AWSのメールサービスとは?利点及び導入方法について紹介します!

この記事でわかること
AWSのメールサービスとは?
AWS上で利用できるメールの送受信サービスには、「Amazon Simple Email Service(SES)」と「Amazon WorkMail」があります。
AWSの「Amazon EC2」インスタンス上に、「Mail Transfer Agent(MTA)」システムを構築することでメールを配信する方法もありますが、上記のAWSのメールサービスを利用することが推奨されています。
これらのサービスの概要と利用方法について解説してきます。
AWSのメールサービス1:「Amazon SES」概要
「Amazon SES」とは、AWSから提供されているクラウドベースのメール送受信サービスです。
SESのコンソール画面で設定することで、マーケティング用メール、通知メール、大量配信メール等の様々なメール送信のユースケースをサポートしています。
受信したメールのデータは、「Amazon S3」に永続的に保存することが可能です。
「AWS Lambda」を活用することで、メールを受信した際に特定のアクションを発生させることができます。また、特定のキーワードを含むメールを受信した際に、「Amazon SNS」を使用して通知を配信することもできます。
「Amazon SES」の利点
「Amazon SES」の利点として、迅速なメール送信設定、メールの効果測定やメール受信率の向上、安全なメール送信環境です。
「Amazon SES」コンソール画面から、数分程度の簡易な操作だけで送信設定を完了できます。
メールの配信やバウンス(返却メール)の結果を統計化することで、メールの効果測定が可能となっており、メール受信率の向上に役立てられます。
「Amazon SES認証オプション」として「Sender Policy Framework(SPF)」や「DomainKeys Identified Mail(DKIM)」等をサポートしており、メールの送信権限があるかを確認しながら安全なメール送信環境を用意しています。
「Amazon SES」のユースケース
「Amazon SES」のユースケースとは、トランザクション(取引)メール、マーケティングコミュニケーションメール、各種通知、メール受信と受信時のアクションです。
トランザクション(取引)メールとしては、ECサイトでの購入時の確認、出荷通知、注文や配送状況の連絡、ポリシー変更通知等があります。
マーケティングコミュニケーションメールとしては、広告、特典情報、ニュースレター、メールマガジン、おすすめ製品の連絡等があります。
各種通知としては、システムのメンテナンス連絡、アプリケーションのエラー通知、ワークフロー更新連絡等があります。
メール受信と受信時のアクションとしては、受信したメールに特定のエラーコードが含まれる場合には「Amazon SNS」で関連部署に通知を行うといったケースがあります。
「Amazon SES」のメール送信方法の概要
「Amazon SES」のメール送信方法は、「Amazon SESコンソール画面」からの送信、APIを用いた送信、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)インターフェースによる送信の3種類の方法があります。
各メール送信方法について解説していきます。
「Amazon SES」のメール送信方法1:「Amazon SES コンソール」からの送信
「Amazon SESコンソール」画面から送信する方法は、必要な事前準備が少なく、他の用法よりも迅速にメールを送信できます。
ただし、画面から手動でメール送信情報の入力が必要なため、テスト用のメール送信に使用するのが一般的です。
メール送信後の配信結果(メール送信数、バウンスメール数等)を監視するためにも、コンソール画面を使用します。
「Amazon SES」のメール送信方法2:「Amazon SES API」の利用
「Amazon SES API」をHTTPS経由で直接コールして、メールを送信することも可能です。
「AWS SDK」の開発キッド、「AWS Command Line Interface」、「AWS Tools for Windows PowerShell」等のコマンドラインインターフェースを利用して送信することもできます。
なお「AWS SDK」は、「Amazon SES」のメール送信業務だけではなく、基本的なAWS機能 (アプリケーション等のエラー処理、APIリクエストの再試行や認証等)も提供しているため、メールに関連した複雑な業務と組み合わせて利用することが可能です。
「Amazon SES」のメール送信方法3:SMTP対応ソフトウェアの利用
SMTPに対応したソフトウェアを利用してメールを送信することもできます。
このメール送信には、SMTP対応ソフトウェアでメール送信を設定する方法と、Java等のアプリケーションを開発して「Amazon SES SMTPインターフェース」にアクセスする方法の2種類があります。
注意点として、SMTPに関する認証情報は、AWSの認証情報とは異なるため、利用するソフトウェアに応じて設定することが必要です。
「Amazon SES」利用時の注意点
「Amazon SES」利用時の注意点として、メール送信先リストの適切な運用管理が必要です。
バウンスメールや苦情連絡等を適切に処理していないと、国内モバイルキャリア等によるメール送信の抑制や停⽌といった措置が取られる可能性があるでしょう。
またスパムメールとAI等で判定されるメールを定期的に配信していると、同じく送信停⽌等の措置が取られる場合があります。
特に、国内モバイルキャリア等の迷惑メールフィルタと相性が悪い場合は、フィルタに掛かりやすくなりバウンスメールが頻繁に返却される問題もあります。
また「Amazon SES」の「Suppression List(メール送信抑制リスト)」に、送信先アドレスが登録される場合もあり、「ホワイトリスト(安全な送信先登録リスト)」に登録されたドメインからもメールが送信できなくなる可能性があるでしょう。
AWSのメールサービス「Amazon WorkMail」とは?
「Amazon WorkMail」とは、企業向けメール及びカレンダーに関する統合的なマネージド型サービスです。
既存のPC用やモバイル用の「メールクライアント(Outlook等)」ソフトウェア製品に対応しています。
「Amazon WorkMail」の概要と利点について解説していきます。
「Amazon WorkMail」の概要
「Amazon WorkMail」の概要として、「フルマネージド型サービス」、「Active Directoryとの統合」、「Outlookとの互換性」があります。
「フルマネージド型サービス」として、メールやカレンダーの利用環境が提供されています。そのため、オンプレミスでのメールサーバのシステム管理業務や、各種ミドルウェアのライセンス費用が不要です。
「Microsoft Active Directory」と安全に連携しているため、利用ユーザーは既存の認証情報を利用してメールボックスにアクセス可能です。
つまりユーザー側で利用しているソフトウェアを変更せずに、メールやカレンダーのAWSサービスを安全に利用できます。
WindowsとmacOS Xの「Microsoft Outlook」をサポートしているので、現在利用中のメールクライアントを変更せずに利用できます。
「Amazon WorkMail」の利点
「Amazon WorkMail」の利点として、「エンタープライズグレードのセキュリティ」、「低コスト」、「マルチデバイス対応」があります。
「エンタープライズグレードのセキュリティ」として「AWS Key Management Service (KMS)」の暗号化キーによって、メール送信データを自動で暗号化してくれます。またデータ保存先リージョンを指定することで、データの配置場所をコントロールできます。
利用料金が低額で、1ヶ月のユーザー利用料が4USDです。またユーザーごとに50GBのストレージが利用できます。
「マルチデバイス対応」として、「iOS」、「Android」、「Amazon Fire」、「Windows Phone」等の多くのデバイスと、PC上のメールボックスを同期可能です。
AWSメールサービスのまとめ
AWS上で利用できるメールの送受信サービスとして「Amazon Simple Email Service(SES)」と「Amazon WorkMail」について、サービスの概要等を解説してきました。
大規模なメール送信環境を構築するためのリソースや期間を大幅に削減できるAWSのメールサービスを利用して、ビジネス上のコスト等の課題を解決してみてはいかがでしょうか。
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