発揮します。実は、Elastic IP アドレスが実行中のEC2インスタンスに紐付いている場合、Elastic IP アドレスに関する料金は発生しません。
つまりElastic IP アドレスは、アタッチされていない場合に課金されます。不使用で料金が発生するため、勘違いしやすいのです。取得しているのにも関わらず、どのインスタンスにもアタッチしていないと料金が発生しますので注意しましょう。
Elastic IP アドレスは、「取得したらすぐにインスタンスにアタッチする」ことが大切です。
アタッチされているインスタンスが停止している
Elastic IP アドレスは、EC2インスタンスにアタッチしないと料金が発生することを説明しました。しかし、アタッチしているからと言って、必ずしも料金が発生しないとは限りません。Elastic IP アドレスがアタッチされたインスタンスは、実行中である必要があります。
停止中のインスタンスにElastic IP アドレスをアタッチしたとしても、インスタンスが動作していなければ意味がありません。AWS側としては、作成されたElastic IP アドレスを積極的に使ってもらいたいので、このような仕様になっています。
複数のElastic IP アドレスがアタッチされている
上記の1, 2の両方の条件を満たしていても、料金が発生するパターンがあります。それは、複数のElastic IP アドレスがEC2インスタンスにアタッチされている場合です。
実は、1つのEC2インスタンスに複数のElastic IP アドレスをアタッチすることができます。複数のElastic IP アドレスがあることで、1つのEC2インスタンスで複数のSSL証明書を用いた運用が可能になるのです。
正確には、EC2インスタンスのENI(Elastic Network Interface)に対し、Elastic IP アドレスをアタッチすることができます。複数のElastic IP アドレスを1つのインスタンスにアタッチする場合、ENIを作成し、ENIにアタッチする必要がありますので注意してください。
このように、複数のElastic IP アドレスを1つのインスタンスで利用する場合は、課金の対象となります。
注意してほしいのは、最初に付与された1つのElastic IP アドレスに関しては、課金の対象にならない点です。あくまでAWS側が請求するのは、2番目以降にアタッチされたElastic IP アドレスの分だけです。
Elastic IPアドレスの料金体系
料金体系は非常にシンプルで、条件を満たしたElastic IP アドレスに対し1時間単位での少額の従量課金になります。
AWSでは、頻繁に料金体型の改定がされています。最新の料金を知りたい場合は、公式サイトを参照してください。
Elastic IPアドレスを有効活用しましょう
課金される条件を見てきましたが、稼働しているEC2インスタンスにアタッチするような一般的な利用に関しては、料金が発生しません。
・アタッチされていないElastic IP アドレスは、すぐに開放する
・停止しているEC2インスタンスのElastic IP アドレスは、デタッチする
といったことに気をつけていれば、基本的には料金はかかりません。
ぜひElastic IP アドレスを有効に利用しましょう。
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